ネット右翼が無職やアルバイトなど定職に就いていない人が多いと言うと、調査ではふつうの人が多い、定職に就いている人が圧倒的多数であるという反論を付けて来る人がいますが、私がしているのは2002年から4~5年間の話です、今のネトウヨ事情とは違います。ネトウヨではなく、ネット右翼と呼ばれていたころのことです。

 2006年に在特会が設立されてネット右翼が街へ出るようになり、ネトウヨという言葉もその数が増えるに連れて定着して来ます。初期の在特会は、事件を起こして逮捕された時のメンバーの公表された職業を見ると、自称ネイリスト、自称電気工事工、自称カメラマン、自称アパート管理人手伝い、無職、といった人が多く、初期のネット右翼の人員構成をそのまま引き摺っています。職を言っているが本当にそれで生計を立てているのか怪しい、親の仕事を気が向いた時だけ手伝う、といった状態の人が多かったわけです。

 暇で時間を持て余している人たちであることは共通していましたが、このなかで、自称電気工事士や自称アパート管理人手伝いは富裕で、自称カメラマンや自称ネイリストは貧しかったようです。自称カメラマンは安売りのそうめんを小分けにして飢えを凌ぐ惨めな暮らしぶりを新聞に書かれています。

 ネトウヨの中にも、インターネット関連機器や接続料が高かったころにやり出した富裕で今の仕事には恵まれていない層と、それらが安くなってから参入した貧困層とがあることを、逮捕によって仕事などが暴露された在特会員の構成は示していました。

 幽玄佐東氏などは、インターネットの初期に随分あった親の遺産を元手にネット関連の会社を立ち上げて、大失敗したと聞いていますから、初期からやっている富裕層のネトウヨだったと思われます。
 
 ネットの中のネトウヨと呼ばれるようになった人たちは、仲間うちで作り上げて来た虚構の体系を声高に唱えますが、それは違うだろうという指摘をする人たちもネットの中で現れ始めます。

 民主党の国会議員は在日韓国人だとしているが、日本国籍がないと立候補は出来ないと指摘されると、選挙管理委員会のなかに在日韓国人が紛れ込んでいて国籍を偽ったのだと言います。

 在日韓国人への生活保護費が3兆円と言っているが政府が公表した数字は800億円であると指摘されると、政府に紛れ込んでいる在日韓国人が公表する数字を操作していると言います。

 敗戦直後に朝鮮進駐軍が暴れまわって駅前の一等地を奪ったというが、当時生きていた人たちに聞いてもその事実を証言する人はいないと指摘されると、仕返しが怖いから今でも口に出せないのだと言います。

 そういうやりとりのなかで、ネトウヨは、議論になった場合に、自分たちは他のブログの記事を転載するだけで証明したことになる、相手には完璧な証明を求めることができて、さらにその証明したことが正しいかどうかを判定する権利が自分たちにあるとする、ネトウヨ特権ともいうべきものを手に入れて行きます。

 その結果、ネトウヨはネットの中での議論では無敵の存在となり、ネトウヨが言っていることの誤りを指摘していた人たちも、議論の前提条件が不公平すぎるので次第に沈黙して行くことになり、その時点でも人数的には数万人程度でありながら、ネットの中での覇権を確立してしまいます。



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