9月下旬、『ウィッチャー』シリーズや『サイバーパンク2077』で知られるCD Projekt REDは、世界中から80名以上のゲームメディアジャーナリスト、インフルエンサーをポーランド・ワルシャワ本社に招待し、最新作『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』の紹介を行いました。Game*Sparkも、日本から数少ない招待メディアとして、このイベントに参加。本作をプレイしてきたので、本作がどのような作品で、どのようなプレイ感なのかをお届けしていきます。
今回、プレイしたのは、コンソールに先立って10月23日に配信される予定のPC版(GOG.com限定配信)。この時点のビルドはすでに日本語化されており、ゲームプレイテキストはもちろん、音声も日本語になっていました。本作はもともと、『グウェント ウィッチャーカードゲーム』のシングルプレイヤーキャンペーンとして発表されましたが、ボリュームが大きくなりすぎたため、スタンドアローンのタイトルとなった経緯を持つ、壮大な作品です。
本作の主人公は、既報の通り、ライリアとリヴィアの女王「メーヴ」。過去の『ウィッチャー』ゲームシリーズでは描かれていない物語が紡がれます。最初に、ゲームをスタートすると、メーヴが軍を引き連れて、領地に帰ってくるところから始まります。メーヴが不在の間、彼女は息子に統治を任せていたらしいのですが、どうやらうまくいっておらず、各地では盗賊や、怪物たちが領地を踏み荒らしている様子です。まずは進みつつ、チュートリアルをこなしていきます。
会話は、マップ上で完結するもの(主に村人など、名前のないNPC)と、イベントとして発生するサウンドノベルタイプのものが存在。作中で多く見かけるのはきっと後者になるだろうと思いますが、吹替えでもリップシンクがしっかりしており、没入感を損ないません。声優陣も、洋画吹替やゲームで活躍している方ばかりで、不満はゼロ。ゲームUIなどを含めてもローカライズに関しては、問題なさそうです(そもそも、不安に思っているユーザーがいなさそうですが)。
戦闘は、全て「グウェント」で行われるのですが、従来のものとは変わっている部分があり、盤面の2列化(2×2)はその最たるものでした。とはいえ、2ラウンド先取で勝利、マッチ開始時のカード引き直しなど、ベースはほとんど変わっていないので、すでに「グウェント」に触れた人はすんなりとプレイできそうです(「配置」や「遺言」といったアビリティなども現行グウェントと同様に見られました)。
また、本作の新たな要素として、3つのリソース、資金/木/兵士が存在しており、様々な用途で使用可能。これらのリソースは、カードの作成、道中の特定ポイントで出現する分岐選択肢(リソースがもらえることもある)、野営地の拡張などに消費します。野営地は、工房や訓練場などいくつかの施設に分かれており、工房からそれぞれの施設の拡張(グレードアップ)をスキルツリーのように行っていけます。この施設を拡張させると、新しいカードが作成できるようになったり、メーヴの(マップ中での)移動速度が上がったりします。
マップは、クォータービューのような視点で、マウス操作の場合は進ませたい場所をクリックしつづけて移動します。世界は広大で、それぞれが非常に広いマップが5つ用意されており、ゲームが進行するたびに新たな場所へ行けるようになります。マップの至る所には、前述したリソースが落ちており、右クリック長押しで回収可能です。もちろん、戦闘やイベントをクリアしてもリソースは手に入りますよ。また、ファストトラベルも実装されていました。
戦闘は、通常の3ラウンド中2ラウンド先取制のものもあれば、ショートバトルと呼ばれる1ラウンド先取で勝利するものも。このショートバトルは、あらかじめ決められたカードを使い、特定のルール上(勝利条件)で戦わなくてはいけない「パズル」タイプのものと、物語の進行上避けられない「ストーリー」タイプの2種類がありました。特に「パズル」はくせもので、勝てば、リソースが多くもらえる代わりに、自分の手札をどのような順番で使って、なおかつ、勝利条件を満たす、というのが難しく、筆者を悩ませました。
筆者がプレイ体験中に対面したのは、「敵カードを全て倒す+自軍を1人も倒されてはいけない」や「敵カードのポイントをすべて1まで減らす」などです。こう見ると単純に思えるかもしれませんが、自らのポイントが偶数の時にだけ攻撃してくる敵や、自分のカードのアビリティ見極めなど、多様な面を見なくてはいけないので、自分がカードを出す順番はまさしく「パズル」。10回近くトライしてようやくクリアしたときの脳汁はすごいものがあるので、地道な試行錯誤が報われたときは気持ちいいです。
難しいのはちょっと、と思った人も安心してほしいのは、本作の設定で(パズルに限らず)戦闘をスキップできる難易度が存在していることです。もちろんスキップした場合でも勝利後のリソースももらえるので、物語に集中してプレイしたい方は、そちらを選択する、という手もあります。
さて、ここまで本作を一通りプレイしてきましたが、筆者が『ウィッチャー』シリーズの中で"異端"だと思ったのは、「ゲラルト(やシリ)を操作しない」こと。どういうことかと言うと、本作にも会話中の分岐選択肢がありますが、メーヴは女王なので、ゲラルトとはまた趣の異なる決断/選択をする必要がある、ということです。本作をプレイ中、メーヴが立ち寄ったある場所で、人間が非人間族を虐殺している場面に遭遇します。
ここで戦闘に勝利すると、虐殺を扇動した人間をどうするか、という選択をします。選ぶのは、処刑か、鞭打ちか、です。筆者は日和散らかして、鞭打ちで手打ちにしたのですが、この選択をした結果、メーヴの部隊から非人間族の兵士が消えた、とダイアログが表示されます。この影響自体は体験プレイ中には、感じられなかったのですが、君主たるメーヴがどのような判断を下すのかは、非常によく考えた方がいいかもしれません。
250以上のカードが登場し、20の完全新規カードが盛り込まれる『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』PC版は GOG.com上で10月23日、PS4/Xbox One版は12月4日に配信開始予定です。
(取材協力:CD Projekt RED)
評価の高いコメント
編集部おすすめの記事
連載・特集 アクセスランキング
-
『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』最大の魅力は"ウィッチャーではない"主人公と戦略性が増したカード戦闘だ―期待の新作を一足先に体験【特集】
-
社員は指示通りにしか動かない!?『ヒューマン・リソース・マシーン』【スイッチと往くインディー行脚】
-
【7/14更新】【特集】名作133タイトル!『SteamのオンラインCo-opゲーム』総まとめ
-
【大喜利】『ゲーム的運動会の競技』回答募集中!
-
【特集】『Steamのホラーゲーム』総まとめ―背筋が凍るおすすめ作品を網羅
-
【総力特集】『メタルギア』シリーズ総まとめ―全23作を一気に紹介!
-
【特集】オススメ!『PS4の基本プレイ無料ゲーム』13選【12/7更新】
-
【総力特集】『ロマン溢れるPCフライトシミュレーター』10選
-
【特集】『PC版Fallout 4オススメMod』10選!導入せずにはいられない魅力的Mod群
-
サバイバルホラー『COLINA: Legacy』「古典的ホラーゲームへの感謝を示した作品」【注目インディーミニ問答】
- 「英語脳」の作り方がついに判明!53歳の主婦が1週間でペラペラになるか試してみたPR(powergents.net)
- 『グウェント』スピンオフ『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』は独立した30時間超のシングルプレイヤーRPGに家庭用ゲーム2018.08.30
- 『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』の発売日および 『グウェント ウィッチャーカードゲーム』の正式版リリース日が決定!ニュース2018.09.18
- まだ白髪染め使ってるの?43歳をまるで20代にする泡立たないシャンプーとはPR(erbalise.net)
- 『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』先行予約開始!ゲラルトもチラリと登場するトレイラーが公開家庭用ゲーム2018.09.28
- 英検3級が不合格だった37歳を1週間で英語脳にしてバイリンガルにPR(おうちホームステイ)
- 女王メーヴの復讐を描く『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』の"ねらい"はどこにある?CDPR本社で突撃インタビュー【特集】連載・特集2018.09.27
- 「プロレスにチャラさを持ち込んだのは僕です」PR(情熱大陸 on シネマトゥデイ)
- 『ぷよぷよeスポーツ』新たな切り口でファン拡大を目指す国民的パズルアクションの真意とは【TGS2018】連載・特集2018.09.24
- ほぼ全員、お腹に脂肪なくなって騒然した目からウロコの方法!?PR(kirei-media)
- 内からわき上がるSHIHOの美しさの源泉とは?PR(FANCL on WWD JAPAN.com)
- 【漫画】『ULTRA BLACK SHINE』case26「タイムマシンによろしく! その4」連載・特集2018.09.21
主人公が指揮官でこういう重大な選択をしていくゲーム大好き
シリーズ化して欲しい
メーヴもそうだが魅力的なキャラ多いし
気にしてなかったタイトルだけど急に興味が湧いてきた、おもしろそう