翁長雄志知事の死去に伴う沖縄県知事選挙結果は、過去の票の出方から見ると、自民・公明・維新が推す佐喜真淳・前宜野湾市長が、相当の差をもって有利である。
前回2014年知事選挙で、翁長知事が取った票が約36万、現職だった自民・仲井眞弘多知事が26万と、2位に10万票差の圧勝であった。
ところが、前回は自ら出馬した下地幹郎・現衆院議員(日本維新の会)が、第3位で約7万票を獲得していた。下地氏には固い個人票があり、それが6〜7万票と言われている。今回は、佐喜真氏支持である。これで、10万票差は、少なくとも4万票差に減る。
公明党沖縄県本部は、現在も、正式には辺野古新基地建設には反対という立場を維持していることになっている。
前回は自主投票で、今回は、党本部に従い、佐喜真氏支持である。県内公明票は、選挙ごとに、自民党とのバーターがあったりして、変動が大きいが、それでも最低9万票はある。
前回の翁長圧勝ムードで、自主投票の半分が翁長氏に流れたとして、それが今回佐喜真氏に行くと、差し引き9万票の動きである。
すなわち、維新と公明の佐喜真氏支持だけで、内輪に見積もって、既に翁長氏が付けた10万票差は、玉城デニー候補にとり、5万票足りないことになる。
公明党が沖縄県内での選挙活動に、これまでに例を見ないほどの力を入れていることは、様々な報道がされている通りであり、筆者も個人的に、驚くような電話を受けた経験をしている。
本来「平和の党」であるはずの公明党支持者が、それ故に玉城氏に票を投じるという可能性は限りなく低い。
一方、報道された「フェイク」の類も含めて、いくつもの世論調査が玉城氏優位、あるいは、接戦を示してきた。
政党が実施した調査とされる数字や、「フェイク」調査が玉城氏優位を出したのは、佐喜真氏追い上げ・追い抜きの「ストーリー」により、自派運動員を締め付け、鼓舞する目的としか思えない。
また、中立的な世論調査であっても、固定電話による調査は、もはや信頼性が失われていることは明らかである。