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連続テレビ小説「あまちゃん」美術進行・美術制作第38回エランドール賞 特別賞受賞 第41回 伊藤熹朔賞 テレビ部門 本賞受賞



2014年7月掲載

2013年4月から放送され日本全国に大ブームを巻き起こした連続テレビ小説「あまちゃん」。弊社ではその番組美術デザインから美術進行・美術制作まで担当し、長期に渡り「あまちゃん」に関わりました。
「あまちゃん」の世界を表現するために、演出とデザイナーの意図を打ち合わせや台本から汲み取り、時代・舞台となった土地の風情・季節などにこだわりを持って番組美術を担当しました。「あまちゃん」ならではの早いテンポに合わせて、様々な作り物をするなど番組美術の面からあまちゃんブームの一翼を担いました。
「あまちゃん」の制作チームは、映画やテレビドラマなどで活躍した俳優やプロデューサー、作品を表彰する「第38回エランドール賞」の特別賞を受賞しました。
また、2013年度のテレビ美術に顕著な功績のあった方々に贈られる「第41回伊藤熹朔賞」の本賞を受賞しました。


<番組美術部担当者3名のコメント>

■昨年、「あまちゃん」の美術進行を担当して苦労したのは、上野でのアメ横ロケ撮影でした。アメ横は一日の通行者は50万人を越える日もあると云われる、都内でも有数の大型商店街です。
早朝のお店も開く前から飾りや準備をして、撮影を行いましたが、昼前には大勢の人だかりになり美術スタッフを初めとするスタッフ全員、苦労したと思います。
終盤の海女カフェのセットは、手作りをテーマとしたセットで、これまでやってきた「あまちゃん」美術の集大成の飾りになりました。また、海女カフェで行われた合同結婚式で使用した3組の琥珀の結婚指輪の1つには、自分たちが手作りした指輪を使用するなど思い出に残るシーンとなりました。

■「あまちゃん」の美術進行を1年間担当して、思い出すのは久慈でのロケです。袖が浜漁協の前や北三陸駅、秋祭りなどいろいろな場所で大きなロケをしました。1か月以上のロケでしたが、美術スタッフが力を合わせチームワークで乗り切ったロケだと思います。また現地のスタッフの方々にも大変お世話になり、無理なお願いを言いましたが、全力でサポートしていただき、本当に助かりました。
また東京のスタジオの美術で担当した潜水土木課の飾りでは、南部もぐりのヘルメットとして実際に使えるものが関東には殆どなく色々な場所にご協力いただいたり・・・と準備が大変でしたが、無事に収録を終えたときの達成感は忘れられません。

■季節感と時代感。この二つが「あまちゃん」のセットに味を出せたと思います。
袖が浜の天野家には、夏の軒先に昆布やワカメを干し秋には干し柿、冬には荒巻鮭を吊るしました。部屋の中では、冬には囲炉裏を囲み、夏は窓を開けうちわをあおぐように、食卓の食べ物も季節の物を準備しました。
袖が浜の春子の部屋を80年代の「アイドルに憧れる地方の女の子」の部屋にできるよう、また喫茶アイドルのマスターの後ろの棚にはその時代のアイドルのレコードを飾ることができるように色々と調べて手配しました。季節感と時代感が、見ている方に懐かしさや田舎生活への憧れを与えられたかなと思っています。



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