冷涼地のカミキリムシから松くい虫 高地の松枯れ、因果関係調べる
松枯れ被害の原因となる松くい虫(マツノザイセンチュウ)が県内で初めて、塩尻市と上伊那郡箕輪町で捕獲されたカラフトヒゲナガカミキリの体内から検出されたことが29日、県林業総合センター(塩尻市)への取材で分かった。マツノザイセンチュウを主に媒介するマツノマダラカミキリは、県内の標高800メートル以下の地域を中心に被害を広げているとみられている。カラフトヒゲナガカミキリはより冷涼な場所に生息するため、県内の標高800メートル以上の地域でも広がっている松枯れ被害に関係している可能性も含め、同センターが本年度、詳しい調査を始めた。
国立研究開発法人森林総合研究所東北支所(盛岡市)によると、カラフトヒゲナガカミキリが媒介し、松枯れ被害が広がっている事例は国内では確認されていない。韓国では、媒介して松枯れが広がっている事例があるという。
県林業総合センターなどは2015〜17年度、カミキリムシの分布などを調査。15年7月と16年6月に塩尻市片丘の県畜産試験場(標高約800メートル)、17年6月に箕輪町三日町のアカマツ林(標高約920メートル)でそれぞれ1匹ずつ捕獲したカラフトヒゲナガカミキリ計3匹について、森林総合研究所林木育種センター九州育種場(熊本県合志市)などによるDNA検査でマツノザイセンチュウを確認した。
県林業総合センターによると、これまでマツノマダラカミキリの生息域で被害が広がると考えられてきた。標高千メートル前後など冷涼な場所で被害が拡大する原因ははっきり分かっていないが、マツノマダラカミキリが局所的に侵入したり、人が運んだ被害木から広がったりするほか、カラフトヒゲナガカミキリが媒介する可能性が考えられるという。
今夏、標高800〜1400メートルの松本市本郷地区のアカマツ林で、高度200メートルおきにおとりの丸太を設置。カミキリムシの生息状況や、マツノザイセンチュウの保有状況、松枯れの被害程度などを最低3年間調査する。
同センター育林部研究員、柳沢賢一さんは「カラフトヒゲナガカミキリの体内にマツノザイセンチュウがいれば、松枯れを広げる危険因子の可能性がある。数年かけて実態を調べたい」としている。
(9月30日)
国立研究開発法人森林総合研究所東北支所(盛岡市)によると、カラフトヒゲナガカミキリが媒介し、松枯れ被害が広がっている事例は国内では確認されていない。韓国では、媒介して松枯れが広がっている事例があるという。
県林業総合センターなどは2015〜17年度、カミキリムシの分布などを調査。15年7月と16年6月に塩尻市片丘の県畜産試験場(標高約800メートル)、17年6月に箕輪町三日町のアカマツ林(標高約920メートル)でそれぞれ1匹ずつ捕獲したカラフトヒゲナガカミキリ計3匹について、森林総合研究所林木育種センター九州育種場(熊本県合志市)などによるDNA検査でマツノザイセンチュウを確認した。
県林業総合センターによると、これまでマツノマダラカミキリの生息域で被害が広がると考えられてきた。標高千メートル前後など冷涼な場所で被害が拡大する原因ははっきり分かっていないが、マツノマダラカミキリが局所的に侵入したり、人が運んだ被害木から広がったりするほか、カラフトヒゲナガカミキリが媒介する可能性が考えられるという。
今夏、標高800〜1400メートルの松本市本郷地区のアカマツ林で、高度200メートルおきにおとりの丸太を設置。カミキリムシの生息状況や、マツノザイセンチュウの保有状況、松枯れの被害程度などを最低3年間調査する。
同センター育林部研究員、柳沢賢一さんは「カラフトヒゲナガカミキリの体内にマツノザイセンチュウがいれば、松枯れを広げる危険因子の可能性がある。数年かけて実態を調べたい」としている。
(9月30日)
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