対象:Windows 10
Windows PCを使っていて、ブルースクリーンや突然の再起動が発生するようになったら、OS自体の不具合(システムファイルの不整合や破損など)やディスクのエラー、メモリの不具合などが考えられる。
システムファイルの不整合や破損などはシステムファイルチェッカー(sfc.exe)で、ディスクのエラーなどはチェックディスク(chkdsk.exe)で、それぞれ確認できる(Tech TIPS「WindowsのSFCコマンドでシステムファイルの不整合や破損を修復する」、Tech TIPS「Windowsでシステム起動時に強制的にchkdskを実行させる」参照のこと)。
メモリの不具合については、Windows 10標準の「Windowsメモリ診断」機能を利用するとよい。またフリーソフトウェアの「Memtest86+」を利用すれば、Windows OSが起動しなくなった状態でもメモリ診断が実行可能だ。本稿では、これらのツールを使ったメモリの診断方法を紹介する。
Windows OSには以前からメモリの診断を行うツール「Windowsメモリ診断」が提供されている。Windows 10でもサポートされており、[スタート]メニューの[Windows管理ツール]-[Windowsメモリ診断]を選択すると起動できる。
ただし、Windows 10が起動している状態ではメモリ診断の実行は行えないため、すぐに再起動して実行するか、次回の再起動時に実行するかを選択する。再起動後、メモリ診断が行われ、何らかの障害があった場合は、それが報告される。通常は、メモリ診断が終了後、再起動が行われ、Windows 10が起動する。
このWindowsメモリ診断は、簡易な方法でメモリの異常(メモリが正しく読み書きできるか、書き込んだデータが時間の経過や、メモリチップ内の他の場所への書き込みによって別のデータに化けるなどしないか)をチェックしている。そのため、(低い確率ではあるが)異常を見逃す可能性もある。
より確実にメモリの異常を検出したいのであれば、後述するMemtest86+のようなツールを使って、もっと多くの読み書きパターンで、より長い時間をかけてテストを実行するとよい。経験上、Memtest86+のようなツールを使って数時間(可能なら一晩ほど)実行させてエラーが検出されなければ、メモリに関してはほぼ問題はないと思われる(不具合の原因はディスクやその他のパーツにあることになる)。
Windows OS標準の「Windowsメモリ診断」を実行するには、Windows 10が正常に動作する状態でなければならない。Windows 10が不安定な状態で、メモリの不具合が疑われるのであれば、フリーソフトウェアの「Memtest86+」を利用するとよい。Memtest86+は、起動可能なUSBメモリからメモリ診断が実行できるので、Windows OSが起動しない状態であってもメモリ診断が可能だ。
Webブラウザで以下のWebページを開き、真ん中あたりの「Download (Pre-built & ISOs) 」の「Download - Auto-installer for USB Key (Win 9x/2k/xp/7) 」をクリックして「memtest86+-5.01.usb.installer.zip」をダウンロードする。
ZIPファイルを展開し、「Memtest86+ USB Installer.exe」を実行して、ウィザードの指示に従ってUSBメモリにインストールすればよい。Memtest86+は、起動ファイルなどを含めても240MB程度なので、1GBのUSBメモリで十分だ。
Memtest86+のUSBメモリが作成できたら、テストしたいPCにUSBメモリを挿し、USBメモリから起動する。自動的にMemtest86+が起動し、メモリ診断が実行される。
Memtest86+が起動できないなどの場合は、PassMark Softwareが提供している「MemTest86」のFree Edition(無償版)を試してみるとよい。MemTest86は、以下のWebページからダウンロード可能だ。なお、MemTest86には機能制限がないPro版(44ドル)も提供されている。
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