Google Chrome完全ガイド:Google ChromeでFlash Playerを有効にしてコンテンツを再生する

Google ChromeではデフォルトでFlashコンテンツが再生(表示)されない仕様になっています。しかし設定を変更すると再生できるようになります。その方法と注意点を説明します。

» 2018年09月26日 05時00分 公開
[島田広道デジタルアドバンテージ]
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 Google Chrome(以下、Chromeと略)では、デフォルトでFlashのコンテンツの再生ができないようになっています。Flashのコンテンツを含むページをChromeで開くと、その部分が白紙になったり省かれたり、代わりの静止画像が表示されたりします。

 例えば次のページをChromeで開いてみましょう。

 これはアドビシステムズが提供している、Webブラウザに組み込まれたFlash Playerのバージョンを確認できるWebページです。ここではFlash Playerのバージョン情報がFlashによって表示されます。しかし、デフォルト設定のChromeでは、標準で組み込まれているはずのFlash Playerのバージョン情報が全く表示されません。

ChromeでFlashのコンテンツが表示されない例 ChromeでFlashのコンテンツが表示されない例

 こうした挙動は、Flashコンテンツを再生するプラグイン「Flash Player」にたびたび脆弱性(ぜいじゃくせい)が見つかっており、これを悪用した攻撃が頻発していることや、開発元のアドビシステムズが2020年末でのFlash Playerのサポート終了を表明していること、すでにFlashの代わりとなる技術が普及していることなどが影響しています。

 その一方でいまだにFlashコンテンツを使ったWebサイトも多くあり、このままでは不便に感じるユーザーもいることでしょう。そこで本稿ではデスクトップ版Chromeを対象として、Flashコンテンツを表示(再生)するための設定と注意点について説明します。

Flashのコンテンツがあるページで、素早くFlashを有効化する

 前述のように再生されないFlashコンテンツを持つページに遭遇した場合、以下のようにアドレスバー(オムニボックス)のURLの左隣に表示されるアイコン(「i」や南京錠)をクリックして表示されるメニューで、「Flash」を[許可]にします。

 するとブラウザペインの上端に[再読み込み]ボタンが表示されるので、それをクリックしてFlashコンテンツが再生されるか確認しましょう。

開いているページにあるFlashコンテンツの表示を有効化(許可)する(1/3) 開いているページにあるFlashコンテンツの表示を有効化(許可)する(1/3)
開いているページにあるFlashコンテンツの表示を有効化(許可)する(2/3) 開いているページにあるFlashコンテンツの表示を有効化(許可)する(2/3)
開いているページにあるFlashコンテンツの表示を有効化(許可)する(3/3) 開いているページにあるFlashコンテンツの表示を有効化(許可)する(3/3)

 前述のFlash Playerバージョン確認ページの場合、許可の設定をすることで、正しくバージョン情報が表示されるようになりました。

 上記の設定をすると、ドメイン(URLの「//」から次の「/」までの部分)が同じであれば、その他のページのFlashコンテンツも許可されます。

Chromeの再起動のたびにFlashの有効/無効の設定がリセットされる!?

 上記の設定でもう1つ注意が必要なのは、Chromeを再起動すると許可/ブロックの設定がリセットされてしまうことです。つまり、Chromeを終了したり、Windows OSからサインオフ(ログオフ)したり、PCをシャットダウンすると、その後、また同じページをChromeで開いたときに同じ許可設定を繰り返す必要があります(さもないとFlashコンテンツは再生されません)。

 この設定のリセットを防ぐには、Chromeの実験的な機能に関するページ「chrome://flags」で、設定を変更する必要があります。具体的には[Enable Ephemeral Flash Permissions]という項目で[Disabled]を選択します。

 この項目を見つけるには、ページ上部にある検索ボックスに「Flash Permissions」と入力するのが早いでしょう。あるいは次のURLを指定すると、当該項目までジャンプします。

chrome://flags/#enable-ephemeral-flash-permission

Chromeの再起動のたびにFlashの有効/無効の設定がリセットされないようにする(1/2) Chromeの再起動のたびにFlashの有効/無効の設定がリセットされないようにする(1/2)
Chromeの再起動のたびにFlashの有効/無効の設定がリセットされないようにする(2/2) Chromeの再起動のたびにFlashの有効/無効の設定がリセットされないようにする(2/2)

 Chromeの再起動後、Flashコンテンツの再生を許可したページを開くと、今度は特に再設定しなくてもFlashコンテンツが再生されるはずです。

Flashに関する各種設定を確認する

 すでに設定済みのFlashに関する設定は、Chromeの設定画面の[詳細設定]-[プライバシーとセキュリティ]-[コンテンツの設定]-[Flash]で確認できます。それには次のURLを指定すると手っ取り早いでしょう

chrome://settings/content/flash

 このページでFlashコンテンツの再生を許可するドメインを追加する手順を、以下に記します。

Flashコンテンツに関する設定画面(1/2) Flashコンテンツに関する設定画面(1/2)
Flashコンテンツに関する設定画面(2/2) Flashコンテンツに関する設定画面(2/2)

 複数のドメインを許可する場合は、それぞれ追加する必要があります。例えば「example.jp」を許可しても、「www.example.jp」は許可されません。「example.jp」「www.example.jp」の両方とも明示的に許可する必要があります。

Chromeを常に最新版へ更新してFlash Playerへの攻撃を防ぐ

 Flash Playerには毎月のように脆弱性が報告されています。そのためFlash Playerの更新を怠ると、マルウェアなどにその脆弱性を攻撃され、結果としてPCを乗っ取られるなどの被害を受けかねません。

 Chromeの場合、Flash PlayerはChrome自身とともに最新版に更新されます。そのため、Flashの脆弱性への攻撃を防ぐには、最低限、Chromeを更新して常に最新版を利用する必要があります。

 また出所の不明なFlashコンテンツがアップロードされるサイトでは、むやみにFlashの再生を許可しない方が安全です。

 本稿で説明した方法でFlashコンテンツをよく再生するなら、特にこうした点に注意しましょう。

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