人生いろいろ、かかしもいろいろ
小田急線厚木駅の線路沿いに広がる田んぼに林立する自作かかし達。2009年から海老名市「中新田かかしまつり」を見つめて10年が経った。かかし達を見ながらこの10年を振り返ろう。
1975年神奈川県生まれ。毒ライター。
普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。
最近バレンチノ収集を始めました。
前の記事:「最恐ハブ!? 徳之島のハブ探し」 人気記事:「夏は池袋で毒づくし! 毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」 > 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー かかし祭りにハマる毎年秋になると実家近く、といっても距離的にはけっこう離れているんだけど、神奈川県海老名市のとある田んぼを訪れる。
駅前のいい感じのテナントモール。
そこで開催されている「中新田かかしまつり」を鑑賞するためだ。
小田急線厚木駅からちょっと歩くと線路沿いは田園風景になる。
会場入口。向こうに見えるのが小田急線。
日本各地で開催されているかかし祭りと同じく、趣向を凝らしたオリジナルかかしが畦道にずらりと展示される。
電車の窓からその存在に気付いたのは2009年の秋だった。実家で用事を済ませて厚木駅から会場に着いた時にはすっかり陽が落ちていたが夢中になってかかしを観ては「ほほう」とうなっていた。 あとで調べてわかったがすでにこの時点で17年目だった。なんで今まで気付かなかったんだ。
この時期に一世を風靡したコンテンツやキャラクター、印象深い出来事などが可視化でなくかかし化され、さらに田んぼだけにお米ナイズされている。
お米を守るミッキー米(マイ)ス
田んぼだけに田地人(2009年NHK大河ドラマ「天地人」より)
アイディアと批評性にあふれたかかし達にすっかりハマり、以来10年間、その1年を刈りとるように訪れては鑑賞してきた。
なつかしくもありついこの間のようでもある10年間をかかしを観ながら振り返ってみよう。 2009年:マイケルとヤンキージャマイカ旋風2008年の北京オリンピックではウサイン・ボルト選手が9秒69という意味がわからないレベルの世界新記録を叩き出し,さらにリレーや女子100mなどもメダルをジャマイカ勢が独占,「ジャマイカ旋風」と呼ばれた。
10年たってボルトがまだ32歳なのもすごい。
マイケル・ジャクソン死去2009年6月、いわずと知れた世界最高のエンターティナー、マイケル・ジャクソンが原因不明の死を遂げた。
もう10年も経ちますかってそんな感慨ばかりだな。
私のジャクソン体験(ジャクソン言うな)は小学生の頃だった。
友人の、年の離れた兄になぜかミュージックビデオ「スリラー」と黒田みのるの「霊障人間」という恐ろしい漫画を見せられ、日が暮れた家路を震えながら帰った。今思い出してもあれは無いわ。 出来事とは関係ないがこの年に見たかかしで一番私の心を打ったのはこの「ヤンキーヘルパー」だった。 「ヤンキー+ヘルパー」というパワーワードを与えてくれた事に感謝したい。
2010年:ブブゼラとイクメン南アフリカワールドカップアフリカ大陸で最初のワールドカップとなる南アフリカ大会が開催された。この大会で有名になったのがスタジアムでプープカ豪快に鳴り響く楽器「ブブゼラ」だ。
大会後はニーズが冷え込み、昨今のロシアW杯時には6万個の在庫を抱えるという寂しいニュースがあったがこれからも時おりブブゼラとつぶやいていきたい。 当時の日本代表監督、岡田武史氏。日本をベスト16まで導いた。田んぼでは「お米を守る岡ちゃん」
「お米にグッジョブ マラドーナ」サッカー史に残るレジェンド、ディエゴ・マラドーナがアルゼンチン代表監督として采配をふるった。しかしシブいモチーフだな。
イクメン育児をする男性(メンズ)の略称。2010年に厚生労働省が「イクメンプロジェクト」により普及活動を行い、流行語大賞のトップテンにもランクインした。
言いたいだけだけど「気後れした様子、表情」は臆面(オクメン)である。
私は当時も今もイケメンでもなければイクメンでもない、サラリーマンである。
地デジカなんてのもいましたね。TV地デジ化のキャラクター。
華やかなかかし達の向こうで働くリアルかかしは真剣味が違う。鳥たちの心胆を寒からしめるビジュアルショック。
これも読んでほしい Recommended by |
|
▲デイリーポータルZトップへ |