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貴乃花親方が引退届 告発状問題「協会から圧力」

日本相撲協会に退職を届け出て、厳しい表情で記者会見する貴乃花親方=25日、東京都港区で(七森祐也撮影)

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 大相撲の元横綱貴乃花親方(46)=本名花田光司、東京都出身=が二十五日、東京都内で記者会見し、「日本相撲協会に年寄を引退する旨の届けを提出した」と述べ、日本相撲協会に退職の届け出を提出したことを明かした。

 貴乃花親方は理由として、弟子の幕内貴ノ岩に対する元横綱日馬富士の傷害事件を巡り、内閣府へ提出した告発状の内容について、協会役員から事実無根と認めるよう言われたことを挙げ、これを認めなければ親方を辞めなければならないなどの「有形、無形の要請」を受けていたと説明。親方は「真実を曲げることは私にはできない」と述べた。

 また、全ての親方が五つある一門のいずれかに所属しなければいけないという新ルールが七月の理事会で決まったが、貴乃花親方だけ所属先が未定だった。「このままでは(貴乃花部屋に)所属する力士たちは相撲を続けられない。年寄を引退することが最善の道だと、苦渋の決断をした」と語った。

 会見を受け、相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、貴乃花親方から提出されたのは引退届で、親方が辞める場合に必要な協会の退職届ではなかったため、受理していないとした。告発状を事実無根と認めなければ親方を辞めなければならないと貴乃花親方に圧力をかけた事実はないと説明した。

 退職が認められれば貴乃花部屋は消滅する。貴乃花親方は部屋の力士、床山、世話人については、千賀ノ浦部屋への所属先の変更願を提出したことを明かした。今後は協会には所属しないが、今後について「土俵に育てられた私なので、土俵には携わっていきたい」と話した。

 <貴乃花 光司(たかのはな・こうじ=本名花田光司、元横綱貴乃花)> 元大関貴ノ花の次男で、父が師匠の藤島部屋(のち二子山部屋)に入門、88年春場所初土俵。兄の3代目若乃花と兄弟横綱となり、空前のブームを起こす。優勝22回。03年初場所中に引退して一代年寄「貴乃花」を襲名。04年2月に二子山部屋を継承し、部屋名を変更。10年に日本相撲協会理事となり、審判部長などを歴任。18年1月に理事を解任され、2月の理事候補選挙で落選。3月に弟子の暴行問題などで年寄に降格。46歳。東京都出身。

 

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