挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について 作者:インスタント脳味噌汁大好き
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
1/25

プロローグ 現代に戻ったらやりたい放題の結果が出てた

俺は西暦2020年から西暦1550年にタイムスリップした。織田信長の父の葬儀がタイムスリップから2年後に起こったので、恐らく西暦1550年だろう。そこで俺は信長の天下統一を手助けし、明智光秀の裏切りを未然に防いだ。


勢いに乗った信長はイベントを前倒しにして1588年に天下統一を果たし、俺はその下で思う存分未来知識を使った。今の沖縄、台湾を日ノ本に組み入れ、広大な今の北海道を開拓し、インフラを整えた。流石に線路を敷いて蒸気機関車を走らせたり、蒸気船を開発したのはやり過ぎたかもしれない。


そして1600年某月某日。信長が死んだ翌日に、老けてしまった嫁達とその子供達に囲まれながら高校生の時から姿が変わらない俺は消滅した。光が身体中から溢れた時「あ、帰れるんだ、俺」と感付き、別れの挨拶を言って未来の事を書き記した本を嫁に手渡した。


未来に帰ったら身体の成長が再開するのかな、とか、もう高校の授業の内容とか覚えてねえ、とか考えながら光が収まるのを待っていると……




俺は何故か大きな祭壇の上にいた。


「おお、豊森(とよもり) 秀則(ひでのり)様が目を覚ましたぞ」

「これで秀則様は我が国の過去改変、とやらに成功したのか?」

「万歳、万歳!」


周りから湧き上がる歓声と同時に流れ込む記憶。頭が頭痛で痛くてペインな状態だが、どうやら俺は、この大日本帝国の皇太子らしい。


タイムスリップする前と苗字が一致していないが、これは俺が豊森家に引き取られたかららしい。豊森は俺の戦国時代での家名だ。俺の知らなかったことだが、どうやら織田信長の遺書に国の政治を全て俺に任せる旨が書き記されていたらしく、俺が遺言で「俺の持つ権利、財産は全て長男に譲る」と言ったために、豊森家の長男に代々権力が受け継がれていったらしい。


そして未来の事を書き記した本の最後に『2004年○月○日、森田(もりた) 秀則(ひでのり)が産まれる。豊森 秀則である』と書いてしまったため、豊森家の当主として5歳の時から祭り上げられてたらしい。



要するに、俺はまだ夢を見ているのか、過去を変えまくった代償が来たということか。



現状を確認すると、大日本帝国は現在改変前の日本に加えて朝鮮半島より東のアジア大陸全てとアラスカ、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイまでを領有している。


1700年前後に西欧諸国との植民地戦争を繰り広げた結果、インドこそイギリスの手に渡ったものの、ビルマ以東は全て日本の支配下となっている。何それ怖い。タイもマレーシアも、スリランカさえ全部日本のものだ。現地人も既に日本語が公用語だし、インフラを整えていて統治出来ている。既に改変前の第二次世界大戦時に大本営が思い描いていた大日本帝国がほぼ完成してる。


ちなみにこの世界は未だに総力戦を経験しておらず、文明レベルが停滞している。誰かさんが大量の未来知識を渡した弊害だと思われる。ようやく原子と分子が日本人の手によって見つかったとかドルトンとアボガドロは何をしていたんだ。


中国は国民党の元で現在唯一の民主国家だし、アメリカはイギリスとフランスの植民地で200年ぐらい代理戦争をしているし、ナポレオンは名前すら聞かない。アフリカはイタリアとイギリスとフランスとスペインとオスマンが殴り合っている中で南アフリカが完全に独立しているし、サウジアラビアが世界地図から消えている。ヒジャーズ王国って何だよ。オスマン帝国の庇護下にある王国ってなんだそれ。


近年はプロイセンがフランスコミューンを敵視して攻撃の準備をしているらしい。いつの間にフランスは赤くなったんだ。というか大戦争はやっぱりドイツから始まるのか。ちなみにサラエボ事件は起こって無かった。オーストリア=ハンガリー帝国の名前も知らない皇子さん、良かったね。


「秀則様、過去の改変というのは成功したのでしょうか?」

「……ああ。改変した結果が現在の状況だ。

過去を改変しなければ、大日本帝国はアメリカに敗北し、台湾や朝鮮、インドネシアなど多くの領土を失っていた」

「そ、それでは、過去に今の日ノ本を作り上げた豊森秀則という人物は……」

「俺の事、だと思う」


何故か俺が目を覚ました時から頭を下げ続けている女性は、俺が豊森秀則だということを認めると、土下座を何度も繰り返し始めた。よく見れば祭壇の下には大勢の土下座したままの人達が。


あ、これ何回か経験したことある奴だ。黒田親子や徳川陣営とかが尊敬の眼差しで俺を拝んで胃が痛くなっていく奴だ。もう流れ込んで来た記憶の中にある歴史の知識だけでお腹いっぱいなんだけど、これから改変後世界の俺の記憶を思い返さないといけない。




……とりあえず、すぐ近くで土下座している女の子が婚約者だということがわかった。前の嫁にこれ以上女を増やすなとか言われていたけど、どうしようか。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。