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【プロ野球】

西武マジック1 強い!12連勝、きょう本拠地で胴上げだ

2018年9月29日 紙面から

西武-ソフトバンク お立ち台で涙ぐむ西武・菊池=メットライフドームで(棚橋慶太撮影)

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◇西武5-3ソフトバンク

 西武が12連勝で優勝へのマジックナンバーを1とし、ソフトバンクに8年ぶりに勝ち越した。3-3の6回に中村の28号2ランで勝ち越した。菊池は7イニング3失点で5連勝を飾り14勝目。ソフトバンクは千賀が2本塁打で5失点と崩れた。

   ◇

 長い沈黙の末に感情を絞り出した。試合後のお立ち台。大歓声に包まれ、西武・菊池の目にうっすら涙がにじんだ。

 「ソフトバンクに勝たないと、エースと呼ばれても、本当の意味で認めてもらえないと思っていた」。通算19度目のソフトバンクへの挑戦で7イニング3失点、初勝利を挙げた。殻を破ったエースに、大きな祝福の拍手が降り注いだ。

 初回に3点の援護をもらいながら、味方の失策などで招いたピンチで3回に3点を失った。6回の中村の2ランで勝ち越すと、7回からギアを入れ直した。「ストレート中心でいこうと気合が入った」。一塁のベースカバーに入った際には転倒。それも笑顔で吹き飛ばし、2死からこの日最速の155キロ真っすぐで柳田を二ゴロに封じた。

 「早く勝ちたいと思っていた」。当初は感じなかった相性の悪さも、エースとなってからは気にせずにはいられなくなった。過去には敵地・福岡で黒星を喫し、悔しさのあまり眠れず、宿舎の部屋で見るでもない映画に視線を送りながら明け方まで過ごしたこともあった。嫌なジンクスを振り払うには自力で勝つしかなかった。

 エースの白星で8年ぶりに対戦成績でソフトバンクに勝ち越し。辻監督も「雄星が大きく変わる1日になると思っていた」と目を細めた。

 きょう29日、球団の悲願が実現する時がきた。菊池の白星から始まった大型連勝が13に伸びれば、1958年の西鉄以来となり、優勝に花を添える。辻監督は感慨深く言う。「自分の生まれた年だからね。何かあるかなと。ここまで来たら舞いたい」。歓喜の瞬間はもう目の前。黄金時代の始まりを、地元ファンに見せる。 (松田達也)

 

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