M(エム)です。某塾で個別指導講師をしています。以前『ビリギャル』というお話がありまして、映画にもなりました。いくら何でも聖徳太子を「せいとくたこ」とか読むかな?と思ってたので、話全般について「盛っているんじゃないのか」と懐疑的でした。
しかし今回、「そんなに成績伸ばしたんか!」という生徒に当たりましたので記事にしてみたいと思います。私は何ら寄与したわけじゃないです。というか私がかつて一度でも寄与したことがあったのかと問われると沈黙するほかありません。ウヮオ!
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最強の刺客
9月の半ばに塾の方から、「このような生徒がいますが担当可能ですか」と新規案件が。資料に目を通すと、これまで見たことのない志望校が書いてありました。
(;゚д゚) ・・・ (つд⊂)ゴシゴシゴシ (;゚ Д゚) …!?
リアルガチ受験生キター! そりゃ塾だからね
仕事は教科書の読み聞かせだけって聞いてたのに!話が違うやんか!
本当だと思われたらどうするんですか。
真面目な話、教科書って今読むとごっつええで。いっしょにゆっくり読んだらよう理解してくれるねん。
自分が学生の時にもちゃんと読んでおけばよかったですねえ。
初回から四苦八苦
塾の職員「どうしますか、やりますか?」
私「や・・・やります!!」(初の合格実績になるかも!?)
塾の職員「では初回は模試の解説をしてほしいという要望なので・・・」
私「な・・・何ィー!!」
完全に右側
これまで生徒といっしょに楽しくテキトーにおしゃべりしていたのがいきなり模試の解説とは!できるのか?俺?
私「・・・わかりました。授業のクオリティを高めるために(とか言ってみる)事前にその模試に目を通しておきたいのですが、手に入りますか?」
塾の職員「では生徒に連絡して、〇日(初回授業の2日前)にお渡しできると思います」
私「(2日しかないの・・・?)お願いします」
塾の職員「それが終わったら大学の過去問をやりたいとのことで」
私「へ・・・?」
塾内の棚にいっぱい並んでる赤い奴か!
そんなこんなで模試を入手
最近は著作権関係がうるさいとかで、模試もコピーはできないらしく、本人から実物を借りる流れ。そして確認してみると、
模範解答があるじゃないか!マンモスうれP!古いわ
しかも問題用紙の痕跡から半分は解けてるっぽい。あとは残り半分、解答を頭に叩き込んでもっともらしくしゃべるだけだ!勝機ありと見た・・・がしかしその模範解答が!
アルファベット1文字前の人
い・・・
今すぐゆとり教育を復活せよ!
円周率は3でいいのじゃ!
そういう問題じゃないですねごめんなさい(笑)。別にゆとり教育の頃とそんな差はないです。
さて、こちらも年の功で、冷や汗をかきながら何とか取り繕って(そういう技ばかり上達しておるぞ)初回と2回目は終了。
問題の解説というよりは、受験勉強生活の相談のようなことがメインになり、生徒自身がしゃべっている時間が長くて助かりました。模試の件も、模範解答をメモっておいたものを棒読みしたらそれで納得してもらったみたいで、ほぼ自己解決という感じ。
過去問については、他の先生が「今の時期には早すぎる」とアドバイスしたそうで現時点ではやめることになり、からくも虎口を脱しました。赤いのは通常の3倍だとか言うしね。
成績爆上げのワケ
現役の時には某大学がE判定(一般に合格率20%未満とされる)だったそうで、それが浪人してから、模試でその大学より2ランクぐらい上の大学でC判定(一般に合格率40~60%とされる)を叩き出したというのです。そんなことあるかな?と思ったのですが、実際確かに模試の問題も解けているんですよね。いったいどうやったのか?彼の話のポイントは以下。
最上位の集団クラスについていけないと感じ1段下のクラスに変更
まずこれに驚きました。なかなか「授業についていくのが苦しい」と思っても、「1つ下のクラスに落とそう」とはならないものです。しかし彼は見栄やプライドよりも実(じつ)を取った。見事というほかありません。
講師の立場で見ると、「君はもっと基礎をやってくれその方が近道だから」と思う子はよくいます。でも実際にそれを進言することは難しいのです。本人が気づいてくれるのを待つほかありません。うっかりプライドを傷つけると関係修復はできなくなります。
自力で解こうとする。できなくても納得するまで追究
勉強法によくある、「答えを見て覚えてしまえ」という解法暗記は採用せず、とにかく自分で考えてできるところまで解く姿勢。わからなかったり間違えたりしても「どこに気づかなかったのか」「なぜ間違えたのか」をしっかり検討する癖が身についています。理解があいまいなまま放置しない人ですね。
自分をよく分析しやるべきことを常に考えている
「こことこことここの分野が弱い」「こういう部分がいまいちわかっていない」「基礎と発展の間の部分をもっと強化しなければと思っている」「この時期何をしたらいいかと迷って」「夏休みに取った講座の復習をもう一度します」「センターの勉強はいつからやったらいいのか」「過去問はどうやって進めたらいいのか」
そうしたことを常々気にかけているようです。漫然と塾にお任せではなく、自分で現状と今後の予定を管理。
頭の中は多分受かることしか考えていない
「受けた授業、歩きながら思い出して復習したりするんです。どこででもできますね」恐れ入りました。そこまで念を集中しているのなら成績も上がるわけですね。いい意味での執念を感じました。「どうしてもこの大学のこの学部に行きたいんです」と。
弟子にしてください
とはさすがに言いませんでしたが極めて参考になりました。今回の私の指導はトライアルという短期間ですが、残り何回かをいったいどうしますかね。だいたい全部自己解決してる生徒なので、私はおらんでも一向にかまわない気がするのですが。
講師の姿勢について思うところ
最近、どの生徒も授業中は非常によくこちらの話を聞いてくれるようになりました。勤務当初は、「志望校に合格させなくては」「少しでも結果を出さなくては」と意気込んでいましたが、今一つ生徒受けはよくないように感じました。
それが今やそうした思いはどこへやら、ただ毎回「自分が楽しくおしゃべりすること」に専念しているのですが(何をしに行っとる?)、何かそっちの方が生徒とのコミュニケーションがうまくいっているような気がします。気のせいか?あるいは年度後半という時期的なものなのか?
生徒の方もわりと好き勝手言ってくれまして、「わかんないです」「rって何の頭文字ですか?」「今日はしんどいので他のところやりたいです」「トイレ行っていいですか?」「今何時ですか?」「ゴキュゴキュゴキュ(ペットボトル飲料を飲む音)」・・・おーいまだ説明してる途中やし!ほんでこの部屋飲食禁止って聞いてないかい!?とかはもういちいち言わないんですが。フリーダム万歳。
おっちゃんの若い頃に流行ったんよ
唯一、バイトリーダー(仮名)とだけはダメでした・・・。いやリーダーじゃないよたぶん(笑)最後、8連続で当日欠席。さすがにストレスになっていたので、講師交代になってむしろホッとしています。次の講師の方、よろしく頼みます。私にはOTEAGEでした。バイト先では頑張って遅くまで働いているのかなあ・・・。
ウーマンラッシュアワーの傑作コント「バイトリーダー」 - YouTube
ここまで読んでいただきありがとうございました。