劉備は、江東で美女の計を受けてから、堕落しきってしまいました。趙雲はそれを諫めようとしたら、荊州へ追い返されてしまうのです。諸葛亮は、趙雲の不手際を責めて棒叩きの刑にしますが、それには深い理由があったので、詳しく紹介しましょう。
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『第55話 計りて虎穴を脱する』のキャスト
『第55話 計りて虎穴を脱する』に登場した人物や声優さんたちは、以下の通りです。
- 孫権(呉)/劉備の行いに激怒する呉侯(声:咲野俊介)
- 呉国太(呉)/娘との別れを悲しむ孫権の義母(声:久保田民絵)
- 孫小妹(呉)/劉備に尽くそうとする妻(声:中村千絵)
- 周瑜(呉)/荊州の内紛を画策する大都督(声:小山力也)
- 呂蒙(呉)/劉備の堕落ぶりを報告する将軍(声:成田剣)
- 劉備(荊州)/美女の計で堕落する皇叔(声:家中宏)
- 諸葛亮(荊州)/趙雲を叱責する軍師(声:堀内賢雄)
- 馬謖(荊州)/諸葛亮を心配する文官(声:横島亘)
- 関羽(荊州)/諸葛亮の心底を疑う将軍(声:田中正彦)
- 張飛(荊州)/諸葛亮に無礼を働く将軍(声:天田益男)
- 趙雲(荊州)/棒叩きされる将軍(声:遊佐浩二)
- 孫乾(荊州)/変わりはてた主君に絶句する文官(声:林和良)
『第55話 計りて虎穴を脱する』のストーリー
東府では、劉備が美女たちの舞を見て、満悦感にひたっていました。そこへ孫乾が、江東の者が2万もの大金を持ってきた事を伝えたら「料理人も増えた、それでは足りぬ」と言って、さらに持ってこさせるように命令して、孫乾は絶句しながら、何とか「御意」と退がっていくのです。
虎穴に入った劉備(起)
孫乾は、趙雲に「主君は人が変わってしまわれたようだ」と危惧して、趙雲も「まこと、その通り」と嘆くばかりでした。所が、孫乾が「もう年の瀬、いつ城へ戻れる事やら」とつぶやいたら、趙雲は「年の暮れ?忘れる所だった!」と諸葛亮から授かった手紙を思い出して、その文面を急いで読み始めます。
趙雲は、早急に劉備の御前に出向き、何と美女を追いやり、楽器を叩きつけたのです。劉備は「趙雲よ、何用だ?」と尋ねたら「主君は変わられました。享楽(快楽を味わう事)をふけ、漢の中興をお忘れになったのですか」と忠言したら「この無礼者!今までの忠義に免じて、罰しないが荊州へ戻れ」と激怒されるのです。
趙雲は部下たちによって、屋敷から連れていかれて荊州へ戻る事を余儀なくされました。その頃、呂蒙が周瑜に「劉備が堕落して、諫めようとした趙雲を荊州へ戻したとの事」と報告。それを聞いた周瑜は「それは良い、荊州の者たちが堕落した劉備の事を知ったら士気は下がる」とほくそ笑みます。
荊州で内紛の危機(承)
荊州へ戻った趙雲は、諸葛亮から、主君を守る役目を忘れて戻ってきた事を咎められて、棒叩きの刑に処されました。 そして諸葛亮の元へ戻った所で、関羽や張飛たちに、主君が堕落してしまった事を伝えるのです。
張飛は「信じられぬ」と絶句してしまって、関羽は「美女の計にやられたのだ、今すぐ救出に向かわねば」と危惧します。しかし、諸葛亮は「我々は荊州を守る事で精一杯。しかも曹操は虎視眈々と荊州を狙っている」と出撃を許しません。これに関羽は、諸葛亮が荊州を乗っ取るのではないかと疑い始めます。
それを感じた趙雲は「今は一致団結しなければならぬ時、私は棒で叩かれて目が覚めました。もう一度、主君の元へ向かいます」と戻っていくのです。江東では、荊州で内紛の危機が起きつつある事を聞いた周瑜が「諸葛亮が江東と手を組んでいると噂を流せ」と命令。
趙雲が棒叩きの刑に処された真の理由(転)
趙雲は、夜中に劉備のもとへ赴き、諸葛亮の手紙を密かに渡しました。そこには、劉備が美女の計で堕落したふりをしている間に、兵士や兵糧が増えてきた事が記されていたのです。劉備は「棒で叩かれた所は痛むか?」と心配しますが「軍師殿は手加減されました」と言うのです。
実は、趙雲を棒叩きにしたのは周瑜を欺くためで、劉備は完全に美女の計で踊らされていた訳ではなかったのです。そして周瑜を欺いている間に、荊州は十分な戦力を整えられましたが、諸葛亮と関羽・張飛の間で内紛が起きつつある事を知った劉備は「懸念していた通りであった」と嘆きます。
そこで、劉備は密かに、孫小妹に向かって荊州へ戻る事を伝えます。所が、孫小妹は「私は劉玄徳の妻、共に荊州へ向かいます」と言うのです。孫小妹は、母の呉国太に「夫の父の命日が明日なので、川岸まで出向いて、父が眠る方角へ向かって祈らせて下さい」とお願いします。それを聞いた呉国太は全てを悟り、城を出る事を許します。
虎穴を脱しようとする劉備(結)
呉国太は、密かに周泰を呼んで「そなたに頼みたい事があります」と密命を下します。その頃、荊州では張飛が諸葛亮に対して「そなたは諸葛均と通じているのだろう」と、周瑜が広めた噂を信じて、諸葛亮の机を放り投げて内紛寸前に陥っていました。その張飛の無礼な行動に思わず諸葛亮も感情的になってしまい、馬謖に心を鎮めるように忠言されます。
江東では、呉国太が盛大を酒宴を開いて、孫権は思わず酔いつぶれてしまうのです。それを見計らったかように劉備は、馬車で屋敷を出ますが、呂蒙の部下に見られてしまいます。呂蒙は、その報告を受けたので、張昭に相談しますが、孫権は酔いつぶれていたので、報告できずに時が過ぎていきました。
孫権が目覚めた時に、ようやく張昭が事の経緯を説明したら「なぜ、もっと早く言わなかった」と激怒します。そこで、孫権は「周泰と蒋欽に兵500を率いて、引きずり戻せ」と厳命。はたして、劉備たちは、どうなってしまうのでしょうか?
答えを知りたい方はネタバレをクリック [ネタバレ]
『第55話 計りて虎穴を脱する』のまとめ
動画配信U-NEXTで見られる『第55話 計りて虎穴を脱する』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい(本ページの情報は2018年9月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください)。
三国志の名言『美女の計』
劉備が、骨抜きになりそうになって、関羽が『美女の計』を見破りますが、この美女の計は『美人の計』とも言われています。かつて、越王の勾践も美人の計を使った事がありました。この勾践は力づくで呉に従わされて、復讐したかったのですが力では叶わないので、美女を送って呉王の夫差を油断させます。
そして、呉の夫差は美人の計で骨抜きにされて家臣の言葉にもあまり耳を傾けなくなった所で、勾践は呉を滅ぼすのです。この夫差は、孫権とは全く違う一族ですが、皮肉にも、呉は美女の計に2度も痛い思いをした事が分かりますね。
『第55話 計りて虎穴を脱する』の残念な所
劉備が、美人の計で堕落しますが、どこの部分から堕落した振りをしていたのか、ハッキリとしません。恐らく、趙雲が手紙を読み始めた所で、密かに主君に忠言したのかもしれませんね。
その辺りが少し曖昧になっていたので、そこはもう少し丁寧に描いたほうが良かったのではないかなと思いました。
『第55話 計りて虎穴を脱する』の見所
諸葛亮は、張飛の無礼に思わず感情的になりますが、そうさせたのは周瑜の計でした。ここでも周瑜と諸葛亮の頭脳戦が激しく行われていて、現代風で言わしてもらえれば呉と荊州の冷戦は始まっていたのです。
この冷戦は、しばらく続いて小競り合いは数回行われますが、本格的な戦が起こる伏線にもなります。その本格的な戦を起こすのが呂蒙であって、何回も歯がゆい思いをしていて、その感情が孫権と劉備の亀裂を生じさせる事になります。