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リバー・フェニックス主演映画『旅立ちの時』概要
映画『旅立ちの時』は1988年に日本公開されたアメリカ映画。
上映時間は116分。
監督はシドニー・ルメット。
出演は
ダニー・・・・リバー・フェニックス
アニー・・・クリスティーン・ラーティ
ローナ・・・マーサ・プリンプトン
アーサー・・ジャド・ハーシュ
バターソン・・スティーブン・ヒル他。
最近日本の漫画バナナフィッシュの人気が再燃し、主人公アッシュ・リンクスのモデルとなったのがリバー・フェニックスであるという事は以前に記事に書かせて頂きましたが、
そんなリバー・フェニックスの若かりし日の主演映画です。
家族と恋人と自分の夢の中で揺れ動く少年から青年へと成長する葛藤をリバー・フェニックスが等身大でリアルに演じ、観る者の胸を打つ作品となっています。
映画『旅立ちの時』あらすじ
田舎の町の野球場でバッターボックスに立つ青年ダニー。振り抜いたバットは虚しく空を切りダニーは三振となり、試合終了。自転車で帰路についているダニーは一台の車に尾行されている事に気づきます。尾行を巻こうと躍起になり、茂みに自転車を乗り捨て、自宅にいる弟を連れて緊急時の家族の待ち合わせ場所へと急ぎます。
やがて父母の乗った車が到着し、そのまま家を捨て、着の身着のまま町を出て行くダニーと家族。
実はダニーの父と母は過去に起こした施設爆破により、指名手配されている人物なのです。被害者を出してしまったこの事件、もちろん決してあってはならない事ですが、ダニーの父母としては自分たちの思想に基づいて行動し、被害者を出すつもりもなかった事件でした。
それから一家は逃亡を繰り返し、加入している組織の助けを得ながら、名前を変え、髪の色を変え、町を転々とし、そしてまた新しい町での生活が始まります。
ダニーは2歳の頃からこの生活を続けている為、この逃亡生活にすっかり慣れています。また、心優しいダニーはこの生活でも親を責める事はありませんでした。
ダニーは母親の影響で幼少期からピアノに励んできていました。新たな町で通い出した学校の音楽の教師が、ダニーの音楽の才能に目をつけます。ダニーを高く評価するこの音楽の教師は、音楽の名門であるジュリアードに進学する事をダニーに勧めます。しかし、名前も偽り学校へ通っているダニーにはとても不可能な提案でした。
はぐらかしていたダニーは音楽教師の家に招かれ、そこで娘のローナと出会います。厳格な父の元で自由に生きたいと願っているローナとダニーは意気投合し、自然と恋に落ちていきます。
しかし、ダニーにはわかっていました。やがてこの町を出ていかなければならない事を。
この町での生活も危うさを感じはじめた父母は、次の町への移動を視野に入れます。
一方ダニーは音楽教師の熱心な説得、そして恋人への思いから、ローナに自分の生い立ちと境遇を話してしまいます。
そして父母に内緒でジュリアードの試験を受けてしまいます。超難関と言われるジュリアードの試験の結果、ダニーは合格となります。
これを知り母親が動きます。夫に内緒で自身の父親に会い、ダニーを預かってくれないかと尋ねます。彼の人生と才能をこれ以上抑えつけたくないと。
離れるという事は、ダニーはFBIから監視され、もう家族とは会えなくなる事を意味しています。
だとしても、ダニーの人生を生きて欲しいと願う母の思いからでした。
しかし、父は逃亡生活は家族みんなで続けると断固として考えを曲げません。
ある日、いよいよ今住んでいる町にも住んでいられなくなり、次の町へと逃げる事になった一家。
ダニーは家族の車が来るのを空き地で一人で待ちます。ダニーはすでにジュリアードや恋人の事を諦め、家族と共に生きると決めていました。
そこは車が到着し、急いで荷台に自分の自転車を積むダニー。車に乗り込もうとしたところ、父親が口を開きます。
『自転車を下ろせ。お前は自由だ、お前の人生を生きるんだ。愛している』
と。涙を流している弟。
ダニーを空き地に残し、ダニーの周りを車は何度もグルグルと回り、やがて次の町へと走り去って行く家族を乗せた車。ダニーは泣きながらいつまでも手を振って見送っていました。
緊張感の後の感動がたまらない映画
書いてて泣きそうになってしまいました。この作品も大好きな映画なんです。元々はリバー・フェニックスが好きになってから彼の作品を貪るように観ていた時に出会ったのがきっかけでした。
リバー・フェニックスが常にまとっている寂しさとどこか影のある部分が役柄に非常にマッチしていて、リバー・フェニックス好きには特にたまらない作品なのではと思います。もちろんただ単に映画としても楽しめる作品です。
個人的には弟もいいキャラクターで大好きです。リバーの弟なのに全然かっこよくなくて(笑)でも可愛いんです!表情とかもすごくいいんです。引っ越すと聞いた時のがっくりした顔とか見ていて胸が痛みます。お兄ちゃんとの別れでも絶妙の演技をしてくれています。
ちなみに、リバー・フェニックスはこの作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされています。繊細な演技が評価されたのでしょう。この若さで凄まじい事です。しかし、よく考えたら主演じゃないんだな…主演な気がしますが…(笑)
そんなリバー・フェニックスの繊細さと美しさを堪能できる映画です。絶対観るべき映画、感動作です。気になった方は是非!
『旅立ちの時』
17歳。まだ少年で、でも大人。
M&O