9月20日、仮想通貨取引所「Zaif」が、不正アクセスで約67億円相当(後に70億円相当と訂正)の仮想通貨を流出したと発表した。1月には同じく国内で、「Coincheck」から約580億円相当の仮想通貨が流出したばかりとあって、衝撃は大きい。
数十億~数百億円が虚空に消えるという話には目まいがするばかりだが、仮想通貨の歴史上、今まで総額いくら分が流出したのだろうか。Mt.GoxからZaifまでの主要な事件を振り返る。
記載する仮想通貨の日本円価格は、当時のレートによるもの。
仮想通貨取引所から仮想通貨が流出することを「GOXする」(ゴックスする)、と一部で言われるようになったが、その語源こそかつて日本にあった仮想通貨取引所、Mt.Gox(マウントゴックス)だ。
2010年から東京でビットコイン取引所を営んでいたが、2014年2月に全取引を中止、同サイトを白紙にした。発覚するまで何年も窃盗行為を受け、計74万4408BTC(約390億円)を失ったとしている。
運営していたMTGOXは破産手続きを進めていたが、保有していたビットコインの価格が当時から上昇。債権額の約456億円を上回ったため、2018年6月に東京地裁から民事再生手続きの開始決定を受けた。
英国のBitstamp(ビットスタンプ)は、2015年1月に約5億円相当のビットコイン(約1万9000BTC)を流出。同社が保持していた10%の資産だったという。
大きな流出事件としては初めてのビットコイン以外の仮想通貨で、「第2のMt.Gox事件」ともいわれる「The DAO事件」。これは仮想通貨取引所ではなく、イーサリアムプラットフォーム上のプロジェクトだった。
2016年6月に、何者かがThe DAOのスマートコントラクトのバグを攻撃。The DAOに集まっていた資金の約3分の1である、約65億円相当のイーサリアムが盗まれた。
当時ドルベースの仮想通貨取引所としては世界最大だった、香港のBitfinex(ビットフィネックス)は、2016年8月に約73億円相当のビットコイン(約12万BTC)を失った。
仮想通貨マイニングの採掘能力を売買できるサイトである、スロベニアのNicehash(ナイスハッシュ)から、約76億円相当のビットコイン(約4700BTC)が流出した。事件が発生したのは2017年12月6日ごろ(日本時間)で、7日午前5時には具体的な被害を発表した。流出したBTCはNicehashの資産の全てだったとしていた。
同月20日にはサイトを復旧した上で、「盗まれたユーザーの残高も払い戻せるようにする」とアナウンスした。
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