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【サッカー】

モドリッチ、FIFA最優秀選手 メッシ、Cロナ抑え初の勲章

2018年9月26日 紙面から

FIFAの表彰式で笑顔を見せる男子最優秀選手のモドリッチ(左)と女子最優秀選手のマルタ=24日、ロンドンで(ゲッティ・共同)

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 【ロンドン原田公樹】国際サッカー連盟(FIFA)の2017~18年シーズンの表彰式が24日、当地で行われ、男子最優秀選手にW杯ロシア大会で準優勝したクロアチア代表の主将、MFルカ・モドリッチ(33)=レアル・マドリード=が初選出された。女子最優秀選手はブラジル代表のFWマルタ(32)=オーランド・プライド(米国)=が6度目の受賞。男子最優秀監督はフランス代表をW杯優勝に導いたデシャン監督、女子最優秀監督はリヨン(フランス)を女子欧州CL3連覇へ導いたペドロ監督が受賞した。最終候補3人に入っていた、なでしこジャパンの高倉麻子監督(50)は選ばれなかった。

 名前を呼ばれると、モドリッチは気恥ずかしそうにスピーチ台の前に立ち、こう切り出した。

 「大きな名誉。美しい気持ちでいっぱいです。でも、このトロフィーは僕の物ではありません。これはレアル・マドリードとクロアチア代表の全チームメート、さらにこれまで自分が所属したチームのコーチ陣の物。彼らなくして、僕はここにはいなかった」

 謙虚な人柄がにじむあいさつに、会場から大きな拍手が湧き起こる。さらに家族、ファンらへ感謝の言葉を口にすると、さらに大きな拍手が彼を包んだ。

 平たんなサッカー人生ではなかった。少年時代は紛争下で、難民として7年間もホテル暮らしを強いられた。その最中、主要クラブの入団テストを受けたが、体が小さい(身長172センチ)ことが理由で不合格の連続。しかし、諦めずに練習を重ね、母国のディナモ・ザグレブでプロに。トットナム(イングランド)を経て、2012年から現所属。昨季は欧州チャンピオンズリーグ3連覇を達成した。代表では長く無冠だったが、W杯ロシア大会では主将として、クロアチアを史上最高位の準優勝へ導いた。

 「クロアチアは初出場した1998年W杯フランス大会で3位になり、僕はすごく影響を受けた。今回、僕たちは準優勝を果たした。かつての僕のように若い世代が刺激を受けることを願う。信じて努力をすれば、どんな夢もかなう」。選手として世界の頂に立った“小さな巨人”は世界中の少年少女へ向け、メッセージを送った。

<ルカ・モドリッチ> 1985年9月9日生まれ、クロアチア西部の都市ザダル出身の33歳。172センチ、66キロ。MF。両足の技術を生かしたパスやミドルシュートに加え、豊富な運動量が持ち味。2012年にトットナム(イングランド)からレアル・マドリードに移籍し、欧州チャンピオンズリーグ3連覇に貢献した。クロアチア代表の主将としてW杯準優勝の原動力となり、大会最優秀選手に輝いた。代表では出場115試合14得点。

 

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