米Googleは9月26日(現地時間)、Chrome 69から追加した、Googleのサービスにログインすると自動的にChromeにもログインする機能を、10月中旬リリース予定のChrome 70で変更すると発表した。「われわれは、皆さんのフィードバックに耳を傾け、感謝しています」。
同社が特に告知せずに、プライバシーにかかわる可能性がある仕様変更をしたことが明らかになり、多数のブロガーなどが批判していた。
Chromeへのログインは、2011年12月リリースのバージョン16で追加された機能。これにより、数の端末上のGoogle Chromeの各種設定(ブックマーク、拡張機能、アプリケーション、テーマ、ブラウザの各設定、開いているタブなど)を同期でき、かつ、1台の端末に複数のユーザーの設定を保存し、切り替えて利用できるようになった。
26日の公式ブログでGoogleは、Chrome 69での変更は、1台の端末を複数のユーザーで使っている場合に、GoogleサービスのログインとChromeへのログインを連携させておかないと混乱が生じるというフィードバックに対応するためだったと説明した。
そのため、サービスとChromeへのログインは連携させたが、Chromeにログインしただけでは各種設定の同期(およびそのために必要な個人情報のGoogleサーバへの提供)は始まらないようにした。同期もするためにはさらに、ユーザーが設定を変更する必要がある。
それでもこの変更は個人データを知らずにGoogleに提供することにつながる可能性があるとするフィードバックを受け、Chrome 70では以下のように変更する。
この発表を受け、Chrome 69での変更に苦言を呈していたジョン・ホプキンズ大学のマシュー・グリーン准教授は自身のTwitterアカウントで「Googleは改善はしたが、(Chrome 69)以前よりまだ侵襲的だ。(中略)私はもうこの件については文句は言わないが、これをGoogleとの離別のスタート地点とする。(中略)どのみちChromeはGoogleのブラウザなのだから、Googleが好きなようにすればいいのだ。私はこれから、Firefoxユーザーになる」とツイートした。
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