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岩瀬が泣いた 前人未到の1000試合登板

2018年9月29日 紙面から

中日-阪神 ヒーローインタビューで感極まる岩瀬=ナゴヤドームで(小沢徹撮影)

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 頂に到達した鉄腕左腕には、どんな景色が見えたのだろうか-。中日・岩瀬仁紀投手(43)が28日の阪神戦(ナゴヤドーム)に登板し前人未到の通算1000試合登板を達成した。4-3の9回から登板し1イニングを無失点。通算407セーブ目で大記録に花を添えた岩瀬が、プロ20年間を振り返りつつ、本紙に独占手記を寄せた。

 まさかここまで来るとは思わなかった。長い…、長い道のりだった。今はうれしいというより、無事終わってとホッとしている。1点リードの9回、セーブが付くところで出してくれたのは今年初めて。荒木が決勝点に絡んで、頑張っている姿を見て、もう一度自分も頑張ろうと思った。ファンの歓声は、自分の中にすごく響いた。ありがとうございました。

 この手記につけたタイトルは「無心」。「継続は力なり」を座右の銘にしてきたけど、続けるためにマウンドに雑念は持ち込まないよう、無心で投げることを1000回心掛けてきた。

 去年、通算950試合登板で日本記録を更新した時、あれだけ大きく祝ってもらってから50試合増えただけ。正直、去年と違う感慨はないし、自分ではそれほど1000という数字を意識してなかった。ただ、周りは違って、特に江夏さんには会う度に「絶対1000まで投げろよ。誰もやっていないんだから」と言われ、頑張らないと、という気持ちになった。大学・社会人を経てプロ入りしたので、こういう記録を打ち立てる選手になるとは想像もできなかった。不思議な感覚だね。

 最も緊張した試合を挙げれば、新人の開幕戦。1点リードの場面で使ってもらいながら、1つのアウトも取れなかった。頭が真っ白。1000試合には含まれないポストシーズンだけど、(山井)大ちゃんと完全リレーで日本一になった日本シリーズも、別の意味でものすごい緊張で、一番の歓喜の瞬間だった。

 

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