【ニューデリー=黒沼勇史】インド洋の島国モルディブで23日、5年に一度の大統領選があり、最大野党モルディブ民主党(MDP)のベテラン政治家で、野党連合の統一候補のイブラヒム・モハメド・ソリ氏(54)が、現職のアブドラ・ヤミーン氏(59)を下し、勝利したもようだ。
大統領選はソリ氏とヤミーン氏の一騎打ちだった。選挙管理委員会は確報値を公表していないが、複数の地元メディアの集計によると、ソリ氏の得票率は58%程度に達し、ヤミーン氏の約42%を上回った。ソリ氏は現地時間24日午前0時半(日本時間同日午前4時半)ごろ、自身の選挙事務所で「幸せの瞬間、希望の瞬間、歴史的な瞬間が訪れた」と勝利宣言した。
ヤミーン氏は2013年の就任以降、中国から多額の投融資を受け、橋梁や住宅を建設するなど、経済・安全保障面で中国への依存度を高めていた。再選すれば、地政学的な要衝であるモルディブの対中接近が一段と進み、インド洋を自国の影響圏とみなすインドを刺激するとみられていた。
一方、MDPは同党総裁で元大統領のナシード氏の立候補を選管が認めなかったため、急きょ6月末にソリ氏を候補に指名した。MDPは他の野党3党と組み、ヤミーン氏の強権政治を批判し票を伸ばした。
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