意外に使える家庭用太陽光の自立運転

 蓄電できなくても、停電時の備えとしては、太陽光発電設置は有効な手段である。家庭用太陽光発電についての多くは、自立運転用コンセントがある。PCSの右側についている。屋外用PCSの場合は屋内に専用コンセントを付けているケースが多い。

 この自立運転用コンセントを使用するには、ブレーカーを切ったり、PCSを操作することが必要になるので、非常時に備えて手順を事前に理解しておこう。資源エネルギー庁は、その手順を「停電時の住宅用太陽光発電パネルの自立運転について」を公表し、解説している。

 この自立運転用コンセントの実用性はかなりのものだ。コンセントから最大1500Wまでの電気機器を動かすことができる。まず必要性の高いスマホの充電は10Wあればできるので、十分である。

 そのほか、食料保蔵に必要な冷蔵庫が500W程度、テレビは100W、照明100Wといった消費電力で、この程度なら賄える。しかし、調理に必要なホットプレートは1500W、エアコンは2000W程度となり、長時間利用するのは厳しいかもしれない。調理用にガスが使用できれば、ホットプレートは不要になる。このことからわかるのは、家庭用太陽光発電設備で、エアコン以外のほとんどの電気機器を動かすことができ、非常時用としては十分な能力を持つことがわかる(図2)。

図2●資源エネルギー庁「停電時の住宅用太陽光発電パネルの自立運転機能について」
(出所:経済産業省 資源エネルギー庁)
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