宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」の投下した探査ロボット2台が小惑星「りゅうぐう」に着陸したと発表した。りゅうぐうから送ってきた画像には、がれきや砂で覆われた地表面がどこまでも続く景色が写っていた。はやぶさ2も10月下旬の着陸を目指しており、生命誕生の謎に迫るりゅうぐうの本格調査へ期待が高まっている。
地球から3億キロメートル離れた直径900メートルの小惑星に、直径18センチメートル、高さ7センチメートルの小型ロボット2台が降り立った。
津田雄一プロジェクトマネージャは「小惑星の表面を移動しての探査は世界で初めてでうれしいのひと言だ。新たな宇宙探査の実現に『はやぶさ2』が貢献できたことを誇りに思う」とのコメントを発表した。
先代の「はやぶさ」は2005年に小惑星「イトカワ」への探査ロボット投入に失敗した。はやぶさ2のプロジェクトチームは自動制御技術をさらに追究し、13年ぶりの再挑戦に成功した。
2台は、はやぶさ2から離れた21日午後に着陸したとみられていたが、プロジェクトチームが確認作業を進めていた。いずれも正常という。
小惑星は赤道での重力が地球の8万分の1程度と小さい。車輪で走ると空回りするため、探査ロボットはバッタのように跳びはねて進む。内蔵のモーターで勢いをつけ、15メートル先まで跳ぶ。滞空時間は最長15分に達する。
すでに探査を始めており、跳び上がってごつごつした地表面を見下ろしたような画像を送ってきた。着陸直前のりゅうぐうの画像もとらえていた。
りゅうぐうは予想外に岩石が多く、はやぶさ2の着陸は簡単ではない。10月にも別の探査ロボットを下ろし、地表の情報を集める。
はやぶさ2は10月下旬から3度の着陸で、生命の起源を解明する手がかりとなる有機物などを含む岩石を採取する。19年末にりゅうぐうを離れ、20年末に地球へ持ち帰る予定だ。
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