【ゲーム文化】俺たちをなかったことにするのヤメロ【1980年代】

『ゲンロン8』共同討議へのご指摘に対する返答

https://genron-tomonokai.com/genron8sp/hentou/

の記事と、掲載されている

を読んだ。

言ってしまうと、

『電ファミニコゲーマー』編集部がわざわざ時間かけて225箇所の指摘を送ったにも関わらず、大半を「はいはいワロスワロス」で受け流しているとしか思えない回答に腹が立った。

そもそも、この執筆者たちの知識が余りにも浅薄なのだ。

もう物凄く簡単な話で、私がわざわざ貼ったのだが、

ログインの30年前のRPG特集

を見てもらえればわかるように、30年前の1988年には、もうJRPGの基本文法は完成しているし、むしろ日本のRPGは成熟期とマンネリ化さえ危ぶまれていた時期なのである。

にもかかわらず、

JRPGの基本文法は、まさにこの時期に形成されていった

とか書いちゃっているのである。

物凄い腹が立つなんだけど、この人たちに限らず、日本で「ゲームを語る人たち」がコンシューマーゲームばかりしか頭にないのだ。

この「コンシューマーゲーム偏重」、はっきり言って日本のゲーム文化の貧困でしかないし、勉強不足でしかない。

RPGに限らず、アドベンチヤーゲームもシミュレーションゲームも、その他、あらゆるゲームジャンルが、いきなりコンシューマーゲームで生まれたと思っているのか?

実に悲しい事だが、そう思い込んでいる人が多いのも事実だ。

1980年代の国内パソコンゲーム市場によるRPG、シミュレーション、アドベンチャーゲームの受容がなかったら、ほとんどのコンシューマーゲームのジャンルは育っていない。

せいぜいゲームセンターからアクションゲームやパズルゲームが移植されるぐらいだったろう。

そもそも、海外ゲームがいきなりコンシューマーゲームで受け入れられるとでも思うのだろうか?

RPGを例に挙げると『ウルティマ』と『ウィザードリィ』を元に『ドラクエ』を作ったと言われているが、そんなわきゃないのである。

日本のパソコンゲームでRPGがブームになり『ザナドゥ』、『ハイドライド』、『夢幻の心臓』、『イース』、『ソーサリアン』などがなかったら、まずRPGを理解するクリエイターが育ってない。

次にそれを紹介するゲームマスコミが育っていない。

そもそも、ファミ通はログインなしに生まれていないし、電撃各誌はコンプティークなしに生まれない、ファミマガもテクノポリスなしに生まれていない。なにしろゲームをわかっている編集者やライターが育っていないのだから、雑誌だっていきなり生まれるわけがないのである。

1980年代のパソコンゲームという市場で、クリエイターやゲームマスコミ、そしてユーザーが市場を涵養されていなければ、コンシューマー、具体的にはファミコンでRPGやシミュレーションゲームなどの多彩なゲームジャンルが爆発するわけがないんである。

『ドラクエ』が成功したのは、1980年代の国産RPGによってクリエイターが育ち、ゲームマスコミが育ち、市場が育っていたからだ。

いきなり『ウルティマ』+『ウィザードリィ』で『ドラクエ』が生まれるわきゃないんである。

仮に堀井雄二とそのスタッフたちが超天才でそれだけで『ドラクエ』が生まれたとしても、それを理解しているゲームマスコミやRPGというゲームジャンルを知っているゲーム市場がなかったら、ヒットするわけがないんである。

ゲームセンターの役割については、別の人に任せる。

本当、1980年代1990年代の国産PCゲーム市場の役割を抜きにしてゲーム文化を語るのは、漢の歴史を無視して三国志を語るようなものだ。

論外というしかない。

しかし、これがまかり通って、1980-90年代にパソコンゲーマーをやっていたり、ログインやコンプティークの読者だったりした人間にとってはごく当たり前のような事を知らずに、「ゲーム研究家」やら「ゲーム評論家」やら名乗る人たちがコンシューマーゲーム偏重史観で「ゲーム文化」を語ったりしているのが、現代の日本の「ゲーム文化」なのだ。

貧困であるとしか言いようがない。

知識が貧困かつ片手落ちなのだ。

私はもうゲームライターを卒業して20年になるので、あまりゲームについて語ってはいないが、その20年の間に、驚くぐらい「1980-90年代のパソコンゲーム」については語られなくなり、そしてあろうことかそれを無視してゲーム文化を語るヤカラが増えていった。

その結果が『ゲンロン8』のような本である。

コンシューマーゲームについての誤りはいろんな人が指摘しているので、私はあえて専門外なので言わないが、この人たちが1980-1990年代のパソコンゲームという海外ゲームと日本のコンシューマーゲームを繋げるミッシングリンクについてまったく頭にないのはわかっている。

そもそも1980-90年代の海外ゲームですら知識や見識が薄いしな。

とりあえず私は言うしかない、少しは1980年代から1990年代にかけてのログイン、コンプティークのバックナンバー全部読んでから「ゲーム文化」を語れ、と。

こちとら、その頃にパソコンゲーマーやってた世代が40-50代に万単位でいるんやぞ?

少ないように見えるが、あの頃のパソコケンゲームを愛していた人間は数多いし、著名な人間もかなりおるんやぞ。

本当、猛省してほしい。

ゲンロン8の執筆者だけでなく、ゲーム文化やゲーム史を語ろうとする人全体的に言える事である。

「俺たちをなかったことにするのはやめろ」

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