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    ランドセル工場見学!
    イトーヨーカドーのランドセルができるまで

    Special / 2018.07.04

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    出典:四季報132号 2016年秋号

    ランドセルは子どもの6年間を支える大事なパートナー。だからこそイトーヨーカドーは高品質にこだわり、全てのランドセルを日本で製造しています。
    子どもの安全・安心を守るため、毎年進化を続けるランドセルづくりの秘密をレポート!
    そこには職人による熟練の技術と子どもたちへの熱い想いがありました。

    穏やかな海に囲まれた室津で
    生まれるランドセル

    神武天皇の時代から歴史に登場する兵庫県の室津港。現在は牡蠣の養殖が盛んなこの室津の海を見下ろす坂の中腹に、イトーヨーカドーのランドセルを製造するセイバンの室津工場があります。

    兵庫県たつの市 :神武天皇の東征の先導役が開いたと伝わる室津港。江戸時代には参勤交代の西国大名がこの港から陸路を進んだので、西日本随一の宿場として繁栄しました。

    「天使のはね」でランドセルの世界を革新したセイバン。その発祥の地がここ室津です。大正8年、鞄や財布、キセルなどを製造する会社として創業し、昭和21年からランドセルの製造を始めました。
    同社のメイン工場である室津工場では、約50名のスタッフが黙々と手を動かしていました。この工場は、他の工場でつくられたパーツを組み立て、完成品に仕上げる工程を手がけています。

    ブルーのボタンダウンシャツにネイビーのパンツ。働く人々の制服もオシャレで、雰囲気も明るい工場。

    ずらりと並んだランドセルの生地。イトーヨーカドーでは、女の子にはパールカラーのピンクやブルーが人気。

    ランドセルは約250ものパーツから成り立っており、肩ベルトの部分だけでも40工程もあります。一つのランドセルは、じつに多くの人の手を経て生み出されているのです。

    「前ポケットの部分から組み立てて、最後にマチと本体を合体させるのですが、それらはすべて手作業。立体的な鞄を、ゆがみやズレのないよう縫い合わせるには、熱練の技が必要です」と教えてくれるのは、生産本部技術スペシャリストでランドセルマイスターの橋本雅敏さん。糊付けされたランドセルの本体を手にしたかと思うと、大きく身をくねらせてミシンをかけるスタッフ。あっという間に美しいランドセルの形ができあがっていく様子は、まるで魔法を見るようでした。

    立体的な鞄にミシンをかけるには、職人の技量が必要。踊るように大きく体をくねらせ、あっという間にランドセルが完成していきます。

    縫い目からのぞいた糸の毛羽も、目打ちを使ってていねいに処理していきます。

    デザインと色を指定して、コンピュータに打ち込んで行う刺繍の作業は、姫路工場で行っています。

    ※刺繍はイメージになります

    どうしたらもっと使いやすくなるかを考える

    毎年のように新しい機能が開発され、進化を続けているセイバンのランドセル。
    その根底にあるのは、「子ども第一」の想いです。
    「どうしたらもっと使いやすく、子どもの体にフィットしたランドセルになるか。どういう機能があれば、子どもたちの安全を守れるか。私たちはつねに主役である子どもたちを第一に考えて、 研究・開発を続けています」 と橋本さんは熱く語ります。

    前ポケットと後ろの仕切部分の張り合わせを確認。ここで1ミリの誤差があると、最後に4ミリものズレが生じるので、チェックする目は真剣そのものです。

    その想いから生まれた特許や実用新案は50件以上。たとえばセイバンの代名詞でもある「天使のはね」。
    ランドセルの重心を上げれば、背負っている子どもは軽く感じられるのでは、との発想から、肩ベルトを立たせるために付け根部分に樹脂パーツを 入れることを思いつきます。そして、素材と形が現在の「天使のはね」にたどりつくまで、試行錯誤を繰り返すこと3年。こうして誕生した「天使のはね」を縫い込んだ肩ベルトは体のラインにフィットして、重さの負担を軽減しています。

    6年間絶対に折れません」とランドセルマイスターが絶対の自信を誇る「天使のはね」。

    肩ベルトの根元の部分にある「背カン」にも工夫があります。セイバンのランドセルは「左右連動背カン」といい、子どもの体の動きに合わせて左右に連動して動くので、つねにランドセルが体の中心に沿い、安定します。
    背負いやすさへの工夫はまだあります。よく見ると、肩ベルトが内側にカーブしています。これが「3D肩ベルト」で、この微妙なカーブが、フィット感をアップさせるのです。

    右のランドセルは、「天使のはね」が肩ベルトを持ち上げ、「3D肩ベルト」が内側にカーブを描いていることがよくわかります。

    セイバンでは社員のお子さんが小学校に入学する時に、お祝いとして自社のランドセルをプレゼント。6年後、使い終わったランドセルを引き取り、使用状況を詳細に観察して、次の改良点へのヒントにしているそうです。
    「ランドセルは子どもの基本。そこにゴールはありません」そう話す橋本さんの表情は、子どもへの愛情と職人の誇りにあふれていました。

    高い機能性に加え、イトーヨーカドーだけのオリジナルデザインとカラーが特徴。最大47,850通りのパターンから選べるオー ダーメイドも人気です。

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