高橋源一郎氏の罵詈雑言には答える必要もないだろう。ここに彼の読解力と人品を読んでくれればそれで足りる。その他、リベラル人士諸氏のネット上の発言は、全て私への具体性のない罵(ののし)りである。

 彼らのツイートだけを見ていると、私は痴漢擁護者、差別主義者、無能、変態、事柄をまるで理解していない…とんでもない無頼かゴロツキにしか見えない。うっかり私自身が、自分を痴漢擁護者だったかと洗脳されそうになった位である。

 では、日本社会、読者層全てから、私の文章は人非人の犯罪的文章だと難じられたのだろうか。どうもそうではないらしい。

 AbemaTVの「"LGBT差別" 杉田水脈議員擁護派の小川榮太郎氏が生出演」は、9月19日に公開、再生回数約20万回、何と約2500件以上のコメントが寄せられている。私のYouTube「小川榮太郎『新潮45』への疑問に答える➀」は、9月21日に公開、再生回数約9万回以上だが、視聴者からのGood 約2200、Bad 約360である。コメント数は500件を超える。
講演する杉田水脈氏=名古屋市西区(須谷友郁撮影)
講演する杉田水脈氏=名古屋市西区(須谷友郁撮影)
 あまりにも数が多いので、とても全部は閲覧できないが、100件ほどを目にすると、鈴木氏の言説、態度への疑問や私への賛同が大半を占めている。しかも、彼ら一般視聴者のコメントのほとんどは、プロのリベラル物書きたちの私への罵詈雑言(ばりぞうごん)と違い、穏当で抑制的だ。中でも評価が高かったコメントは以下の通りである。一つご紹介しよう。

明治大学の教授は自分が話してる時に小川さんが反論すると今自分が話してる時だと文句を言い、小川さんが話している時に自分は平気で横槍を入れる。杉田さんの子供が脅されている事実も聞いたんだから、そこは認めないと。これでLGBTの代弁者を気取られると、LGBTの皆さん可哀想。迷惑してると思う。

 以下のようなコメントもあった。

・TVをはじめとするメディアに集団でクレームをつけコントロールする手法を、言論の活字媒体にも及ばそうとしている。発信者と直接議論することは論破されるからしない。発信する媒体や組織を攻撃して発信者の心を折る戦略でしょう。 

・「LGBTという概念の胡散臭さ」という視点は私にはなく目から鱗でした。そういう意味で「知らない、知りたくもない」なんですね。TはともかくLGBというものに対して異論を唱えることすら許されない現状は非常に気持ち悪いです。小川さん含め、LGBTを否定・抑圧しようと、もしくはストレートになれと考えている人はいない。存在自体は認めるが、「特権」や「税金等支援」が認められないというだけ。先入観や言葉狩りによる批判はLGBTへの理解をより深くする作業の邪魔でしかないと思います。

  一方で私への批判も、もちろんある。

罪なき被害が存在する痴漢と、好きなもの同士で繋がってるだけのLGBTを同視するのはどう考えてもおかしいでしょ。そういう、普通におかしいことを、政治思想が絡んだら普通に擁護する右寄りの人間はおかしいと思いますよ。

 ところがこれは拙文を読んでいないか、読めていない批評である。言うまでもなく、拙文は痴漢とLGBTを同一視していないからだ。しかし、それでもこの投稿には人としての批判の節度がある。