登録会員限定記事 現在はどなたでも閲覧可能です
旅行業などにサービス検索ツールを提供するフォルシアと京都大学は2018年9月28日、需要と供給に応じた最適な値付けをする「ダイナミックプライシング」に関する共同研究を始めると発表した。契約期間は2018年10月1日から2年間。
関連記事:値付けはAIに任せろ
フォルシアと京大は、一般にダイナミックプライシングに活用される「空き状況」だけではなく、利用者に着目し「利用頻度」を加味して値付けするモデルを提唱する。旅行商品を含めた様々なサービスに適用できるようにする考えだ。
「『価格は柔軟に変更できない』という前提で、当社は多様なサービスから最も安いものを探す検索ツールを開発してきた。だがITのおかげで、価格変更のコストは限りなく小さくなった。今後は価格変更を通じて供給者にも利用者にも利益をもたらすダイナミックプライシングに取り組む」。フォルシアの屋代浩子社長はこう意気込みを話した。
一方の京大大学院情報学研究科の梅野健教授は「今月、台風のために福岡に足止めされたが、ビジネスホテルは1泊何万円もするような値付けをしていた。こうした利用者の足下を見るダイナミックプライシングは本来の姿ではない」と強調した。「最適性と公正性を両立させる新しいモデルを提唱したい」と続けた。