誤解だらけの人工知能~ディープラーニングの限界と可能性~

下記書籍を読みました。

誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性 (光文社新書)

誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性 (光文社新書)

 

 気になった箇所を引用します。

 

それよりも「マシンパワー」と「完全な記憶」という2つのメリットを使って、人間に勝つ方法があるはずだという発想に立って人工知能を開発している研究者がほとんどでしょう。

人工知能のあり方の話。人間の脳を再現するとかって話はあまり現実的ではなく、シンプルにマシンのメリットを活かすことを考えればいいのではという話。また、人間の脳をモチーフにしていたら、人間の脳を超えることではできませんよね?みたいな話も新鮮だった。

 

あと、ディープラーニングの話について序盤に大きく割かれているのですが、その中でディープラーニングの限界や問題点、活かし方などが紹介されています。その1つとして例えば、人間は手書き文字を7785年鎌倉幕府成立とは誤認しないけれど、ディープラーニングだとあり得るみたいな話がありました。人間が大前提として捉えている情報を把握できていないってことみたいです。また、下記のポイントも重要そうでした。

 

さて、質問に答えますが、ディープラーニングの弱点を克服するためには「概念」への理解が求められるでしょう。抽象化する技術と言えばいいでしょうか。

乗用車とトラックは車に分類されるけど、田中は人だから車に分類されない。そうした「概念」の獲得がディープラーニングをさらに強固にしていくに違いありません。

ディープラーニングには「なぜ?」が無いし、「なぜ?」とも考えません。考えないから、目の前の問題しか解けない。思考に奥深さが生まれないのです。

結局、人工知能の研究開発において、無いデータに対する解析はまだ人間にしかできないのです。この枠が超えられないからこそ、第3次人工知能ブームはいったん沈静化に向かうのではないかと予想しています。

この先10年を考えると、命に関わる分野よりもはるかに安全で、誤認識が起きたとしても人間が後からフォローできる分野での人工知能の開発と、世間への浸透が進んでいくでしょう。一方で、人の命に関わる分野に関しては政府主導で法律面の整備を推し進めなければ、なかなか浸透しないはずです。

第3次人工知能がいったん落ち着いた後、再び盛り上がるためのブレイクスルー・ポイントは間違いなくこの「意味の理解」です。先ほど「ディダクション」と表現した理由の節目とは、まさに「意味の理解」なんです。

人工知能は普及していく。ブームはいったん終わるかもしれないが、地下では脈々と流れ続け、意味の理解を手に入れようとするときに再び大きなブームが訪れる。 

 

では、ビジネスに導入する上で、どんなリスクが考えられるのか。多くの場合、ディープラーニングを理解した人材の不足、人工知能を導入しようとする組織の勉強不足、そして室の高い学習データの不足、この3点にまとめられると思います。

海外では、質の高いデータを独占して、付加価値のある学習済みモデルを作成しようとする動きがあります。ハードが制約にならなくなった今、競争の源泉はデータになります。データこそ貴重な資源です。

ビジネスにおける人工知能の導入は、そういうニーズから掘り下げていった方が用途が見えてくると思いますね。

手っ取り早いのはグランドチャレンジを見ることです。良い意味でのカンニングペーパーみたいなものです。グランドチャレンジの状況を見ていれば、今から10~20年先に必要な技術や人工知能の向かうべき方向性が見えてきますよ。

つまり大量のデータを集めて、それをもとにモデルを作成できて、なおかつオープンソースで公開できる企業は、この先めちゃくちゃ強いでしょうね。それができるパワーと、時間と、人が集まっているわけですからね。

それを踏まえると、今から徹底的に人工知能を学ぶべきである。特にビジネスサイドで本当に価値ある人間はほとんどいない。そうした人材をいかに手に入れるかが企業の競争力においても重要な意味を持ち始めている。 

 

21世紀の仕事を大分類すると、人工知能を作る仕事と、自分自身を売り込む仕事、この2つに収斂されるのではないでしょうか。おそらく文系の人は「自分の価値の提供」に、理系の人は「人工知能の製造」に分かれていくと僕は思います。

人工知能について考えるのは、実際のところ、未来にどのような生き方をしていくのかを考えるのと一緒です。

多くの経営者に訴えたいのですが、人工知能開発で問われているのは「これからの時代の企業のあり方」そのものなんですよ。歴史観が欠落しているから、人工知能を儲かるかどうかでしか判断できないんです。

アメリカに行くとだいたい、数学科と統計学科があるんです。統計学科は本当に必要です。

あわせて統計学が今まで以上に重要になってくる。 とにかく大きな変化が起きる。その中をどのように生きたいかを考えることは必須。

 

「信用」や「共感」に対するインフレが起こると僕は思います。もともと日本には「信用」という文化がありますが、それがより目に見えるカタチで世界に浸透していくでしょう。

Youtuberだけにとどまらず、あなた個人を表現する場所が、これからもどんどん広がっていくはずです。あなた自身が何者であるかがより重要になり、あなたのデータが、今よりももっと直接的な価値を生み出す時代になってくるはずです。

人工知能時代の「信用」という物差しはSNSが決めると思っていた方がよいでしょう。ネットのどこかであなた自信を表現してはいかがでしょうか。

インターネットから匿名という概念は無くなると思った方がいいでしょうね。ネット上を実名で生きられる人が、これから訪れる人工知能時代を満喫できると僕は思います。

 機械学習の普及によって、その人自身の個性、信用の価値が増大する。SNSの重要性が増すだろう。それどころか、高い価値を手に入れるためには人工知能を極めますか、それともYoutuberになりますか的な二択にすらなりかねないかもしれない。

 

重要なのは、ディープラーニングを勉強することではありません。そんなのはガチでやっているエンジニアに任せればいいんです。実際に雰囲気に触れることで、何ができて何ができないのかを把握して、ビジネスへの導入を考えてほしいんです。

結局、今からできることは何なのかと言えば、「コツコツ勉強しろ」ということだと思うんです。

なぜなら、知識は反復練習でしか定着しないからです。知っているのと、知っていて実際に活用できるのとでは大きな差があります。

 以上を踏まえると、

  • ディープラーニングジェネラリストの資格をまずは取る
  • お腹ブログをしっかりと更新し続ける
  • TOEIC900点を取得する

まずはこの3つを達成して、それらをどんどん深めていく。あわせてプログラミングの学習も地道に続けていく。