筋肉の写真でTwitterなどを騒然とさせ、テレビなどのメディアでも引っ張りだことなっている“マッチョな歯医者”こと、表参道パトリア歯科医院(東京・北青山)の院長・嶋田泰次郎先生は、ボディビル大会で良い成績を収め続ける美しい筋肉の持ち主。今回、嶋田先生に“良い歯の磨き方”と筋肉トレーニングの共通点や、嶋田先生ならではの歯科治療の“信念”についてお伺いしました。2018年9月に発売されたドルツ新製品の感想もお聞きします!
※この記事は、パナソニック株式会社による記事広告です。
■ 歯科医院のサイトに「先生の筋肉写真」が載っている!
── 嶋田先生は、歯科治療に携わる一方で、2010年「ボディビル東京オープン」(70kg級)では、初出場にもかかわらず優勝を果たしました。また、2018年9月2日に開催された「2018 オールジャパン・メンズフィジーク選手権大会」の40才超172cm以下級では2位を獲得されました。歯科医というお仕事と筋肉トレーニング(以下、筋トレ)を両立させている理由についてお聞かせください!
▽ 09月02日(日) JBBF主催選手権大会 第5回 オールジャパン・メンズフィジーク選手権大会
嶋田先生(以下、嶋田) 仕事一本ではつまらないからですね。仕事が趣味という方もいると思うんですが、自分はそういうタイプではなかった。「自分の挑戦状」として筋肉を鍛え続けています。鍛えれば鍛えただけ、自分の肉体に良い成果が返ってくるというのが大きな理由の一つです。高校時代にラグビーをやっていて、それがきっかけとなって身体作りがずっと趣味になっています。ボディビルは30歳の時に始めました。
── 表参道パトリア歯科医院のWebサイトは、嶋田先生と筋肉をフィーチャーした内容ですね。歯医者のお仕事において筋肉をアピールされている理由を教えてください。
嶋田 自分の姿勢を示しているという意味合いです。この情熱で治療もしっかりやってくれると思っていただけるのではないかと考えました。
表参道パトリア歯科医院Webサイトのトップページ。「痛みがなくても、俺は見逃さない。」などのキャッチコピーが踊る
治療内容の紹介写真には、タンクトップ姿の嶋田先生が
パトリア歯科医院 – 表参道で歯医者をお探しなら診療内容も充実のパトリア歯科医院まで
嶋田 病院選びってとても大変で、難しいと思うんですよ。友人や知人が「ここはいいよ」と言っていても、その人と自分では性格も価値観も違う。特に歯科治療は時間が長く掛かるものなので、最初は頑張って「ちゃんと治そう」と思っても、だいたい8割くらいの方が、途中で挫折して治療をやめてしまう。そういう中でこのサイトを「なんだこれは」と受け取るか、「あっ、トレーニングをしているこの先生、なんか情熱あるんじゃないか?」と受け取ってくれるかは見る方の価値観なので、その価値判断の基準の一つですね。
── 「歯間の闇に潜む、ミクロの巨悪をかきだせ!」など、キャッチコピーにもメッセージが込められていると受け取りました。先生が考えたのでしょうか?
嶋田 患者さんの中にライターさんがいたので、お願いして作ってもらいました。筋肉の写真を載せるようになったのも患者さんの発案です。「もったいない、もっとアピールした方がいい」って。ネットで話題になったのは2~3年前でしたが、反響が大きくて、きっかけの一つとしてはよかったと思っています。でも、そういった話題性はずっと続くわけではないので、患者さんにサイトを通じて自分の存在を知ってもらって、少しでも多くの人と出会えれば楽しいと思いますね。
■ 「バス法」と「4つの道具」……じっくり時間を掛ける“嶋田流”磨き方指導
── 歯科医の道を選んだ経緯について教えてください。
嶋田 鶴見大学歯学部を卒業後、米国に1年半留学して米国の医療と保険制度について学び、帰国後に勤務医となりました。しかし、日本の歯科治療の仕組みでは、だいたい患者さん1人当たり15分くらいしか時間を掛けられません。それもそれでやり方としてはいいんですが。父の歯科医院を継いでからは、患者さん1人当たり30分から1時間と、治療時間をたっぷり掛けています。今日も1時間の予約を取った患者さんが来て、最初の20分は雑談をしていましたね。
──患者さんとの雑談の中から食習慣や生活習慣を聞き出すのでしょうか?
嶋田 いえ、本当に単なる雑談です。テレビで見た芸能人の話や、子育ての話など……。麻酔しながら話をすることもありますね。会話をしてみて打ち解けられる人と打ち解けられない人がいると思うんです。それを覆すには、話をするしかない。当たり前の話ですが、合わない人もいるので、患者か術者、どちらかが折れなければならないんです。
嶋田 患者さん側が折れるのか、僕ら術者が折れるのか。今は患者さんも知識を付けていますが、僕らが折れまくって「それでは歯を治させていただきます」というのはおかしい。バランスをうまく取りつつ、お互いに自分の知らない世界や趣味の話をすれば面白い、という意図はありますね。虫歯を削って治すのは歯医者の仕事なので、自分の意地で、自分に負けたくないんです。
──1時間の治療時間を、歯科衛生士さんに任せることなくご自身で最後までやりきるのは、先生のポリシーでしょうか。
嶋田 はい、そうです。1日最大で診られて15人くらいでしょうか。だいたい治療に1時間くらい掛ける患者さんが多く、治療内容によっては短く終わる場合もあります。口腔内カメラで歯や歯茎の状態を撮りながら、どこが悪いのかを説明します。歯磨きの指導も直接僕がやっています。
── 患者さんにはどのような歯の磨き方を指導されているのですか?
嶋田 非常に簡単です。「私はやった」「でもできていない」──僕はその境目を伝えるだけなんです。
例えばテーブルの溝の中にほこりがある。でも、ほこりがある場所ではなく、その手前を拭いて「テーブルの掃除をした」と言う。テーブルは一見きれいになっているけれど、溝にはほこりが残っている。それを「掃除ができた」と評価するのか? 歯磨きも同じで、「私は磨いた」と言う人でも、汚れが取れていなければ「磨けた」とは言えません。歯ブラシってだいたい3歳くらいから使い始めて、だいたい毎日、頻度はともかく歯を磨いていますよね。この中に虫歯になったことがある方はいらっしゃいますか?
── (取材陣の中で2人ほど手を挙げる)
嶋田 なぜ「毎日磨いているのに虫歯になるんですか?」ということです。自分でやろうと思えばできますが、知識を得て実際にやるかやらないかはその人次第です。そして、やらない人の方が圧倒的に多い。
── 自分は磨けていると思っていて、虫歯になっていくわけですね。
嶋田 別に難しいことじゃないんですよ。歯の磨き方をきちんと覚えて、歯がとてもきれいになった。でもその磨き方をやめてしまったら、また汚れがたまっていきます。だから結局、常にやっていかなければならないんです。
僕の役割は、痛いと言われたらどこが痛いのか調べて、分かったら治し、どこに汚れがあるか分からない人にはそれを教えることです。歯が治ってもまた汚れはたまりますから、歯と歯ぐきの間に斜め45度に歯ブラシをあててブラッシングする「バス法」と、4つの道具「歯ブラシ」「ワンタフトブラシ」「歯間ブラシ」「デンタルフロス」を使えば絶対きれいになりますよ、やってください、とお伝えします。
皆さん考え過ぎなんですよ。「怖い」「痛い」「面倒くさい」「通う回数が多い」「お金も高そう」……だからどんどん歯科医院に足が向かなくなってしまう。確かに自分でも、1年も通うかといったら面倒ですね(笑)。
── でも先生は「自分の筋肉に挑戦する」ことを継続していますよね。
嶋田 僕からすると、お酒を飲む人が「毎日晩酌する」のが不思議なんですよ。でも、他の人から僕らを見ると「1日2~3回プロテインシェイクを振って飲んでいる」のが不思議なはずなんです(笑)。お酒を飲む方は、1日の終わりに「ああ、今日もお疲れ様」と気持ち良く眠りたいからですよね。僕らが1日に何度もプロテインを飲まなければいけないのは、空腹時に筋肉の分解が始まってしまうからです。そして、適度に糖質を取らないと身体がしぼむので、糖質を取ってからトレーニングをする。お互いに「不思議だな」と思うことがあっても、それは目的が違うからです。
── 「目的を達成するために、やるべきことを逆算してやっている」わけですね。
嶋田 だから僕らは週に4日も5日もジムに行ってトレーニングをするんです。そうやって鍛えないと鍛え終われない。筋トレをやめたら筋肉はなくなりますから、終わりなんですよ、僕らは。終わりたくないし、もっと改善したいんです。
■ 「やめたら終わり」……的確に継続することが歯磨きと筋トレの共通点
── 嶋田先生が考える「歯の健康の維持」と「筋トレ」の共通点についてお聞かせください。
嶋田 「やめたら終わり」です。維持でも、改善でも、進化でもいいんですが、とにかく「やめたら終わり」。終わりたくないのであればやり続けるしかないんです。理論と正しい方法を知って実践すれば、ゴールは近づいてくるということです。トレーニングも歯磨きも、やり方次第で無駄になってしまいます。
例えば筋トレでは、胸を鍛えたいのに、鍛え方のフォームが違っていると、肩ばっかり鍛えることになる。歯の場合は毎日ちゃんとした方法で歯を磨けば、虫歯にならず、歯ぐきの病気にもならず、健康な歯を維持できます。だから毎日やるわけです。そして、的確に磨く方法を覚える必要があります。歯並びの良い人はスムーズに磨けるけど、歯並びが悪い人は同じ方法ではスムーズには磨けない。そういう場合には違う道具を使う。本当に「歯磨き」と「筋トレ」は一緒なんです。
── 継続の大切さは痛感しますが、それを患者さんに伝えて実践してもらうのは難しいのではないでしょうか。
嶋田 今から20年前、60歳の時に通い始めた患者さんがいるんですが、60歳の時のデータより80歳の今の方が歯の状態が良いんですよ。磨き方をちゃんと理解しているから。歯は他の器官と比べてあんまり老化しないんです。でも、小さい頃に「年をとれば入れ歯になる」のようなステレオタイプなお年寄りをイメージしてしまい、自分もそうなる、だから歯が悪くなってもおかしくないんだと勝手に思っている人が多いんです。
── 20年間磨き方を維持しているのはすごいですね。常に伝え続けているということですね。
嶋田 筋トレは常に継続性や効率性を求めるものなので、1時間~1時間半の中で、いかに効率良く身体を動かして作っていくか考えます。例えばジムで2時間半もトレーニングをするのと、効率を考えて1時間で同じ効果が出るんだったら、1時間を選びますよね。歯磨きも、だらだら30分やる必要はありません。ちゃんとやり方を分かっていれば、約10分以内でちゃんと終わります。普段スマートフォンをいじっている時間よりも短いと思うんです。歯の場合は、先ほどの「4つの道具」を使えばいいだけなので、簡単なんです。筋トレの場合はそこはちょっと難しいですね。
── うまくやり方を覚えられない場合は先生がひたすら教えるしかないのでしょうか?
嶋田 そこは根気ですね。歯ブラシの使い方は、子どもの習い事と同じようなものなんです。最初はできなくても、磨き方を教わって練習すればどんどん上達します。大人になると、歯科医に行くことそのものに通うのが面倒になる場合が多いので、そこをうまく導入して習慣付けるのが一番難しいです。磨けるようになった人はとても歯がきれいになっていくんです。それだけ患者の皆さんが頑張って変わった結果なので、すごいなと思っています。
── 「継続」だけではなく「的確さ」も必要だ、という先ほどのお話と同じですね。
嶋田 「俺には時間がないんだ、忙しいんだ、歯磨きに時間を使えないんだ」……そう言って歯磨きの時間を捻出できないのであれば、それで話は終わりです。筋トレも同じです。「時間がない、だけど身体を変えたい」ではまったく話が進まないですよね。
■ 「斜め45度を攻める」嶋田先生の、ドルツ新製品の感想は?
── それでは、9月に発売されたばかりのドルツ新製品をお試しいただきます。普段の歯磨き指導は手で磨くのが前提かと思いますが、「ドルツ」のような電動歯ブラシの使用についてはどうお考えでしょうか。
嶋田 全然問題ないと思いますよ。やっぱり汚れがよく取れますね。僕は朝と夜には自宅でドルツを使い、昼は院内で手磨きをしています。斜め45度に歯ブラシを当てるバス法の磨き方が分かっていれば、患者さんは自宅でドルツを使うだけで再現できます。逆に、的確な角度でなければ何を使っても意味がないですね。奥歯であれば、磨きにくいところ専用のブラシに替えて磨きます。
── 前歯でも奥歯でも斜め45度なんですね。
嶋田 とにかく斜め45度です。
── ご自宅でドルツを使うようになったのはいつからですか?
嶋田 3年前くらいからですね。それまでは使ったことがなくて、試しに使ってみたらよかったので、今も使っています。極細毛ブラシが使いやすいんですよ。
── 以前は磨き方として「タテ磨き」が主流で、今はそうではないと聞いたのですが……。
嶋田 タテ磨きだと、磨くのは歯の「面」になるんです。「面」ばかり磨いてしまうと、傷が付きやすくなります。傷が付くと、そこに茶渋などが入り込んでしまいます。ヨコ磨きで「斜め45度で攻めていく」形ですね。
── 斜め45度を「攻める」には?
嶋田 まず、歯ブラシで斜め45度を保つのが大事です。僕はヨコ磨きしか伝えていませんが、歯科医院の先生によっては違うかもしれません。斜め45度を堅守するには細いブラシじゃないとたぶん難しいです。ヘッドを買う場合は小さめの方がいいですね。ドルツのヘッドはどれも小さいですが、歯周ポケットの汚れを取るには、ラインアップの中ではやはり極細毛ブラシが良いと思います。
── 先生の普段の使い方を見せてください!
嶋田 (ドルツ新製品本体に極細毛ブラシをセットしながら)僕は基本的に歯みがき粉は付けないですね。その一つの理由としては、研磨剤が入っていると歯の表面に傷が付きやすいので。もし使うなら研磨剤なし。あとは、清涼感で錯覚してしまって「ああすっきりした」って思ってしまうんですよね。
── 今、私たちは正しい斜め45度の磨き方を見ている……!
嶋田 今使っているドルツよりもパワーが強くなっていますね。全然違います。これであれば歯周ポケットに入ると思います。あっ、モードがいろいろ違うんですね。
── モードはケアの方法に合わせて5つから選べます。今お使いの極細毛ブラシの他に、ステインオフブラシ、ステインオフブラシの背面にある舌ケアブラシ、歯ぐきケア用のシリコンブラシなど、全部で6つのブラシがあります。
嶋田 背面が舌ブラシになっているんだ。面白いですね。いろいろ考えて作られているんだなって思いました。
── ポイント磨きブラシはいかがですか?
嶋田 歯間のここを取ろうとするんだ。なるほど、こういうことか。歯並びが悪い人にはいいですね。段差があるところにこれを当てて磨くといいと思いますよ。
── アタッチメントを使った瞬間に意図がすぐ分かるのがやはり歯のプロですね……。一通り試しての使用感をお聞かせください!
嶋田 毎日使う定番のものとしては、極細毛ブラシが一番適していますね。自分で取れる汚れは自分で取って、取れない汚れはプロに任せるというのが良いやり方なんじゃないかなと思います。取り切れない歯の汚れはどうしてもあるので、そこは歯医者に相談して、取り切れていない部分の専門的なケアをする。自分でできるところは自分で継続していくのが大事です。
■ 楽しいことは続けられる。だから「歯磨きは楽しい」にしたい
── お話を伺っていると、継続することの難しさが身にしみます。
嶋田 歯がなくても、筋肉がなくても、生きていくことはできます。ただ「それで困るのは誰?」ということです。筋肉がなくても格好良いと思う人はいると思いますが、笑った瞬間に歯が虫歯だらけで格好良いって思う人はあんまりいないんじゃないかな。でもそれはその人の選択肢で、誰かが批判するものではない、その人の価値観・生き方です。
嶋田 人は絶対に死にます。そして人生の最後にはだいたい、食欲が残ります。歯は大事にすればちゃんともちますから、健康な歯で好きなもの、食べたいものを食べて楽しめます。筋トレはまあ……やらなくてもいいんじゃないですか(笑)。別に腹筋を割らなくても生きていけるけど、食べることは必要ですよね。そして、楽しくないことの継続は難しいですが、楽しいことなら続けられます。だから、僕は「歯磨きは楽しい」という方向に持っていきたいんです。
── 最後に、歯のケアについて一言お願いします。
嶋田 食べ物を食べた後にずっとしゃべっていると、口の中が気持ち悪い状態になります。メカニズムとしては、食べかすが口の中に残っていて、ばい菌がどんどん発生していきますよね。しゃべっていると水分が失われて、さらに菌が増える。自分の身体のパーツの中で菌が増えている。そして口の中は酸性になるので、酸が出る。その酸で歯の表面がぼろぼろになっていく──というのを想像すると、すごくむかつくんですよ(笑)。なんでこんなものごときに自分の身体をおかしくされるのか! そこで、「汚れを取る……気持ちいい……最高……!!」これですよ。「やらないと気持ち悪い」という方向に、患者さんへ伝えていくようにしたいです。
── ありがとうございました!