筆者は仕事柄、外出先で作業をすることが多い。記事の作成・更新や画像のアップロード・ダウンロードをする際にはインターネットが欠かせない。
それゆえに、公衆Wi-Fi(無線LAN)を使う機会も多い。とりわけ、使える場所の多いNTTドコモの「docomo Wi-Fi」は利用頻度が高い。
docomo Wi-FiをWindows PCで使う場合、アクセスポイントにつないで、Webブラウザを開いて、IDとパスワードを入力して……とやっている人も少なくないと思うが、少し設定をするだけで自動的にログインできる。また、公式にはアナウンスされていないが、モバイル通信できるPCなら「SIM認証」を利用できる可能性がある。
この記事では、Windows 10をインストール済みのPCでdocomo Wi-Fiに自動接続する方法と、その注意点を簡単にまとめる。
docomo Wi-Fiには3種類のアクセスポイント名(SSID)があり、それぞれ通信の暗号化方法と認証方法が異なる。
これらのうち、今回説明する自動接続に対応するのは「0001docomo」というSSID。このSSIDは駅構内やコンビニエンスストアなど、設置場所が固定されている(=移動しない)スポットはおおむね対応している。
0001docomoにおける自動接続は「事前に接続情報を入力する方法」が原則だが、一定の条件が整えば「SIMカードを使ってログインする方法」が使える可能性がある。
まず、0001docomoの接続情報を事前に入力しておくことで自動接続する方法を紹介する。
まず、使うPCで事前準備をする。コントロールパネルを開き、「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」→「新しい接続またはネットワークのセットアップ」と進み、セットアップウィザード(対話画面)が起動したら以下の手順で設定を行う。
以下の手順は、必要最低限のものです。うまくつながらない場合は、以下のURLで掲載されている詳細な手順(PDFファイル)を参照してください。
※1 IDの後ろには必ず「@docomo」を付ける(例:IDが“abcde”の場合、ユーザー名には「abcde@docomo」を入力)。ただし、「docomo Wi-Fi ISPオプション」のIDを使う場合、IDに「-spmode」(spモードに付帯している場合)または「-mopera」(mopera Uに付帯している場合)を付加する(例:IDが“fghij”のspモードに付帯するISPオプション利用者は、ユーザー名に「fghij-spmode@docomo」と入力)
若干長くなったが、事前準備はこれで完了だ。
設定に誤りがなければ、「0001docomo」のあるスポットでこのSSIDを選ぶと、インターネットにWeb認証を省略して接続できる。もしも接続できない場合は、設定内容に誤りがないかどうか確認しよう。
次に、SIM認証を利用して接続する方法を紹介する。
SIM認証を利用するには、以下の3条件を“全て”満たす必要がある。
※2 月額300円(税別)のオプション料金が必要。ただし、一定条件を満たすと永年無料となる(参考リンク)
条件を満たしたPCでは接続手順がここまで簡略化される。
SIM認証を使う場合は、docomo Wi-Fiで接続したい当該PCに、spモードまたはmopera Uと、docomo Wi-Fi ISPオプションを契約してあるSIMカードを挿しておく必要がある。SIMを認証キーとして使うので当然といえば当然だが、モバイル通信モジュールがSIMカードにアクセスできる状態であれば「携帯ネットワーク」はオフでも構わない。
非常に楽で誰にでもオススメしたい……ところだが、この方法はドコモが公式に認めているものではない。
同社がSIM認証を公式にサポートしているのは「2013-2014冬春モデル以降のドコモスマートフォン/ドコモタブレット/モバイルルーター」「2016冬モデル以降のドコモケータイ」「iPhone/iPad」のみ。Windows 10 PCでの利用は保証していないのだ。
筆者が試した限り、以下のLTEモジュール内蔵PCでSIM認証が利用できることを確認できた。
また、先述の通り、SIM認証はモバイル通信モジュールがSIMカードにアクセスできる状態でないと利用できない。電源オンやスリープ解除の直後など、モバイル通信モジュールが無効、または認識されていない状態だと接続できない(SIMカードのPIN未入力時を含む)ので注意が必要だ。
SIM認証は非常に簡便ではあるものの、利用はユーザーの責任となる点が現時点では「痛しかゆし」だ。Windows 10 PCでの利用を公式サポートしてもらいたいと思う。
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