2018年9月28日 06:00
NVIDIAから登場したGeForce RTXシリーズは、AIを活用してグラフィックスの表現力を劇的に高め、PCゲームの未来の方向性を明確に指し示した。ここでは、その最上位のGeForce RTX 2080 Tiをフィーチャー。最新のトレンドパーツで脇を固めて、RTXがもたらす次世代のゲーム体験を存分に楽しめるPCを考えた。
最高級のビデオカードの性能を引き出すために、CPU、メモリ、ストレージも消費電力が増えていることから、高耐久という要素も重視した。トレンドのRGB LED演出も効果的に取り入れ、性能はもちろん、視覚的にも最先端を実感できるマシンだ。
【Point 1】NZXTなら誰でもかっこよく組める
今回はGeForce RTX 2080 Tiをフィーチャーするのが最大のテーマ。20万円近くもする特別な存在であり、ビジュアルからもオーラが漂うだけに、その姿を常時眺めることができれば、ゲームをしていないときでもスペシャル感を実感することができる。
いわば、PCケースにはショウケースとしての役割が求められるわけだが、強化ガラスのサイドパネルを採用する製品から、NZXTのH700iを選択。同社には魅力的な簡易CPUクーラー「KRAKEN X62」があってビジュアル的に統一感のあるシステムが組めること、独自のユーティリティ「CAM」で一括して制御できることが選んだ理由だ。
KRAKEN X62は数あるRGB LEDパーツの中でもひときわ個性的で美しイルミネーションで、最先端のシステムを効果的に演出できる。
【Point 2】記念モデルの性能を活かしチョイOC常用を狙う
高性能なGPUの性能を引き出すためにはCPUパワーも必要だ。現時点でLGA1151最上位のCore i7-8086K Limited Editionをチョイス。現代のPCのベースとなっているx86アーキテクチャの40周年を祝う記念モデルだが、OC耐性の高さでも定評がある。
ここでは、その性能を引き出すために控えめにTurbo Boostの設定をカスタム。2コアアクティブ時の動作倍率を50(定格は46)として最大の5GHzで動作できる場面を増やすとともに、5、6コアアクティブ時の動作倍率を44(定格は43)として、常用を前提に控えめながらも最大負荷でも少しだけ性能アップが見込めるようにした。チューニングの結果は下のグラフのとおり。オフィス系やWeb系ではしっかり5GHzのCPUらしいパフォーマンスを発揮できている。
マザーボードにはROG MAXIMUS X FORMULAを選んだ。高級部品で構成されたVRMに基板をしっかり支えるバックプレート、ビデオカードの熱から基板を守るアーマーなど高耐久設計を導入しており、重量があって発熱も大きいGeForce RTX 2080 Tiカードと組み合わせても不安を感じない点がよい。
【Point 3】ついに来たレイトレ時代。RTX 2080 Tiを搭載
GeForce RTXシリーズは、これまでの「Pascal」から「Turing」へとGPUアーキテクチャを一新、大きな進化を遂げた。目玉となるのはリアルタイムレイトレーシング。光の軌跡をトレースすることで、光の反射によってもたらされる陰影や映り込みなどをリアルに表現できる。
そして、もう1つの注目機能が、「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」。ディープラーニングを活用した高画質化技術。これらを実現するためにレイトレーシング専用の「RTコア」とAI処理を行なう「Tensorコア」を統合している。また、ビデオメモリが新たにGDDR6となり、メモリ帯域が大幅に高速化した。これは従来のゲームでも4K解像度やHDR環境で大きなメリットがあるとされる。
このGeForce RTXではこれまでとはまったく違った表現が可能になり、今後のPCゲームの方向性を明示したと言えそうだ。これらの技術を市販タイトルで利用できるのは10月以降となるが、ハイエンドゲーマーを自認するならば導入するのが当然であろう。
性能テストは、メジャータイトルでフルHDと4K環境両方でGeForce GTX 1080 Tiと比較した。結果は、4K環境でのアドバンテージは明らか。1080 Tiではプレイできるがもう一歩……というところが、GeForce RTX 2080 Tiならばストレスなくプレイできる水準に達している。これはGeForce RTX 2080 Tiの魅力の片鱗でしかない。これから新技術対応タイトルがリリースされるたびに新鮮な楽しみを味わえると思えば、その価格も決して高いとは言えないだろう。
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