【ドラニュース】浅尾「幸せな野球人生」 悔いなし 最後までさわやか2018年9月27日 紙面から
中日・浅尾拓也投手(33)が26日、今季限りでの現役引退を表明し、ナゴヤドームで会見した。竜の黄金期に絶対的セットアッパーとして君臨し、実働12年で栄光と挫折を経験した右腕は最後までチームに感謝の意を口にした。29日の阪神戦(ナゴヤドーム)で現役最後の登板に臨むことになった。 竜党をとりこにした甘いマスクには一点の曇りもなかった。会見場でマイクを握った浅尾はすがすがしい表情で心境を語った。「中日に入って、いろんな先輩からご指導いただき、同期、応援したくなるような後輩たちと出会えて幸せでした。本当に悔いはありません」 右腕が引退を決意したのは16日の巨人戦(東京ドーム)。1イニングで3失点し限界を感じたという。「1軍でプレーしている時は、辞めることは考えていなかった。諦めたくもなかった。でも3点取られた時に『あっ、もうこれくらいなのかな』と思いましたね」。19日の練習日に登録抹消となる際、森監督に引退の意を告げた。 竜の黄金期に絶対的セットアッパーとして君臨した右腕。球団初の連覇を達成した2010、11年はともに70試合以上に登板。特に11年は79試合に登板し7勝2敗10セーブ45ホールド、防御率0・41という大車輪の活躍で中継ぎ初のシーズンMVPに輝いた。 数々の打者をなぎ倒してきた最速157キロの剛速球。その中で忘れられない1球がある。2010年7月10日の巨人戦(ナゴヤドーム)。7回2死一、二塁のピンチで高橋現監督を見逃し三振に仕留めた154キロの内角直球。「直前にグラブのことを注意されたことは覚えてますが、状況とかはあまり記憶にないんです。でもなぜかずっと頭に残っている」。今でも究極の球筋が目に焼き付いているという。
|