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【国際】

性的暴行疑惑、米上院公聴会 証言の女性「殺されると思った」

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 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領から連邦最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏(53)=写真(上)、UPI・共同=の性的暴行疑惑を巡り、被害を名乗り出た大学教授クリスティン・フォードさん=同(下)、同=は二十七日、上院司法委員会の公聴会で「手で口をふさがれ、殺されるかと思った」と声を震わせながら証言した。一方、カバノー氏は「無実だ」と事実関係を否定し、主張が真っ向から対立したまま終わった。

 トランプ氏はツイッターで、カバノー氏について「力強く、正直で素晴らしかった」と擁護し、承認手続きを進めるよう要求。与党共和党は二十八日午後(日本時間二十九日未明)、司法委で採決を強行する構えだが、相次ぐ疑惑の真相解明を置き去りにすれば、十一月の中間選挙で女性票の離反を招く可能性がある。

 フォードさんは高校時代の一九八二年、パーティーで酒に酔ったカバノー氏からベッドに押さえつけられて体を触られ、性的暴行を受けそうになったと証言。カバノー氏の犯行だったと百パーセント確信して「証言することが国民の義務だと思った」と訴えた。

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 対するカバノー氏は、女性三人が被害を名乗り出ていることに関して「誰にも性的暴行をしていない。私と家族の名誉は、完全に、永久に傷つけられた」といら立ちながら反論。野党民主党が承認手続きを妨害していると批判し、「脅されて指名を辞退する考えはない」とも強調した。

 連邦最高裁は人種差別や宗教、銃規制などの国論を二分するような社会問題で司法判断を下し、歴史を動かしてきた。判事は終身制で、現在、保守派とリベラル派が四人ずつを占める。カバノー氏が就任すれば、長期にわたって司法判断が保守的になり、妊娠中絶や性的少数者(LGBT)などの権利が制限される懸念も指摘されている。

 

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