年2回、定期的に事業所で「腰痛予防検診」が行われています。
先日、再び私の勤務している事業所でも検診がありました。
以前にも「腰痛予防検診」について触れました。
という記事で書いたように「半強制」です。
厳密には介護職員と看護師は「半強制」です。
要は現場で腰を酷使するであろう職種は受診する必要があるのです。
逆に、ケアマネや事務所職員や生活相談員などの現場に殆ど出ることのない職種は「希望者のみ」となっています。
我々現場職員は半強制なので、仕方なく毎回受診しているのですが、毎回受診してわかったことがあります。
そのことについて今回は記事にしようと思います。
年2回の受診内容の内訳
以前書いた記事では
大まかな受診の流れと内容は、
①事前に問診票の記入
②受付
③握力測定
④診察
になります。
と書きましたが、年2回のうち1回は上記内容なのですが、もう1回は更に内容が多くなっていました。
その内容は
①事前に問診票の記入
②受付
③身長・体重測定
④血圧測定
⑤指先の温度測定
⑥指先感覚検査
・シートのようなものを指先で触らされ「ツルツルしているか」「ザラザラしているか」を答えさせられる検査です。
⑦準備運動
⑧前屈測定
⑨タッピング測定
・中指だけを機械の中に入れ、上下運動をさせることでセンサーが感知し、30秒でどれだけの回数を上下運動(タッピング)できるか測定します。
⑩握力測定
⑪握力維持測定
・最大握力の60%の握力を30秒間維持するように握力測定器を握り続けます。
⑫胸筋・肩筋力測定
・握力測定器の胸筋・肩筋バージョンの機器で胸の前で両手で内側に押したり引いたりして測定します。
⑬診察
・検査や測定の結果をみて、パテーションで仕切られた所で医師が診察をします。
個々の状態により簡易ベッドに寝かされて診察されます(状態が問題なさそうな人は肩や腰を押さえられて「痛くないですか?」と聞かれて終わりです)。
という多項目に渡り、体力測定・筋力測定さながらの測定や検査が行われています。
除外された測定
実は以前は上記の他に
・上体反らし測定
・背筋力測定
もやっていましたが、上記2つの測定をしたあとに「腰痛を訴える職員が多発」したために、この測定は検診から除外された経緯があります。
「腰痛予防検診を受診したことによって腰痛が発生したり悪化させる」という本当に目も当てられないような摩訶不思議で本末転倒な検診だったので受診希望者が減っていった理由もわかります。
しかし、それでも厚労省が推奨し推進するので、事業所も躍起になって、腰痛が改善するどころか悪化するかもしれない、誰も受診したくもない検診を半年に1回受診させられています。
私の腰痛は治療が必要だったり、断続的・継続的に続く致命的なものではありませんが、それでも確かにこの検診を受診したあとは
「ドッと疲れる」
「上腕三頭筋や胸筋などの筋肉が疲労している」
「肘や手の甲の筋(すじ)が疲労している」
という感覚に陥り、しばらく疲労感が続きます。
そんな疲弊した受診後の状態でも、勤務中であれば業務をしなければならないのですが、本当に「時間も筋力も損をした」気分になります。
まとめ
改善するわけでも治療をしてくれるわけでもない「腰痛予防検診」ですが、一体、誰トクなのでしょうか?
本当に腰に違和感があったり治療が必要な人は「接骨院や整骨院」「整形外科」などを受診しています。
「予防検診」などと言っても、最終的にはA4サイズのプリントに「腰痛予防エクササイズ」が書かれたものを貰って終了です。
そんなプリントを配布するよりも、「抱えない」「持ち上げない」「引きずらない」という「ノーリフティングケア」を推奨していく方がよっぽど有益で腰痛予防にもなります。
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結局は現場職員のためというよりも
「現場職員のことを考えて検診を推奨している厚労省って素晴らしい」
「現場職員のことを考えて厚労省が推奨している検診を実施している事業所ってイケてる」
という建前とか自己満足とか自己陶酔の世界なのではないでしょうか。
実情は、大変迷惑しています。