米国アイオワ州に、自分で大量に買ったハーシーの板チョコを、毎日出会う人に誰彼なくあげている不思議な老人がいる。
毎週ハーシーを箱買いする90代
アイオワ州ロンググローブに住むBob Williamsさんは毎週土曜日に、ディスカウントショップ「ダラー・ゼネラル」に足を運び、ハーシーのミルクチョコを箱買いする。
その場で箱を開けたBobさんは、レジ店員に2枚のチョコをあげ、列の後ろにいる人にも1枚あげ、たくさんの残りが入った箱を持って店を出る。
それからどうするかというと、道で会った人全員にチョコを手渡すのだ。知っている人にも、見ず知らずの人にも同じように手渡す。
10年間で6,000枚のチョコを
90歳を超えているBobさんは、第二次世界大戦の退役軍人。その後は高校教師となり、今はリタイアしている。
そんな彼がチョコの「無料配布」を始めたのは、今日や昨日のことではない。なんと10年も前から、毎日続けているという。これまでに配布したチョコの数を概算すると、ざっと6,000枚に及ぶという。
なぜBobさんはこんなことをしているのか? 本人が言うには、理由はいたってシンプル。
「ハーシーチョコはみんなが大好きだし、貰えば誰もが笑顔になる」
その笑顔を見るのが嬉しくてやっているのだそう。
人口800人の町の有名人
今では町の人たちでBobさんを知らない人はいない。Bobさんの友人であるJan Hartwig-Heggenさんは、海外メディアにこう話している。
黄色いウインドブレーカーを着てチョコを配るBobは、人口800人のこの町で人気者だよ。彼を見かけると、皆んなが挨拶代わりに、車のクラクションを鳴らして通り過ぎるんだ。
Janさんは、「これまでに2〜300枚のチョコをもらった」という。
直接手渡しでもらうこともあれば、Bobさんが家の玄関にそっと置いていくこともある。
噂を聞きつけたハーシー社
Bobさんが地元の新聞に取り上げられたのは2017年のこと。今年になってからも「Our Iowa」というコミュニティ誌に取り上げられた。
その記事を読んだ一人の住人女性が、自分の息子に記事の切り抜きを送ったところ、Bobさんがハーシー社のキャンペーンフィルムに登場することとなったという。その男性はハーシー社の企画戦略部門で働いていた。
Bobさんを見習って
ハーシー社はBobさんをキャンペーンに使うだけでなく、Bobさんを見習って、今後、機会のあるごとにチョコの無料配布を行っていくと言っている。
その手始めに、創業者Milton Hershey氏の生誕161年を記念して、従業員が路上に出てチョコを配るというイベントを実施した。ハリケーン・フローレンスの被災地でも、今週、チョコの無料提供を行なった。
Bobさんは、ハーシー社からチョコを無料で何箱でも受け取れることになった。