デミウルゴスですが至高の御方のフットワークが軽すぎます   作:たれっと
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バタフライ・エフェクト
ささやかな反逆


アインズ様の世界征服宣言から少し時が経った。

あれからナザリックでは各階層守護者だけに留まらず、柔軟に動ける者のほとんどは至高の存在からの勅命の元、日夜ナザリックの繁栄のために働き続けている。

 

かく言う俺も、先日社長から直接呼び出しを受けたばかりだった。

内容はこれから世界征服に向けて活動する際、目減りし続ける資源や消耗品の確保と共に安定した供給源も作り出せとの事だった。

それとは別に、ナザリックの中でデミウルゴスは軍事的才能があるらしいので侵攻計画の案も出さなくてはならない。

 

もちろん手を抜いたり安易な失敗する事は出来なかった。デミウルゴスは完璧な男だ。もしらしくない結果を出してしまっては、中身が人間だとバレてしまう危険性がある。

しかし、日本では極めて普通の生活を送っていた俺には世界征服の計画なんて中学生の時に妄想でしか考えたことがなく、結局今になっても思いつく事はできなかった。

 

(それにしても、物理的な意味で首に関わる案件抱えてて、早く処理したいのに休日は必ず休めなんてなんの冗談だよ)

 

更に、俺を焦らせるのは個人個人に設けられた休息日の存在だった。

元々社会人だったので休みが有るのは歓迎なのだが、今の状況は上手く仕事をこなさなければ命に関わる状況にある。

なのに例え疲れる身体でなくとも休みは必要だと上司から厳命されてしまうのは、俺には戸惑いしか感じなかった。

至高の御方は生まれる所を間違っているんじゃないか?どうせならこんな怪物だらけの所じゃなくて労基署のトップでいて欲しかったぜ。

 

しかし、このままだと一時の休息どころか永遠に眠る事になりかねない。何か考えなくてはな。

 

「お兄さん、おいしい果実あるよ」

 

「あ、結構です」

 

露店で果物を売っていたおばちゃんから声をかけられ、未知の食べ物に興味は有ったが待ち合わせが無かったので仕方なく断る。

 

 

そんなわけで、オフとはいえただ寝ているわけにもいかないので、俺は情報収集と、良い案を出すために脳みそに刺激を与えるのも兼ねてナザリックから一番近い大きな街まで外出していたのだった。

ちなみに、流石に悪魔の格好で外に出るのはまずいのでスキルで変身して人間のような見た目に変えてある。この辺りの人たちに混じっても違和感のない中肉中背で特徴のない顔立ちだ。

服装も周りでよく見かけるものに着替えてあるが、両手には黒い手袋をはめて長袖を着ているので露出は顔以外無くなっている。

 

そんな俺の今いる都市の名前はエ・ランテル。リ・エスティーゼ王国という封建国家に所属し、隣国に一番近いため軍事拠点としても使われる、中心まで三重の壁を持った城塞都市だ。

しかし、今の所戦争が無いためか都市に緊張といったものはなく、辺りは活気付き先程のおばちゃんのように声をあげて呼びかけする商売人も見られた。

 

(うーん……見たところ侵攻の障害になるものは無いな)

 

城塞都市と言えども、壁は鉄どころか普通の石材であり、間違ってもユグドラシルに有ったヒヒイロカネなどの希少金属ではない。

手袋越しにではあるが、壁にも触れてみる。何か魔法的な防護があるかもしれないと思ったが、変身が解けてしまったり弾かれたりとか違和感はない。これならばナザリックの面々なら飛んだり跳ねたり透過したりしてそのまま無視できそうだ。

 

やっぱり搦め手が使える面子が多い以上、生半可な防御ではこっちを止めることはできないだろうな。

だとすると、やはり警戒すべきは一騎当千と言える強者だろう。あまり考えたくないが、アインズ様を歯牙にも掛けない存在が現れた時に、きっと進撃は止まることになる。

 

至高の御方も言っていたが、やはり強者の情報は重要だな。

 

 

――いや、何故俺はナチュラルにこの都市を攻める事を考えてるんだ?

別に世界征服だからと言って何でもかんでも武力で解決する必要はないだろうに。平和的に外交で併合する事も不可能ではないはずだ。

 

デミウルゴスの身体で生活してたせいで、思考まで悪魔よりになったわけじゃないよな?

 

 

 

そう思いながら都市を歩いていると、肉の焼けた良い匂いが漂ってくる。そういえば、そろそろ昼飯時か。

この身体はあまり食事をする必要性は無いが、それでも食欲は感じることがある。

もちろんナザリックでも食事は摂ることはできるのだが、デミウルゴスは上品に食事をしなくちゃいけないので変じゃないか周りの視線が気になっていつも窮屈な思いをしていた。

それに、ナザリックの料理は美味しいんだけどどれもハイソ過ぎて舌が合わないんだよな。一般市民の俺としてはいま目の前の屋台に並んである串に刺さった肉を頬張りながら酒を一杯やりたいんだよ。

 

しかし、今の俺には先立つ物が無かったのだった。

ナザリックには様々な資源やユグドラシルの資金がある。しかし、この世界にしか無い物は流石に現在ほとんど在庫がない状況だ。

それはこの世界のお金も含まれており、今はわずかな硬貨がアインズ様の手元にあるだけだった。

ユグドラシルの硬貨も使えないことはないらしいが、情報流出の観点から見てそれで両替するのはまずいだろう。それに、何かの経費として使うならともかく、豪遊するために使いましたとか守護者統括殿になんと言われるか。

 

しかし、辺りから漂うジャンクな食べ物のミックスされた匂いは抗いがたい……!

この場で食事を頂くだけならば簡単だ。支配の呪言を使って無料で貰えばいい。

でも、今も頑張って生活のためにお金を稼いでいるおばちゃん達に、卑怯な手を使ってまでタダ飯を食らう気にはならなかった。お互い必死に働く者同士のシンパシーを、俺は一方的に感じていたのだ。

 

「うおおざんげき!」

「なんの!ひゃくこうれんざん!」

 

ふと、横を見ると子供達が木の棒を持ってチャンバラをして遊んでいるのが見えた。

こんな所でも子供の遊びは地球と余り変わらないんだな――っ!

 

そうだ!良い事を思いついたぞ!今の悩みを全て解決する一石二鳥の手が!

そうと決まれば急いで準備しなくては……昼飯は食えないかも知れないが、夕飯はエ・ランテルのB級グルメを酒を飲みながら喰らい尽くすぞ!

ようやく人が居る所に出られたんだ。休日だし少しくらい遊んだって構わないよな。

 

 

 

………

……

 

 

 

「みなさーん!ちゅうもーく!」

 

借りてきた腰より少し高い程度の大きさの樽を広場の真ん中に立てると、俺は周りに向かって大きな声で呼びかける。

今の俺の姿は先程の青年風から一気に少女の姿に変わっていた。服装は先程と似たような感じだが、全体的に細くなった身体に合わせてサイズダウンしている。

素肌は一度も陽の光を浴びていないかのように白く、整った顔は俺の考える美少女像を一身に受けた傑作だ。

 

それにしても、ナザリックが転移する前から女の子に変身したり服を裁縫して色々コスプレしてたお陰で、服のストックもたんまり有ったしスムーズに変身できたのは助かったぜ。

まさかこんな所で使うとは思ってなかったけどな。

 

そんな美少女が手を挙げるから周りはこっちに興味深そうに視線を浴びせてくる。

 

「私に腕相撲で勝ったら金貨十枚!参加料は銅貨三枚ですよー!」

 

 

これが俺の考えた秘策、腕相撲で街の人ボコってお金集めようぜ作戦だ。

まず準備が少なくこの稼ぎをすぐ始められるのがありがたい。必要なのは適当な台と腕一本で十分だ。

そしてこの普通な少女の背格好。どう見ても腕相撲が強そうな見た目ではないだろう。そんな少女が先程の言葉を言えば、少しでも鍛えている者ならば金貨十枚タダでやるよと言われているようなものだ。きっと食い付いて対戦を挑んでくるはず。

 

元手の金貨十枚はもちろん持っていない。負けたら逃げればいいからな。本気で逃げればこの街の人間ならほとんど誰もついてこれないだろうし、その後にさっきの男性に変身すれば問題ないはずだ。

 

ちなみに腕相撲で負けてさらに逃げても捕まった場合だが、その時にはナザリックの活動方針の一つだった強者の調査と発見が出来たことになる。

その時になったらユグドラシル金貨は渡せなくても十枚二十枚くらい潰して金塊を渡せばいいだろうさ。俺より強い奴を発見できたならそれくらいの情報料安いもんだ。

 

 

腕相撲という言葉がこの世界にあるかどうかは知らないが、俺の言葉はこの世界の住人の耳に入る時には意味を持った単語になるとは調査により分かっている。

しかし、街の人たちは反応はしているが、俺に向かってどう相手をすればいいか悩んでいるようだった。ちょっとこの見た目だと怪しすぎたか?

 

「君に勝ったら金貨十枚。間違いないんだね?」

 

恐る恐るといった感じで革で出来た鎧を着たこの辺りでは一般的な金髪碧眼の男が俺に話しかけてくる。

胸には銀で出来たプレートが掛けられてあり、腰にある得物はそれなりに使っていたのか、簡単に補修していた跡があった。

 

この世界では冒険者というモンスターに対する傭兵が存在する。一般的には胸に銅からアダマンタイトまでの金属のプレートを持つ者がそうだ。

そのプレートの種類により冒険者はランク分けされていて、目の前の男のプレートは銀で出来ているので下から三番目のランクということになる。

初戦の相手としては良い具合だ。あとはもっと相手が居れば良いんだが。

 

「ええ、勿論ですよー。腕相撲して、指が樽の天板に当たったら負けです。挑戦したいならここに三枚銅貨を入れてね」

 

「待ってくれ、その前に金貨を確認したいんだけど、いいかな?」

 

おっと、そりゃそうか。

持ってないんだけどな。どうすっかな。

 

「今この場には念のため持ってきてません。ですが、後で払いますので」

 

「そんな保証がどこにあるんだい?」

 

「払えなければ娼館にでも私を売り渡して貰って構いませんよ」

 

ついでに、金は見せられないが払う手段は有ると周りにアピールするべく大きな声で男に答える。

へへっ、娼館に売り飛ばせるものなら売り飛ばしてみやがれってんだ。勿論逃げるけどもし捕まったらニグンのおっさんに変身してやるよ。

 

「いや、流石にそこまでしないよ……わかった。じゃあ一回頼む」

 

まいどありー。差し出した空だった小さな木箱にささやかな硬貨が入っていく。

樽の上に肘を置いて構えると、男も俺の手を掴んで始まるのを待っていた。

 

この段階までいくと、周りにもどんどんギャラリーが集まっていく。最初の私の声を聞いた者が、興味を持って近づいた者に伝えた為だ。

城塞都市だしエ・ランテルではあまりこういった催しは無さそうだからな。娯楽に飢えてるんだろう。少しでも面白そうな事は見ておきたいといった雰囲気だ。

 

「あ、銅貨あげるから君は審判お願い」

 

ギャラリーの中にいた少年を指すと箱から銅貨を取って貰い、審判として樽の横に立たせる。

まさかの臨時収入に喜んでいるし、ちゃんと仕事もしてくれるだろう。それにこの場に集まって者から適当に選んだので公平さも得られる。

 

目の前の男は油断なくこちらを見つめているようだった。まあ、ああまで私が言ったんだし、勝算あると思って仕掛けてると思ってるのだろう。

 

「えーと、では始め!」

 

少年の声が響くと、手袋越しに私の手が強く握り込まれ倒されそうになる。

俺は、えっ、思ったより力が強い!?といったような驚いた顔を見せると、そのまま手が付くギリギリまで追い込まれる。

 

これは演技であった。もちろん最初は警戒していたが、相手の力の入り具合からこの男程度なら、ナザリックでは大して力のない俺でも小指一本で勝てるだろう。

だが、圧勝しては後が続かないからな。せっかくこの場を用意したのだから、豪遊できる程度には稼いでおきたい。

この演技は撒き餌だ。必死にならないと勝てないと周りに思わせれば、更に挑戦者が挑んでくると俺は思っている。

 

「……お金返して貰えれば、勝負を無かった事にしても良いよ?」

 

顔を紅潮させ腕をプルプルさせている俺に、兄ちゃんが困惑しながら言う。流石に可哀そうだと思ったのだろうか。

確かに傍目から見ると子供を大人気なく虐めているように見えるだろう。しかし、大金がかかった勝負で勝ちにいかずこう言えるとは中々優しい野郎だな。

 

「いえ……!まだ終わりじゃありません……!」

 

十分耐えたと判断したので、俺はゆっくりと男の腕を切り返していく。しかし、側からみるとそれは男が哀れに思ったのか手を抜いているように見えたのだろう。失笑も含まれた声がギャラリーから聞こえてきた。

俺の演技も、瀕死になりながらも最期の力を振り絞り一矢報いるような様子で顔を赤くして身体を震わせているので尚更だろう。

 

「……な、なんだ?」

 

男はさっきと同じような状況に戻そうと思ったのか、俺の手を倒すために力を込めるが、さっきまでの様子が嘘のように全く動く気配がないのを見て焦り始める。

じわじわと、樽に男の手が近づいていってそのまま俺は押し付けてやった。周りのギャラリーから俺たちに生暖かい視線と軽い拍手が響いていく。

 

「ありがとう」

 

「あ、ああ……」

 

呆然と男が俺から離れていくと、近くで見ていたのだろう、男性の仲間が肩を叩いて声をかけようとしていた。

 

「ペテル、わざと負けるなんて優しいであるな」

 

「い、いえ……最後の方は本気でしたよ……!」

 

ペテルと呼ばれた男の話が俺の耳に聞こえてくる。喧騒がうるさいが流石は悪魔の耳、小さな会話も聞き取れるみたいだ。相手は流石に直接やり合っただけあって俺の実力に少し気付いたようだが、この様子だと少なくとも周りにはまだ非力だと思われてるんじゃないだろうか?

 

 

さて、今回で様子見は終わっただろうから、次からは本気で俺の金を毟ろうとする野郎が現れる筈だ。さっきの兄ちゃんは演技で騙すのが申し訳なかったからな、次は良心が痛まない相手が良いんだが……。

 

「へへっ、金貨十枚は貰ったぜ。払えなかった時には遠慮なく身体で返してもらうからな」

 

噂をすれば三下っぽい台詞を言いながらテンプレなチンピラが挑んでくる。いいね!こういう奴でいいんだよ、こういう奴で。

さーて、どれくらい稼げるかなー!

 

 

………

……

 

 

もう何度目だろうか、乾いた破裂音がエ・ランテルの広場に響いていく。

激しく腕を打ち付けられ顔を歪ませた男が、俺のことを睨みながら腕をさすりつつ離れていった。

 

「はい次」

 

何十人かにはやっていた演技だったが、既に俺は辞めて素に戻りつつあった。

今は相手を瞬殺して流れ作業で勝負を終わらしている。俺のさっきまでの少女からの豹変っぷりに諦めたのか、並んでいた挑戦者の順番待ちは潮が引いたかのように減っていった。

既に実力を隠す必要もなくなったので、希望者には一枚銅貨を追加する毎に使う指を減らしていくシステムも取り入れてみたが、やはり小指一本でも楽勝だった。

 

(ふー、やっと終わったか。早く飯を食いたいぜ)

 

最後に並んでいた男を蹴散らすと、大きく伸びをする。本気を出す必要も考えて露出が少ない服装にしたんだけど、この様子だと必要無かったな。

それにしても、結構集まったぜ。王国の物価はよく知らないんだが、安宿一泊で七銅貨位だから豪遊するには困らんだろ。

 

「む、もう終わりか?私もやりたかったんだが」

 

背中から声が聞こえてくる。キリもいいしこの人で終わりにするか。

 

「いえー、でも次で終わりにしま――ブッ」

 

なん……だと……。

振り向くと、漆黒の鎧に赤いマントを羽織った偉丈夫が俺の顔に影を落としていく。

胸には銅で出来た板が掛かっていて、フルフェイスの兜から鋭い視線がこちらに飛んできている――気がした。

 

うおお……この雰囲気は絶対にアインズ様だ。そういえば、エ・ランテルで冒険者稼業をするという話が有ったな。それを聞いて面白そうで羨ましいなと思ったが、ここで会ってしまうとは……。

それにしても、エ・ランテルに居るのは知っていたが、何故挑んでくる?何が目的なんだ?

 

ナザリックに居るものは同じナザリック所属の者を雰囲気で気付くことができるはずだ。ならば、例え俺に気付いたとしても、普通気を利かして放っておいてもおかしくないと思うんだが……。

 

ま、まさか、軍資金が無いからって俺から臨時徴収するつもりか!?

クソッ!今は非番でこれは俺の夕飯代なんだぞ……。

 

「それは良かった。丁度私の実力も試してみたいと思ったのでね」

 

「失礼しますが、お名前を伺っても宜しいでしょうか?」

 

「モモンだ」

 

はいはい、偽名はモモンね。前のダークウォーリアーの時も思ったけど、アインズ様のネーミングセンスって安直だよな。

わかりやすくていいんだけどさ。

 

「それではモモン様。金貨を得るために私と勝負して頂くということで、宜しいでしょうか?」

 

「……これはそういうものだと私は聞いていたのだが」

 

「失礼しました。では、挑戦料として銅貨を三枚頂きます」

 

ちゃりん、と金属音が俺の差し出した箱から聞こえてくる。

 

なんか、違和感があるな……久しぶりに知り合いに会ったけれど、こっちが一方的に知っているような空気だ。何だか気まずいぜ。

しかし、もし俺がデミウルゴスだと知っているならば、もっとサインが有ってもおかしくないと思うんだが。

 

「モモン様。今日の私は休暇なので、これは私の娯楽であって奉仕を行っているわけではありません」

 

「……?」

 

探りを入れるのも兼ねて、俺のやっていた行為が仕事ではないとアピールする。

至高の御方は休みの日に仕事するなとうるさいからな。後で突っ込まれないように今の内に言い訳しとこうと思ったんだが、アインズ様はどういう意味なのかわからなかったのか、首を傾げていた。

 

まさか……俺がデミウルゴスだと気付いていないのか?

確かに今回は姿格好と声も含めて、デミウルゴスのスキルをフルに使って変えてはいるが……。

ナザリックの全員が所属を把握できる訳ではないのか、それともスキルを使ったせいなのか。でも、至高の御方が気付かないのは予想外だな。

至高の御方とはいえ万能ではないということか。

 

 

しかし……気付いていないなら好都合だ。この勝負、勝ってしまえば俺は何も失わなくてすむし予定通り遊びに行ける。

至高の御方に対して勝った上で金を取っていくのはナザリックの者としてあってはならない事だと思うが、気付かれなければ問題ない。幸いアインズ様について行くことになったナーベラルの姿も見えないしな。

 

それに、あれだけ偉そうにしていた上に無茶振りばかりの上司に勝つというのにも暗い喜びもあった。

アインズ様は魔法詠唱者だ。今でこそ全身鎧に身を包んでいるが、あくまでそれは仮の姿で能力は後衛のままの筈だ。流石に階層守護者の中では非力な俺でも、純粋な後衛相手なら十分力で勝てる。

 

「それじゃあ、モモン様。よろしくお願いしますね」

 

しかし、勝つと決めたなら絶対にバレてはならない……!

態度を支配者に対するそれから普通の目上の人を敬うような風に切り替えると、片腕を樽に乗せてアインズ様を待った。

 

 




祝!オバロ二期放送開始!
ちょうど欲しかった原作に無かった漆黒聖典情報が得られて嬉しかったのと、六腕のOPの扱いが思ったより良くてワロタ
きっと強いんだろうなあ(棒)


突っ込まれそうな事に今の内答えるQ&A

Q:アインズ様なんでデミウルゴスに気付かないの?
A:アインズ様にはナザリックメンバーが持つ同陣営把握能力を持ってないのと、アインズ様はモモン状態なので気軽に看破系の魔法は使えなかったのでレベル100NPCであるデミウルゴスの全力変身には気付きませんでした。
それに、デミウルゴスがまさか人間の少女になってるなんてナザリックの者たちは想像する事も出来ないでしょう。







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