写真はイメージ=PIXTA 株式投資ほどのリスクは取れないが、分散投資でリスクを下げつつ少しでも資産を殖やしたい。こんなニーズに応えた商品として、投資信託が人気を博している。ただ、一口に投信といっても中身は多種多様。自分に合った商品を見つけるには、どうすればいいのか。投信初心者の疑問をプロが分かりやすく解説する。
◇ ◇ ◇
Jさん(以下、J) 老後のためにiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めようと思いますが、投資信託はどう選べばいいでしょうか。
吉井崇裕(以下、吉井) iDeCoの制度の特徴を理解するのが大事ですね。
J iDeCoの特徴って?
吉井 長期投資と積み立て投資です。iDeCoは原則として60歳まで運用資金を引き出せません。資金を長い間寝かせることを考えると、高いリターンを期待したいものです。そして、長期的に最も高いリターンを期待できる投資先は株式です。期間が10年以上なら、全て株式投信でもいいと思います。
J でも、株式は値動きが大きいのでちょっと怖い気もします。
吉井 その怖さを軽減してくれるのが積み立てです。毎月一定の金額で投信を買い付けるので、株式相場が下がった時には安い価格で多くの口数を買えます。逆に相場が上がった時には少ない口数を買い付け、高値づかみを抑えることになります。これを長く続けていくと、上下に動く基準価額の平均くらいに購入単価が落ち着き、相場が上振れた時に大きな利益が生まれるという思惑です。
J では株式投信で始めるとして、具体的にどう選べばいいですか。
国内、先進国、新興国の3つの地域にどう配分するか吉井 まずは、投資する地域を国内、先進国、新興国の3つに分けることを考えましょう。
J 3つの地域にどう配分すればいいのでしょう?
吉井 運用業界では、各地域の株式市場の規模(時価総額)に応じて、国内1:先進国8:新興国1の割合で組み合わせるのが一般的です。
J 細かくて、ちょっと分かりづらいですね。
吉井 自分で組み合わせるのが面倒なら、全世界の株式に投資する投信を選ぶ手があります。例えば楽天証券のiDeCoでは、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「セゾン資産形成の達人ファンド」など、3つの地域の株式に1本で分散投資できる投信を取り扱っています。あるいは分かりやすさを重視して、各地域の株式投信に3分の1ずつ振り分けてもいいと思います。
J 3地域で1本ずつ選ぶ場合、インデックス型投信とアクティブ型投信はどちらがいいですか。
吉井 主な金融機関のiDeCoのラインアップを見る限り、先進国と新興国については、インデックス型を成績で長期的に上回るアクティブ型があまり見当たらないので、インデックス型が無難です。一方、国内については良好な実績を残すアクティブ型も結構あります。例えば、SBI証券で取り扱いがある「ひふみ年金」「スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド」「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ〈DC年金〉」などです。アクティブ型を選んだ場合は、その後の運用成績をしっかりチェックしましょう。
J 長期の運用なので、投信選びは慎重になってしまいますね。
吉井 iDeCoは運用の途中でいつでも投信を変更できますし、変更時の税金やコストもかからないので、もっと気楽に選んでいいと思います。地域の組み合わせ方や買いたい投信に応じて、金融機関を選びましょう。
吉井崇裕 イデア・ファンド・コンサルティング社長。ファンド・アナリストとして、国内約6000本の投資信託を常時分析する。モーニングスター、三菱アセットブレインズにてファンド・アナリスト、朝日ライフアセットマネジメントにて販売および運用関連業務に従事。現在は神奈川県鎌倉市で個人投資家向けに投資助言サービスも行う。http://ideafc.co.jp/ [日経マネー2018年10月号の記事を再構成]

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)
本コンテンツの無断転載、配信、共有利用を禁止します。