おばんです
本日は
10年もの長い間通った職場に
最後の出勤をして参りました
とは言いましても
業務終了後に
あらかた人が居なくなったタイミングで
先週まで
自分が使っていた席の
私物整理をするべく出向いたのです
その荷物の量たるや
見事に在籍年数と正比例しており
エライことになってましたね
よくあの大荷物を抱えて
一人で家まで帰って来られたものです
わいの家から見て
(元)会社と
最寄り駅は真逆に位置しているため
我が街のシンボルが見えて来る方向へと
自転車を走らせることは
もうこの先
ないのかも知れないな
なんて
少しばかり
センチメンタルな気持ちで
ペダルを漕いでいると
見覚えのある車と遭遇
運転席には
5年ほど一緒に働いた
おそらく唯一
わいを慕ってくれていた
同僚の姿があった
向こうも私に気付いたようで
徐に路肩へと車を停める
丁度彼とは
完全に会社と縁が切れる前に
もう一度話がしたいと
実は思っていた
思うは招く
とは
よく言ったものだ
どうやら彼は
突如わいが姿を消した
その経緯が何たるかを
よく知らされていなかったようだ
数分の立ち話と
5年目にして連絡先の交換
後ほど詳しくメールするね
会社に着くと
殆どの人は退勤していたが
とてもお世話になった
スーパーバイザーの彼は
もしかすると
わいが来るのを
待っていてくれたのかも知れない
数分の立ち話と
10年目にして連絡先の交換
LINEは届きましたでしょうか
因みに
痩せている訳ではなく
ガリガリ君に瓜二つだからである
荷物の整理も
終盤に差し掛かり
不要な書類を
シュレッダーにかけていると
恋愛感情でもないが
ほんのちょっと気になっていた
女子社員の後ろ姿を見かけた
殆ど話したこともないし
名前くらいしか知らないけれど
この人とも
もう会うことはないのかな
なんて思ったりしたが
声はかけずに
気付かぬふりしてやりすごした
両手で荷物を持ったまま
マネージャーに最後の挨拶
かくして私は
ひっそり会社を後にした
退職時の慣例である
寄せ書きの色紙や
はなむけの言葉などは
当然ない
だけど何となく
わいは来たときから感じていた
ここを去るとき
一人静かにであろうことを
あまりにあっけな過ぎて
涙も何もない幕切れである
だけどそれでいい
わいはそれを望んでいたのだから
さよならすら言えなかったけれど
今まで本当にありがとう