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浅尾、引退登板 最後の一球渾身フォーク

2018年9月30日 紙面から

吉見(左)と抱き合い笑顔を見せる浅尾(中嶋大撮影)

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 懐かしい黄金リレーで有終の美を飾った。今季限りでの現役引退を表明していた中日の浅尾拓也投手(33)が29日、阪神戦(ナゴヤドーム)の9回に現役最後のマウンドを踏み、見事に中谷から三振を奪った。役目を果たすと、28日に前人未到の通算1000試合登板を達成した岩瀬仁紀投手(43)へリレー。岩瀬は、入団時の監督だった星野仙一さんの名前と同じ1001(センイチ)試合目の登板だった。野本圭内野手(34)も現役最後の打席で一ゴロ。試合は中日が0-4で敗れたが、一時代を築いた選手の最後の雄姿に球場は沸いた。

 マウンドで4度も首を振った。2ボール2ストライクからの6球目。浅尾が最後の1球に選択したのはフォークだった。「一番信頼していたボールで三振が取れたら」。歯を食いしばり、思い切り腕を振る。外角低め。鋭く落ち、中谷のバットは見事に空を切った。

 12年間のプロ野球人生の締めくくり。心から真剣勝負を楽しんだ。「一野球選手として、全力勝負がしたいと思って入ってきた世界。最後に本気で投げさせてもらえた中谷君には、ありがとうと言いたいです」。点差は4点。勝敗は決しつつあったが、中谷は全力で振ってきた。5球目は、あわや本塁打かという左翼ポール際への特大ファウル。野球の醍醐味(だいごみ)を味わい、胸躍った。

 マウンドに上がる際は森監督からボールを手渡された。打者一人を抑えると、「浅尾に代わりまして岩瀬」とのコール。2010、11年をほうふつとさせる黄金リレーの再現だ。「毎日のように僕が投げているとき聞いていた」。だから、28日に自ら岩瀬に頼んだ。岩瀬も快諾。最高の形でマウンドを降りることができた。

 「強い心」。浅尾がサインなどに添える言葉だ。「僕は強い心を大事にやってきました。先発の勝ち星を消すこともある。強い心を持たないとやれないですから」。最優秀選手(MVP)など輝かしい成績の裏には、くじけそうなときもあった。右肩痛に苦しんだここ数年も、強い心が支えだった。

 

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