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赤ちゃんの予防接種を反対する自然派の親たち

赤ちゃんが行う予防接種について反対派の親が増えているようです。

命に係わる危険な病気を未然に防ぐ予防接種をなぜ拒むのか、今回はその反対派の意見をまとめてみました。

ワクチン接種が自閉症を引き起こす

1988年にイギリス人活動家のAndrew Wakefield氏が発表した論文には次のような記載があったそうです。

MMRワクチンの接種により、自閉症を引き起こす可能性がある。

MMRワクチンとは麻疹(Measles)、風疹(Mumps)、おたふくかぜ(Rubella)を予防するためのワクチンで海外では一般的ですが、日本ではおたふく風邪を除いたMRワクチンを接種し、おたふくかぜは任意接種になっています。

のちにこの論文にねつ造があったことが判明しましたが、この発表により、ワクチン接種に対する不安の声が広まることとなりました。

現時点でワクチン接種が自閉症などの障害を引き起こすという科学的根拠はないため、これを理由に感染症予防のワクチンを拒むのは決して賢い選択ではありません。

予防接種により、実際にその病気にかかってしまう

予防接種には生ワクチンと不活化ワクチンがあります。

  • 生ワクチン:生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたものを摂取することで、その病気への抵抗力をつけるもの
(例)BCG、MR、水ぼうそう、おたふく風邪など
  • 不活化ワクチン:細菌やウイルスを殺して、抵抗力をつけるために必要な成分のみを抽出したもの
(例)四種混合、小児用肺炎球菌、Hib、日本脳炎、インフルエンザなど

 

不活化ワクチンは接種によりその病気にかかることはありませんが、生ワクチンは毒性が微量でも残っているため、病気にかかる可能性がごくまれにあります。しかし実際にかかったとしても毒性が弱められているため、重症化するケースはほとんどありません。予防接種をせずに、死に至る可能性のある感染症にかかるリスクを負うよりも、軽度の副作用がまれに起こるが、感染症を予防出来るワクチン接種を受けるべきと私は思います。

 

そもそもその病気にかかる可能性が低い

 予防接種が一般的になって以来、日本では麻疹(はしか)や風疹の患者数は激減しました。そのため、予防接種をしなくても、病原菌に接触する可能性が少ないため、必要ないと考えるようです。確かに昔に比べれば予防接種をしなくても感染する確率は低くなりましたが、受けない人が増えることにより、集団免疫*が損なわれることになります。そしてそれにより感染してしまうのは高齢者や子どもなどの免疫の弱い人たちです。交通手段の利便化が進んだ今は、いつどこからウイルスが持ち込まれるかわかりません。そのため、個人としてだけでなく、社会全体の免疫力を上げるためにも予防接種はとても重要だと考えます。

 

*集団免疫:予防接種によって多くの人が免疫を得ることで、社会全体がその病気に対する抵抗力を身につけること。 

過度な 自然派は有害

最近は天然でないものを避ける自然派(ファストフードや添加物、農薬を避ける)育児を取り入れる親が多いようです。確かに、人の手が加えられたものの中には人体に悪影響を与えるものが多く存在します。しかしワクチン接種は自然状態では急速に感染症が蔓延してしまった過去の経緯から作られたものであり、実際に感染者が激減しているという実績があります。過度な自然派意識により、ワクチンを人工のものだから危険と決めつけ、根拠のない考えから拒否するのは危険であると感じます。個人だけでなく、集団免疫の観点からも、是非お子さんに予防接種を受けさせてあげてください。

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