09年の民主党政権成立のころに、ネットについて詳しい人に、民主党政権を反日極左と決めつけているネット右翼はいったいどの程度の勢力なのかと尋ねたら、人数的には新社会党くらいのもの、一人一人の書き込み時間が長く量が多いから大きな勢力に見せることに成功しているだけ、といった答えが返ってきました。

 それが民主党政権の間に、政権与党を反日極左政権と決めつけ、憲法や政権よりも上位に存在する絶対正義神聖不可侵の「日本」の意志の代弁者としても地位を固めたネトウヨは、政権与党よりも自分たちの方が「日本」の代弁者であるから上位になるとした上で、民主党政権がやることは全て在日コリアンや中国の利益になっていると指弾する攻勢に出ます。

 中国人に関する訪日観光ビザの緩和は自民党政権のころに決まっていたことなのに、それが実施されると、中国人6億人を日本に呼び込んで在日選挙権を与えて日本売り渡す作戦だと言い、日韓通貨スワップも自民党政権のころに決まっていたものなのに、その枠が拡大されると5兆円を韓国にくれてやったと非難します。最終的には1円も使われなかったのですが、日本人はいつも最後まで見ることなくネトウヨの宣伝に乗せられてしまいます。

 釣魚島(尖閣)に中国漁船が迷い込んでくると、なんの証拠も示さずに工作船で船長は工作員だと断定しますが、一般国民がその無責任な指摘に同調する空気が生まれて来ます。そのころから一般国民の世論がネトウヨの議論に同調するようになってきて、固有の領土を侵略から守れと言う極右の議論に一般国民が付和雷同するようになってきます。

 東日本大震災はネトウヨにとっては勢力拡大の絶好の機会になります。菅首相は北の将軍様に褒めてもらうために一人でも多くの日本人を殺そうとしている、被災地では朝鮮人による投毒、略奪、放火、強姦が相次いでいる、更地になった被災地の土地を朝鮮人が更地を占拠しているといったデマを流します。いつもは韓国人と言っているのに、この時だけは関東大震災の朝鮮人の暴動(ネトウヨはそのように歴史を捻じ曲げている)を思い起こさせるために、わざわざ朝鮮人と表現するという芸の細かさもみせています。

 さらに村山内閣のときに阪神大震災が起きた、菅内閣のときに東日本大震災が起きる、反日極左政権ができると日本では大災害が起きるのだという、天災を与党の政治姿勢を絡める狡猾な議論も展開します。

 原発の停止で電力不足が言われると、日本の電力の消費量の20%がパチンコ店だから、パチンコ産業を禁止にすれば電力不足は解消されという大嘘も言い出しますが、不思議なくらいにこれを信じてしまう人が多数いました。

 ネトウヨは東日本大震災という多数の人が亡くなった悲劇を利用して、捗らない原発処理への国民の不満を、在日コリアンの問題に狡猾にすり替えて勢力の拡大をはかり、野田佳彦総理のときには3万~7万ほどの人数になります。こうなると草創期からやっていた豊かな無職やアルバイトの人たちは少数派になって行きます。


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