ふるさと納税への厳しい規制を決めた、野田総務大臣の「大きな過ち」

もっとも透明性の高い納税なのに…

冷や水

「ふるさと納税」の規制をめぐる議論が激化している。

2007年の第一次安倍政権時に創案されたふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄付をすると、払った住民税の2割程度までが税額控除されるというものだ。これに加えて、各自治体は返礼品として食品や商品券などの品物を寄付した人に送っている。

創設から10年経ち、総務省はその返礼品が年々高額なものになっていることに対し、規制を求め続けている。野田聖子総務大臣は、寄付金額に対する品物の返戻率が「3割」を超える自治体を税優遇の枠組みから外すと明言。自治体にも利用者にも冷や水を浴びせる形となった。

 

ふるさと納税は菅義偉総務大臣(当時)の発案で創設されたものだが、スタート当初の寄付額は100億円にも満たなかった。注目を浴びるようになったのは東日本大震災以降で'12年度は649億円になった。その後さまざまな制度の変遷を経ながら、'18年度には3482億円にのぼる、「一大事業」へと姿を変えた。

総務省「ふるさと納税」のホームページより

この制度が画期的だったのは、事実上税の使い途を国民が選べるようになったことだ。これに関していらだちを隠せないのは官僚だ。もともと税とは政府(官僚)がトップダウン的に税で徴収し、政府(官僚)が配分するのが公正だ、と考えてきたからだ。

そのため、ふるさと納税の導入時には当時の菅総務大臣に官僚から相当の批難があり、同氏は剛腕でそれを押し通した。