安倍首相が米国に差し出す農産物 受ける打撃は2兆円規模
1日延期された茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による日米貿易協議が、米ニューヨークで日本時間25日夜に開かれたが、茂木大臣は「大きな方向については一致した」と曖昧な発言しかせず、詳細は同27日未明の日米首脳会談後に公表するとした。トップ交渉で安倍首相はトランプ大統領に何を差し出すのか――。
■自動車を守って農業を犠牲に
日米貿易協議について安倍政権はこれまで、「農業分野ではこれ以上妥協できない」「自動車の追加関税は適用除外を求める」「2国間FTAではなく、米国のTPP復帰を促す」と主張してきた。しかし、中間選挙を前にして、対日貿易赤字削減で目に見える成果が欲しいトランプは強硬だ。
「トランプ大統領はツイッターで『米国は日本を助けるために多くのことをしているのだから、もっと互恵的な関係を築きたい』とつぶやいた。意味するところは、『北朝鮮の拉致問題で金正恩委員長に伝言したりするなど散々、協力してやったのだから、今度は安倍首相が私(トランプ)に協力する番だ』ということ。米国は、対中貿易戦争の結果、中国に買ってもらえなくなる大豆などの穀物類を日本が肩代わりするよう要求してきています」(自民党関係者)