東芝、銀座東芝ビルの売却発表 |
東芝、銀座東芝ビルの売却発表・東急不に1610億円で
東芝は19日、商業施設の銀座東芝ビル(東京・中央)を東急不動産へ売却すると発表した。譲渡価格1610億円で、10月下旬までに完了する見通し。事業の選択と集中を進める施策の一環で、売却で得た資金は半導体などの成長分野へ充当するとみられている。2008年3月期の下期(07年9月—08年3月)に売却益1300億円を計上する予定だが、通期の業績予想については「現在見直し中で、完了次第改めて公表する」としている。
銀座東芝ビルは、東急不が組成する特別目的会社(SPC)を通じて売却する。東芝では、「銀座地区の立地条件に応じた活用のためには、商業・業務用不動産を本業とする東急不に委ねるべきだと判断した」と説明している。
東急不は同日、銀座東芝ビルをSPCを通じて取得すると発表した。「大型複合ビルに建て替えて、事業基盤の拡大を図る」などと表明した。業績への影響については「軽微」としており、予想は変更しない。〔NQN〕(2007/9/19,17:44)
東芝のプレスリリースによると、この資金は「選択と集中」すなわちコア事業にあてるようです。当事者は否定していますが(リンク先はソニーのプレスリリース,pdf)先日新聞発表されたソニーの半導体事業を1000億円程度で購入で購入するとの報道もそのひとつなのでしょう。
なお、東急不動産のプレスリリース(pdf)によると「銀座地区に相応しい大型複合ビルへの建て替えを前提に、今後、関係各所との協議を行い早期の事業化を目指す」とのこと。
また、売却価格については敷地面積ベースで路線価の2.4倍となり相場よりやや安いとの見方もあるようです。今後、開発が予想される日比谷地区へのアクセスを考えると、確かに「安い買い物」と言えそうで、もしかすると、どうしてもキャッシュが欲しい東芝の腹具合が加味されているのかもしれません。
銀座東芝ビルの沿革・詳細については、東芝不動産のサイトが詳しいです。1934年10月竣工・1966年12月増築。設計・施工:清水建設。
このサイトを拝見していて初めて知ったのですが、銀座東芝ビルの前に建っていたマツダビルは、佐藤功一・内藤多仲設計の非常に美しい建物だったのですね(2枚目の写真)。東京オリンピックの前後の激しいモータリゼーションに応えるべく、数寄屋橋周辺で駐車場の整備、ビルの建設が進んだようです。
泰明小学校は別格としても、周辺には築年数の進んだ商業ビルが多数所在します。道を挟んで隣接する銀座第二東芝ビル(1964年)、数寄屋橋交差点を挟んで正面のソニービル(1966年竣工,芦原義信設計,大成建設施工)はどうなるのか。動向を注視していきたいところです。