野球凶の詩
・春、それは新たな始まりの季節ですが、私にとっては”野球のシーズン到来”と言う比類無く忌まわしいイベントも待ち構えています。これは同時に「TVを見れば野球! ラジオを聴いても野球! 何処に行っても野球! 」と言う大変に不愉快な日々の訪れをも意味しているワケであり、野球撃滅思想家の私としては非常に憂うべき季節なのです。何故に私がそこまで野球を呪うようになったのか? そこには1つの哀しくも壮大な物語があります。
今でない時、ここでない場所に小学生の男の子が1人いました。
ある日突然、その少年は親に
「地元のソフトボールチームに入れ! 」
と言われました。
突然の事を疑問に思って理由を追求すると、
「男の子はキャッチボールもできないと大人になった時に困るから」
などと無体な事を平然と言いやがるではありませんか!
少年は
「将来の心配をしてくれているのですか、ありがとうございます。
って余計な御世話じゃァァァ! 」
と熱く煮える心の内を隠蔽しながらも、力の限りに
「別にできなくてもイイよ」
と抗いましたが、彼の意見は軽く受け流され、
あたかも
外人傭兵部隊の売り飛ばされるかのように、
自治体のチームに入隊させられました。
チームの練習が行われるのは休日。
少年は最も自由な時間の長い休日に友人と遊べなかったばかりでなく、
興味の全く無いソフトボールを強要されたのです。
あぁ神様、
遊ぶ事が仕事の小学生が遊べないばかりか、
精神的な拷問まで受けるとは何事でしょうか?
こうして失意のうちに2年間の契約を完遂した少年は、
「こんなモンは金輪際やらねェェェッ! 」と
強く、硬く、そして深く、己の心に誓うのでした。
簡単に言うと精神的外傷(トラウマ)ってヤツですな。コレに限らず、親によって強要されたモノは基本的にダメです。その他の理由としては”試合時間が長い割には実働時間が短い”とか”TVやラジオにおいて他の番組よりも優先的に扱われている”とか(もしかしたら本当はコレが1番の理由かもしれない)も挙げられるでしょう。
・私は「キライなモノに関しては、何もかもが許せない」と言う極端な性格をしてますので、気安く「好きな野球のチームは? 」と聞いてくるヒトには「全部キライです」と切り返した後で、「アナタは何故にそのような質問をなさるのですか? 日本人男子なら野球が好きなモノと決まっているのですか? もしそう考えてらっしゃるなら、私にそれを納得させるような理論を提示していただきたい」と論議を仕掛けたくなります。試合の中継で”ワンエンドツー”などと言ってるのを耳にすれば、「エンドって何ですか? それじゃまるっきり日本語の発音ではありませんか。その発音だとandじゃなくてendですよ? 」とか言いたくなります。挙句の果てには”振り逃げ”を見て「その行為は一体全体何ですか? 何処から見ても全く漢らしくないじゃないですか? 」とか、「何で関西では勝っても、負けても、シーズンオフでも、阪神はスポーツ新聞の1面を飾りますか? 」とかあまり本質に関係無い事までも言いたくなります。このレベルにまで到達すると、ただ難癖を付けてるだけの嫌味なヤツに成り下がるのは自分でも解ってはいるんですがね。