不正糾弾か身の破滅か?!内部通報者がおさえておきたいリスクと対処法

内部通報

ヤマトホールディングス(以下ヤマトHD)のグループ会社による引越料金過大請求事件の第三者委員会報告書が831日に開示されました。これによると、平成22年頃からヤマトHDの通報窓口に引越料の不正請求に関する内部通報が届き、その後も全国営業会議などで不正事実を訴える支店長がいたことが報告されています。しかし、ヤマトHDには内部通報された際の具体的処理方法等が明確に定められておらず、告発内容については組織ぐるみの重大不正として捉えられずに全国的な深堀調査が行われませんでした。このことにより法人顧客への見積り過大請求が繰り返される結果を招いたとされています。

この報告はわれわれに対して、「内部通報はうやむやにされる」ことを示すとともに、通報者のストレスは解消されるどころか、「上から睨まれるのでは? 自分の立場は守られるのか?」という猜疑心を産むことを連想させます。

この記事をお読みのあなたも、もしかしたら社内の組織的な不正に巻き込まれてモヤモヤした日々を過ごしておられるかもしれません。あるいは、上司がコソコソと小遣い稼ぎで不正請求しているのを見てしまいムカついているかもしれません。しかし、内部通報というアクションを起こす前に一度立ち止まってクールに現状を分析してみましょう。拙速な行動は自分の立場を著しく不利にしてしまうかもしれません。あなたの置かれている立場によって、不正を糾すためのアクションをすべきか否か、どこに対して、どのように通報すべきかは大きく異なってきます。このコンテンツがその判断の一助になるならば幸いです。

1.内部通報で不利益な取扱いを受けた典型的な事例

まずは、勇気をもって社内不正を糾そうと内部通報を実行した結果、人生をずたずたにされてしまった通報者の事例を2つご紹介します。

オリンパス事件

オリンパス社のH氏が大手鉄鋼メーカー向けに精密検査システムの販売を担当していた平成194月、取引先から機密情報を知る社員を引き抜こうとする社内の動きを知った。H氏は不正競争防止法違反(営業秘密の侵害)の可能性があると判断し、当初は上司に懸念を伝えたが、聞き入れられなかったため、この件を、同年6月にオリンパス社内に設置されている「コンプライアンスヘルプライン室」に通報した。

その後、窓口担当者から通報内容がその上司と人事部に伝わり、以後、3回にもわたって配置転換され、H氏が配置転換の無効の確認と会社・上司に対する損害賠償請求を求め提訴した。

一審は、H氏の訴えを認めなかったが、二審の東京高裁は、通報に対する反感を原因とする不合理な配置転換と認め、H氏を逆転勝訴させ、最高裁は、会社側の上告を棄却し(平成24628日最高裁決定)、H氏の勝訴が確定した。

しかし、オリンパス社は最高裁の決定後もH氏の希望する営業部署には戻すことなく報復的な人事配転を行う。H氏は名誉回復を求め再び提訴に踏み切り、平成282月 オリンパス社との和解に至った。

この事件の発生する前年の平成18年に公益通報者保護法は施行されていましたが、同法に通報者への不利益取扱いに対する罰則規定が無いために通報者を守ることができなかった典型的な事例です。H氏は9年もの長きに渡り個人で法廷闘争を続ける事を余儀なくされてしまいました。

千葉県がんセンター事件

千葉県がんセンター勤務の麻酔科医のS氏が、同センターで常態化していた歯科医師の麻酔科研修が厚生労働省のガイドラインどおりに実施されていないことに懸念を抱いていた。このことが誘引となった医療事故をきっかけに「このままでは患者の安全にかかわる」と確信して、直属の上司を外してセンター長に通報したのが平成22年春のこと。しかし、取り合ってくれないどころか、それまでの業務(手術時の麻酔施術)がまったく与えられなくなり、後には遠隔地の病院への配転が命ぜられ、通勤が困難なことから退職をせざるをえなくなった。

医師としての義務感と自分の身分回復のために、次の手として千葉県病院局長に通報メールを送ったものの受理も調査もされず、最後の手段と厚生労働省に同じメールを送った。しかし、返ってきた回答は非情なものだった。(1)平成229月末に退職し、千葉県がんセンターの「労働者」ではないので、公益通報者保護法に基づく「公益通報」の要件にはあてはまらない、(2)千葉県がんセンターの事例なので、千葉県に相談すべき・・・・。

通報に関する万策尽きたS氏は県を相手取り、報復を受けて退職を余儀なくさせられた慰謝料請求の訴えを起こし平成265月高裁にて結審、原告に対する報復意図のある不利益取扱いであると認められた。

この事案では、退職をした後の厚生労働省への告発に対する返答が、公益通報者保護法がザル法だと揶揄されることを如実に物語っています。どのような状況で退職に至ったか?など考慮されない「一刀両断」の裁定と言わざるを得ないでしょう。

そしてこの2件の事例に共通しているのは通報者への不利益な取扱いに対して、身分や権利の回復をするには個人で提訴しなければならないという惨い現実です。H氏やS氏にはあまりに酷い扱いに対する強い感情や、屈強な意思があられたのでしょう。この2人は最後まで戦い抜かれて一定の結果を勝ち取られましたが、長い係争期間に失われたものの大きさは想像に難くありません。この記事を読んでおられるあなたには、そのような民事訴訟に取り組む勇気はありますか?

2.内部通報制度の現状

2-1.民間事業者における制度導入情況

平成28年度の消費者庁の調査によれば、回答した3471事業者のうち1607事業者(46%)が内部通報制度を導入していました。特に従業員3千人超の事業者の99%が導入済みでした。導入済みの事業者の60%(従業員3千人超の事業者では77%)は社内と社外の双方に窓口を持っていました。一方、中小の事業者(300人以下)での制度導入は約26%に留まり、50人以下の小企業に至っては約10%しかありません。中小企業では誰もが内部通報を行える環境とはとても言い難い状況であることが分かります。

内部通報制度の導入率

2-2.通報の件数

内部通報制度を導入している民間事業者の中で、1年間の通報件数が1件も無かったのは大企業では4%であったの対して、中小企業では66%に及んでいます。従業員数や事業規模・範囲などが大きければ大きいほど不正や法令違反が発生するファクターが多くなることは間違いないことでしょう。しかし、逆に組織が小さくなればなるほど、通報者の匿名性が担保されず露見する確率が高くなることも想像に難くありません。この数値のギャップは、中小企業においては安心して内部通報をすることができる環境がまだまだ整っていないことの表れではないかと思われます。

内部通報が0件の率

2-3.通報者への不利益取扱いの実態

これも消費者庁の平成28年の調査で、労働者に対する公益通報者制度への意識調査の結果ですが、内部通報制度を利用した63人に対するアンケートで、通報・相談した結果 不利益な取り扱いを受けたとの回答数が19%に及んでおり、その他の嫌がらせや解雇などの回答を合わせるとその回答数は30件を数えます。これは内部通報制度が充分に機能せず通報者の身分・権利が守られていない実態を反映した調査結果と言えるでしょう。

不利益取扱いの件数

3.公益通報者保護法のおさらい

これを読まれているあなたは、【内部通報制度=公益通報者保護法】と勘違いをしていないでしょうか?同法が我が身を守ってくれると過信したりしていないでしょうか?この章では公益通報者保護法が適用される範囲や条件をおさらいします。

3-1.公益通報者保護法で公益通報事実とされる要件

管轄官庁である消費者庁のホームページには、公益通報となるために必要な事項として、「労働者不正の目的でなく、その事業者(労務提供先)又は当該労務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について、信ずるに足りる相当の理由がある通報の対象となる法令違反が生じ、又はまさに生じようとしている旨を通報する場合です。」としています。

3-1-1.労働者であること

その事業者の労働者であることが定められています。この場合の労働者には正社員、派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどが含まれます。何らかの理由ですでに解雇・退職されている場合は、同法の保護対象にはなりません。

3-1-2.不正が目的でないこと

通報を手段として金品を授受するなど不正な利益を得るための目的、事業者の従業者など他人に対して財産上の損害・信用の失墜などの損害を加える目的のほか、公序良俗や信義則に反する目的など社会通念上違法性が高い通報は公益通報事実としては認められません。

3-1-3. 通報の対象となる法令違反とは

国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として法律及び政令で定められた413本の法律の規定に基づく犯罪行為の事実又は当該犯罪行為と関連する法令違反の事実が対象となります。具体的には、①罰金や懲役等の刑罰に処せられる「犯罪行為」、②行政機関による「指示」(→(指示違反))→「命令」(→(命令違反))等の後、刑罰に至る「犯罪行為につながる法令違反」です。

3-1-4. 信ずるに足りる相当の理由

通報の事案について単なる伝聞等ではなく、通報事実を裏付けると思われる内部資料等の証拠を有する場合など、相当の根拠を有する場合です。こうした証拠を収集することは、一般労働者や派遣社員にとってはかなりハードルが高いことで、こうした要件を満たさずに通報・告発することで通報者が立場を危うくしてしまう事案は後を絶ちません。

3-1-5.まさに生じようとしている とは

通報対象事実が発生する危険性が極めて高い、あるいは蓋然性が高いことを指しますが、単純に時間が切迫しているというのではなく、発生するまでは時間はあるが、いつ、どこで、誰が、何を行う等が確定しているのであれば、「まさに生じようとしている」に含まれることになります。

3-2.どこに通報するのか

これも同法では明確に規定されています。

3-2-1.労務提供先(事業者)または労務提供先があらかじめ定めた者

通報者の勤務する事業者への通報が基本となっています。これには、勤務先が指定した親会社の総務部、弁護士事務所、労働組合など社外通報窓口などを含みます。

3-2-2.行政機関(監督官庁)

真実性を裏付ける相応の証拠など、客観的に見て合理的な理由がなければ通報は受理されない可能性もあり、保護の対象とはなりません。どの官庁に通報するべきかについては、法律上は「処分若しくは勧告等をする権限を有する行政機関」となっていますが、どの省庁が監督官庁なのか分からないことが多いと思われます。その場合に備えて、行政官庁側では、どの行政官庁が監督官庁なのか教える義務があるとされていますので、最終的には正しい行政機関に通報できる体制になっています。また、消費者庁のホームページには「公益通報の通報先・相談先行政機関検索」というページがあり、通報しようとしている事案がどの法律に抵触しどこの行政機関が担当であるかを検索する事ができます。通報内容の具体性によってはたらい回しにされる危険性はあります。

3-2-3.その他外部の適切な通報先

報道機関・マスコミなどの外部組織に通報する場合は、行政機関などへの通報に比べ、さらに保護の対象となる要件が加えられより厳しいものとなっています。 通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合に加え、5つの要件のうちいずれかを満たす必要があります。

  ①事業者内部や行政機関に通報すると、不利益な取り扱いを受けると
   信ずるに足りる相当な理由があること

  ②内部通報すると、証拠隠滅、偽造・変造されるおそれがあると
   信ずるに足りる相当の理由がある場合

  ③上司などから、正当な理由なく口止めを要求された場合

  ④事業者内部で通報して 20 日を経過しても、正当な理由がなく
   調査を行う旨の通知、
あるいは実施がなされない場合

  ⑤生命、身体に関する危害が発生する急迫した危険があると
   信ずるに足る相当の理由がある場合

なお、競業他社や暴力団等の反社会的勢力へ通報することは禁止されています。

3-3. 同法が定める保護の内容

同法が定める保護の内容は『解雇の無効』、『不利益取扱いの禁止』、『労働者派遣契約の解除の無効』のみです。これらに該当しない微妙な圧力や嫌がらせ、ハラスメントなど、不利益取扱いであることが立証できる明確な根拠のない行為は保護の内容にならない可能性があります。

3-4.同法には事業者側に対する罰則規定が無いという現実

内部通報や告発により事業者の不正が問い質されるとき、調査が進めば進むほど通報者が特定されてしまう可能性が高まります。その通報内容が事業者の経営に深く関わる場合や、経営層の人物に関する場合などですと事業者による報復行動が発生することがしばしば報告されています。具体的には報復人事で閑職に仕向けたり、別の理由を付けて退職に追いやるなど、通報者の身分・立場に関わる不利益取扱いが行われます。しかし、2018年夏現在、同法にはこうした通報者に対する報復行動への罰則規定がありません。

このため、不正は糾されて事業者が間違いを認めても通報者への不利益取扱いを止めないという問題が起こっています。識者の間で、この法律は「ザル法だ」と言われる所以はここにあります。

4.通報者個人に生じる不条理なリスク

2章でおさらいした通り、公益通報者保護法で通報者が保護されるための要件は意外と厳格で狭いのです。かたや、民間事業者の内部通報規程などでは法令違反行為等に加えて社内規則・企業倫理違反行為も通報内容に加えているのが通例となっており、法令違反以外の通報内容に対する対応が問題となることも頻繁にあります。このことを踏まえて、内部通報を実行すると自分の身にどんなリスクが発生するのか?考察してみたいと思います。

4-1.不明確な内部通報制度の規程・運用ルールが招くたらい回しや黙殺

・社内のどこに通報するのか?
・通報する手続き・方法は?
・匿名性は担保されるのか?
・タイムラインのルールはあるのか?

など通報制度を利用する労働者側の立場を配慮した規程・ルールが決まっておらず、周知もされていないとすれば、その制度は名ばかりのものと言わざるを得ません。こうした環境では、窓口が一本化されておらずたらい回しにあったり、通報が正式に受理されずいつの間にかうやむやになる、などの状況が発生するリスクが高くなります。このような事業者への通報は避けた方が無難でしょう。

4-2.事業者が設置する社外通報窓口が無いための通報者の露見

社外の、しかも顧問弁護士でない第三者機関に相談窓口(ヘルプライン・ホットライン等)を設置していれば、内部通報に対して事業者当事者だけでない客観的な判断がされて、事業者の通報者に対する暴走行為に歯止めがかけられる可能性が高まります。内部通報制度はあるものの、社外の窓口が無いとすれば、事業者は中立・公正な判断を欠き通報事案への対応を怠ってしまうケースも生じます。仮に通報事実に対する調査に着手されたとしても、調査が進むにつれ通報者象が具体化して炙り出されてしまい匿名性が崩れるリスクが生じます。

4-3.会社・組織ぐるみの不正だった場合の恐怖

組織三菱マテリアル子会社の品質データ改ざん問題、スルガ銀行の不正融資問題、東芝の不正会計問題など大手有名企業の不正が横行していますが、現場で改ざんや不正に手を染めている人間にはあまり罪の意識が無く、その管掌役員や管理者もそれを正当化して黙認したり、積極的に隠したりしています。このような状況で内部通報を行うとどうなるのでしょうか?その会社にとっての事案の重大性から、通報窓口の部署は客観的な判断を回避し確実に経営に情報を上げることになります。こうなれば通報者の匿名性の担保はおろか、身分は風前の灯になることは十分に考えられます。

4-4.通報者の個人的な思惑と曲解されるおそれ

通報対象が個人の場合(それも上司である場合は特に)、通報事実に関する確実・客観的な証拠を揃えた上で通報しないと、窓口部署はその通報に対して個人的な遺恨で上司を貶めようという意図への疑いを持ちます。証拠がなければ調査まで進められることなくうやむやにされるか、最悪の場合被通報者に情報がもたらされ、不当な取り扱いを受けるような状況を招きかねません。特にハラスメント系の通報の場合はその境界線が曖昧なだけに、通報者に災禍が跳ね返ってくる可能性が高いです。通報対象者とのやりとりが通報の原因になるのであれば、最低でもEメールや会話の録音などハラスメントを証明できる証拠は残しておくべきです。

4-5.「会社の利益」と「通報者」は天秤にかけられる

天秤平成2812月に制定された民間事業者向けガイドライン(*)には、経営トップの責務として「利益追求と企業倫理が衝突した場合には企業倫理を優先するべきこと」とあります。この方針が役員全員に浸透し通報対応部署の判断やアクションにもしっかりと反映されていれば、通報者の身分は守られるでしょう。
(*公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン・・消費者庁 平成28年12月制定)

しかし、現在後を絶たない不正発覚のニュースを見れば分かるように、企業倫理が優先されているとは言えない事件が沢山あります。
  ・企業の屋台骨を揺るがすような不祥事だったら・・・
  ・巨額の損失を生む不具合の隠ぺいだったら・・・
  ・会社を背負って立つ役員の不正だったら・・・
企業の利益と通報者は必ずや天秤に掛けられることになるでしょう。

5.内部通報制度の機能に期待できない時は外部機関に通報する

公益通報のうち事業者(社外窓口含む)への通報ではなく、『行政機関』や『マスコミなど』に通報することを内部告発といいます。「過去に社員の通報が握り潰されたケースがあった」、「社内の通報窓口では取り合ってくれそうにない」、「組織が小さすぎて誰が通報したのかはすぐに知れ渡ってしまいそうだ」などの難しい状況があり、しかし知ってしまった問題は解決させなければならないような場合はこの二つの外部の通報先を選択することになります。

5-1.行政機関

行政機関行政機関への告発の場合、該当する法令の違反に関するものになるため、その監督官庁の動きは会社を告発する色合いは薄れ、あくまでも違法行為を糾す方向のアクションが主体となります。2章でも書きましたように、真実性を裏付ける相応の証拠など、客観的に見て合理的な理由がなければ公益通報者保護法での保護の対象にならないことは理解しておく必要があるでしょう。また、告発事案の不正が糾され事業者が違法性を認めたり行政指導されたりしても、公益通報者保護法に罰則規定がないことから様々な手を使って通報者への報復的措置に動くことも想定しておかなければなりません。

5-2.マスコミ・報道機関

報道機関2章(2-2-3項)でご紹介したように、マスコミ・報道機関などへの通報の場合、公益通報者保護法はさらに厳しい条件を課しています。また、民間報道機関は報道の価値が認められなければその告発を取り上げない可能性が高いです。例えば、従業員100人の部品メーカーでの違法行為など、余程の話題性でもない限り紙面を割いて取り上げることはないでしょう。大手上場企業やBtoC商材の有名企業、急成長産業のベンチャー企業など、商売の種にならなければ取り合ってはくれないのです。

6.まとめ

平成302月 「政府は不正を告発した内部通報者を報復的に解雇したり異動させたりした企業に、行政措置や刑事罰を科す検討に入った。」と新聞で報じられました。現行の公益通報者保護法は企業が通報者に不利益を与える行為を禁じてはいるものの、実際には民事裁判で解決するしかなく実効性が乏しいという現実をようやく認めて、法改正の方針を打ち出したようです。平成311月の通常国会へ改正案を提出することを目指すとの情報もあります。このスケジュール感からすると同法の改正が施行されるのは2年後辺りになるでしょうか。ただ、この罰則規定が施行されたとしても、あくまでも公益通報と認められた事案が対象であって、民間事業者での内部通報制度の運用すべてに適用されるわけではありません。内部通報者の不遇の時代はまだしばらくは続きそうです。

最後に、通報した際の報復行為へのリスクを少しでも軽減するための心得を整理しておきましょう。

  ①社外通報(相談)窓口が無い場合、事業者への内部通報は避ける。
                  ⇒ まずは第三者たる弁護士に相談

  ②遺恨による個人攻撃と取られるような通報はしない。

  ③違法行為の場合、できる限り立証できるような証拠を集める。
          ⇒ Eメールやドキュメントの写し、会話の録音、動画、画像など

  ④組織的な不正の場合は内部通報(社外通報窓口含め)は避ける。
                ⇒ 行政機関・報道機関への告発を検討する。

  ⑤それでもなんらかの不利益取扱いがありうることを覚悟して行動する。

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