イメージセンサーに APS-C を搭載したコンパクトカメラで世界最小の『GR』。
初代 GR DIGITAL は、単焦点の広角レンズを売りに機能を絞りこみ、徹底的な画質追求をしたマニアックなカメラ。そこから世代を重ねるごとに機能は多様化し、いつのまにかプレミアムコンパクトと変化してきました。
しかし、どんなにアップデートされても画質優先と小型軽量という至上コンセプトは、フィルム時代から一切ブレていない素晴らしいカメラです。
その GR の新型が2018年秋に登場します!
- ▼目次
- 新型 GR は『GR-E』か?
- RICOH GR 再発進の告知
- RICOH カメラ事業の撤退
- GR meet
- GR のブランド名は『PENTAX』
- 名機 GR の歴史
- 遂にフォトキナ発表か
- 新型 GR イベント9月29日開催
新型 GR は『GR-E』か?
DPReview の公開情報交換会で RICOH(リコー)カメラの情報が上がりました。内容のひとつに特別な性能を持たせた GR の話題がでており、新型 GR の開発が行なわれているとコメントされています。
この GR は『GR-E』と呼ばれており、アルファベットの『E』は『Extreme』を指しています。
このイベントで上がった GR-E の噂されるスペックをならべると
- イメージセンサー:36 MP 曲面型センサー
- サイズ:122.0 x 64.7 x 39.8 mm
- 搭載レンズ:28 mm F2.4(沈胴式ではない)
- 最高感度:ISO 51200
- 新設計のバッテリー
- 2018年春か夏頃の早い時期に発表される予定
- 価格:1800ドルほど
この GR-E の仕様では、イメージセンサーが 3600万画素と高画素な設計になっており最高感度も高いため、フルサイズイメージセンサー可能性が高い。さらにセンサーユニットの設計が曲面型センサーとなっており注目です。
意外なのがカメラのボディサイズの寸法が、かなり細かい数値まで情報が出ているところです。もしかしたら、新型 GR の開発は試作機テストの段階まで進んでいるかもしれません。
もうひとつは販売価格で、フルサイズイメージセンサー搭載モデルとしては 販売価格が1800ドルほどであれば SONY Cyber Shot RX1R II よりリーズナブルな価格設定になります。
RICOH GR 再発進の告知
リコーが、プレミアムコンパクトカメラ『GR』シリーズの公式 Facebook にて『RICOH GR 再発進』のアナウンスをしました。
この告知では、2018年の GR 再発進のために立ち上げた新しいウェブサイト『GR official』が2018年4月よりスタートすることや、GR 公式の Facebook も始めたことをアピールしています。
ここまで新たなスタートラインを引いてアナウンスしている以上、2018年内に GR II の後継機となる新型 GR III の登場は間違いないでしょう。おそらく、9月ドイツで開催される『Photokina(フォトキナ)』で発表される可能性が高いでしょう。
RICOH カメラ事業の撤退
2018年4月の情報で、RICOH(リコー)が一般個人向けのカメラ事業から撤退する情報が流れ、多くのリコーユーザーに衝撃が走りました。
リコーは、すぐさまカメラ撤退報道を否定。リコーの今後の方針としては PENTAX や GR といった高付加価値製品や、360度カメラ THETA などの製品開発に事業を集中させるというものでした。
実際のところ PENTAX K-3 II の後継機や関連する交換レンズに、新型 GR III の開発プロジェクトなどは製品化に近い段階まで進んでいるため、まったくあり得ない情報です。
現在のカメラ市場は、とくにコンパクトカメラ部門の売上げが厳しいため、大手カメラメーカーの市場撤退はめずらしくありません。また今後は、一眼レフカメラの販売数や利益も下がっていくことは間違いないため、経営状態が悪化する前に、収益が上がらないラインナップを整理することは企業としては当然でしょう。
リコーのカメラファンやユーザーの方々は安心して PENTAX / RICOH の新型カメラに期待してください。
GR meet
RICOH(リコーイメージング)は、GR ユーザーのなかから抽選で100名を招待したイベント『GR meet』を2018年4月21日に開催しました。これは、今年発売される新しい GR と関連するイベント。
2018年3月に『GR 再発進』のアナウンスをした後なので、このイベントでは何らかのサプライズ発表があるのか、ファンの間では期待がふくらんだ催しなのです。
で、答えを先に言ってしまうと、このイベントで新型 GR についてのサプライズ発表はなく、リコーイメージングの野口智弘氏からは「今回はGR再始動の第一歩となる最初のイベント。今日を皮切りに、いろいろ展開していきたい」と挨拶が述べられました。
ということで『GR meet』は、GR シリーズを愛してやまない写真愛好家とメーカー担当者の純粋なつどいでした。
イベントには、写真家のであり濃い GR ファンでもある田中長徳氏をはじめ、フォトグラファーの内田ユキオ氏、中藤毅彦氏、金村修氏、安達ロベルト氏、こばやしかをる氏が参加する豪華な顔ぶれ。
会場では、彼らが歴代 GR で撮影した写真を観賞しながらワークショップが行なわれ、イベントの締めくくりには登壇者のフォトセッションと、参加者との交流会で締めくくられました。
GR のブランド名は『PENTAX』
発売日も気になりますが、採用されるイメージセンサーのサイズも気になる GR ですが、新たな情報が上がっています。
それは、GR のブランド名が『RICOH(リコー)』から『PENTAX(ペンタックス)』へ変更されると言うことです。これは、カメラブランド名として PENTAX が世界的に広く浸透しているため、新製品のアピールのしやすさや費用対効果が高いと判断したからだと思っています。
ということで、今後発売される GR は『PENTAX GR』と呼ばれます。長年の RICOH GR ユーザーには違和感ありでしょうか?
ちなみに、フルサイズのイメージセンサーを搭載する新型 GR については、写真家の田中長徳氏からは否定的なコメントもなく、フルフレームセンサーが採用されるかどうかは不透明な状態です。また噂される販売価格1600ドルについてもスルーされているので期待が持てるかもしれません。
ただし、撮影の仕事が雑誌やウェブ掲載のばあい、フルサイズイメージセンサーの必要性はないとコメントされています。
私的な意見:
個人的には、販売価格が高額になったりボディサイズが大きく重くなるくらいなら、イメージセンサーのサイズは APS-C のままが良いと思っています。たしかにフルサイズイメージセンサーの方が一台あたりの収益は上がりますが、あとは販売台数の伸び次第でしょうか。
イメージセンサー、ファインダー、防塵防滴仕様など気になるところが多いですが、いずれにしても新製品の PENTAX GR の発表が楽しみです。
名機 GR の歴史
銀塩フィルム時代、コンパクトカメラながら高画質を追求したレンズユニットを搭載した『GR』は、発売当初から名機と言われ、プロカメラマンやハイエンドユーザーが愛用。多くの支持を集めた GR は、のちにバリエーションを増やし数々の高性能モデルを発売しました。
デジタルへ変革した GR
そんな GR も時代の移り変わりで、フィルムからデジタルデータで撮影するカメラとして『GR DIGITAL』が〈2005年10月21日〉にデビュー。
ほとんどのコンパクトデジタルカメラがズームレンズを採用するなか GR DIGITAL は銀塩フィルム時代と同じく、35mmフィルム換算で画角〈28 mm〉相当のレンズを搭載。さらに絞りは7枚羽根絞り、筐体にはマグネシウム合金を採用するなど、2005年当時のコンパクトデジタルカメラとしては異例な構成・仕様でした。
GR DIGITAL の後継機はリファインやアップデートを繰り返し、シリーズモデルは4代目まで発売されました。
大型センサーの GR
その後、イメージセンサーのサイズを APS-C へ変更した『GR』が〈2013年4月17日〉に発売。
イメージセンサーは大型化されましたが、ボディサイズの小型軽量化は引き続き設計に反映され、とくに筐体の薄さは特筆するもので写真愛好家の注目を集めました。
GR に搭載されるレンズの画角は 35 mmフィルム換算で〈28 mm〉相当と、前シリーズである GR DIGITAL と同等。レンズ構成は非球面レンズ2枚を含む5群7枚。新規設計により小型化と高性能化を両立をはたしている。
さらに画質を追求した設計・製造の GR レンズは、画像エンジンによる歪曲補正を GR DIGITAL 同様に行なわない優れたレンズユニットです。
GR II
イメージセンサーを大型化した第5世代モデル GR の発売から2年3ヶ月たった〈2015年7月17日〉に後継機『GR II』を発売。
GR II は先代モデルからのマイナーチェンジモデルであり、大幅な変更はありません。新機能として Wi-Fi 機能搭載されたのが主な変更点。スマートフォンとの連携や各種設定を可能にしています。
その他には、写真撮影の新機能にホワイトバランス拡張機能として CTE(Color Temperature Enhancement)が搭載され、さらに新エフェクトモードが追加されました。
遂にフォトキナ発表か
海外の情報筋から、RICOH(PENTAX)が何らかの商品を Fotokina(フォトキナ)で発表するという情報をつかんだようです。
フォトキナは、ドイツのケルンメッセで開催される世界最大のカメライベントで、2018年の開催は〈9月26日〜29日〉。
PENTAX(ペンタックス)は注目のフルサイズイメージセンサーを搭載した一眼レフカメラ『PENTAX K-1 Mark II』を〈2018年4月〉にリリースしており、現在のところ新しいカメラボディを近日発表する予定はなく、あるとすれば新しいレンズをアナウンスすることです。しかし、新レンズ1〜2本だけをフォトキナで発表するだけでは役不足です。
そうなってくると期待できるのは『PENTAX GR』です。
現在のところ、新型 GR の概要はまだハッキリとしていません。すでにフォトキナ開催まで1ヶ月を切っているので、そろそろ何らかの新しい情報が出てくる可能性も高いです。
新型 GR で気になるのが、従来のコンセプトである薄型軽量を守り続けるのか? それともフルサイズイメージセンサーや EVF(電子ビューファインダー)を搭載して筐体を大きくさせるのか? というところです。
GR は、長年コンセプトを変えずにユーザーに支持されているカメラ。そのコンセプトを守りながら「インパクトある新しい GR」を出すとすれば、以下の仕様が「あるかも?」と思っています。
- フルサイズイメージセンサー搭載
- 単焦点レンズ:焦点〈28 mm〉
- EVF レス(電子ビューファインダー無し)
- IBIS(センサーシフト式手振れ補正)
- クロップ機能(画角:35mm / 50 mm)
- タッチパネル対応・可動式背面液晶モニター
- 動画撮影:Full HD 60p
- 防塵防滴シーリング
- Wi-Fi ・Bluetooth 機能搭載
GR ユーザーが一番気になる装備は「フルサイズイメージセンサーを搭載するか?」というところでしょう。また、ファインダーを搭載しないならセンサーシフト式手振れ補正は欲しいところですが、ボディサイズ的に微妙。可動式背面液晶モニターは、ボディの厚みが確実に増えるため採用しない可能性は高そう。
また逆に考えると、フルサイズイメージセンサーを搭載しないなら、センサーシフト式手振れ補正、可動式背面液晶モニターは搭載できそうです。個人的には、フルサイズセンサーより他の機能が欲しいです。とくに防塵防滴シーリングは必須と思ってます。
新型 GR イベント9月29日開催
いよいよ RICOH GR II の後継機、新型の『PENTAX GR III』の発表が迫ってきました。
アナログ(銀塩フィルム)時代から、小型スリム軽量ボディに画面隅まで高画質なレンズを搭載した RICOH GR は、多くの写真愛好家を虜にし、さらにプロユーザーからも信頼出来るサブ機として活躍。実祭に商業誌の素材画像として使われるほどのクオリティでした。
アナログ時代でも多くのラインナップを重ねた GR は、コンセプトも受け継がれながらもデジタル時代へとシフト。現在でも高性能レンズに APS-C イメージセンサーを搭載した2型目が活躍しています。
さて、多くの写真愛好家ならびに GR ユーザー注目の New GR の公式発表日は、以前からの情報通りドイツのケルンメッセで開催される Fotokina(フォトキナ)の最終日〈2018年9月29日〉に決定。この日、フォトキナ会場に設置されたリコーブースでは『1st GRmany Meet&Greet』と称された、第一回 新型 GR ミーティングと発表イベントを併せて開催します。
このイベントには世界中の GR フォトグラファや写真編集関係者が出席。さらに、日本の GR 開発チームと協力関係者も来場。また、一般のGR ユーザー(アナログ時代も含む)の参加もつどっています。
新型 GR ミーティングは、ケルンメッセ・ホール 2.2・スタンド A041 で行われ、開催時間は〈午前10時〜午後6時〉まで開催されます。