ラズパイ・クラスター製作ガイド

自分専用のスパコンを「Raspberry Pi 3 Model B+」で作ってみませんか?

ただし、普通にパーツを組み立てるだけでは面白くありません。すべてをデスクトップPCの筐体内に収めてしまうのです。外から見たらWindowsが動いているごく普通のパソコンなのに、筐体の中を覗くとラズパイ・クラスターが格納されていて、LEDがチカチカと点灯している・・・超カッコ良くないですか? 誰かに中二病的だと言われても、一切無視しましょう。誰得なのか? そこはいったん置いておくとして、とりあえず「羊の皮を被った狼」を気取るのです。

IoTデバイスとしてのラズパイは大変興味深いプロダクトなのですが、実際のところ(ホビー目的以外では)、これと言った用途がないのです。私自身そうでしたが、購入した当初は「おぉ、こいつLinuxがちゃんと動くぞ!」と(ガンダムを見つけたアムロのように)嬉々として「ls」や「top」などのUNIXコマンドを叩きます。でもしばらくしてUNIXごっこに飽きると、もうあとは何もすることがない。そっと引き出しの中にしまいこんで、その存在自体を封印することになるんです。スマホやタブレットが普及してからは、ノートパソコンですら起動する回数が減っているのに、あえてそこで非力なラズパイを使う理由が見つからないのです。

IntelのCPUを搭載したパソコンに比べてスペック的に見劣りするラズパイですが・・・単体では非力でも、仲間を増やすことでピクミンのように頼もしい僕になってくれます。指揮者のように、彼らを束ねてオーケストレーションを実践することで、まったく新らしい価値を見いだすことができるかも知れません。まずは8台のクラスターからはじめて、それを16台、32台と(必要に応じて)増設しましょう。

この特集ページでは、ラズパイ・クラスターの製作過程をステップ・バイ・ステップで紹介しようと思います。もし自分専用のラズパイ・クラスターが欲しいと思ったら、キーボードとマウスを半田ごてと圧着ペンチに持ち替えて、電気工作に取り組んでみてください。