探査機「はやぶさ2」 、リュウグウに探査ロボット着陸成功 

A picture of the asteroid taken by a robot rover and tweeted by a JAXA account. Image copyright Twitter/HAYABUSA2@JAXA
Image caption ローバーが撮影したリュウグウの地表面

日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が分離した探査ロボット「ミネルバII-1」が小惑星「リュウグウ」に着陸したと発表した。

2台の探査ロボット「ローバー1A」と「ローバー2A」から成るミネルバII-1は日本時間21日午後にはやぶさ2から分離し、着陸した。

幅1キロのリュウグウでは重力が小さいため、探査ロボットは地表を飛び跳ねて移動できる。気温や地表の様子などを観察する。

JAXAは22日、ローバーは「両方とも状態は正常」だと報告した。

Presentational white space

また、ローバーが撮影し、はやぶさ2を通じて地球に送られてきた画像も公開した。

Presentational white space
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はやぶさ2は今年6月、3年半の航行の末にリュウグウに到着していた。

初の小惑星着陸

欧州宇宙機関(ESA)は2014年11月に、チュリュモフ・ゲラシメンコすい星に無人探査機を着陸させているが、はやぶさ2は小惑星にローバーを着陸させた初の事例となる。

小惑星は、46億年前に太陽系が形成されたときの残骸で、リュウグウは特に古い部類に入る。リュウグウを研究することで、地球の起源や進化が解明できると期待されている。

Ryugu Image copyright JAXA, Uni Tokyo & collaborators
Image caption 小惑星リュウグウ(確定番号162173)
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どのように着陸した?

はやぶさ2は20日午後1時半ごろから、ミネルバII-1の分離に向けてリュウグウの地表へ降下し始めた。

合わせて重さ3.3キロの2台のローバーはドラム型のコンテナに格納され、「母艦」の底に設置してあった。

21日に高度60メートルまで接近した時点で、2台のロボットが分離された。

JAXAは、コンテナの正面が宇宙空間に放たれた後に2台のローバーが分離され、それぞれリュウグウの地表に落ちていくと説明した。

Minerva II-1 Image copyright JAXA
Image caption 今回着陸に成功したミネルバ II-1

ただリュウグウの地表は岩石に覆われて平面が少なく、想定以上に起伏が激しかったため、ローバー展開の大きな懸念となっていた。

ローバーの役割は?

ローバーは広角カメラとステレオカメラを搭載しており、画像を送信する。また、ローバーの周囲に取り付けられた背骨のような突起はセンサーになっていて、リュウグウの地表温度を測定する。

またモーターで回転する内蔵ローターによって、地表を跳ねて移動できる。

ダイヤモンド型のリュウグウの地表面は黒色で、自転周期は7.5時間。

サンプルの採取はいつ?

はやぶさ2は10月3日に探査ロボット「マスコット」を展開する。マスコットはドイツ航空宇宙センター(DLR)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)が共同で開発した。

その後10月末に、はやぶさ2自身がリュウグウに着陸し、岩石や土を採取する。

Hayabusa 2 Image copyright JAXA / Akihiro Ikeshita
Image caption 探査計画の後半で、はやぶさ2は発射体を使って変質していない試料を地中から掘り出す予定だ

さらにその後の探査では、JAXAはリュウグウ表面に小型クレーターを作るため、爆発物の点火を計画している。

何十億年も宇宙の環境に露出され変質している地表とは異なる、変化が起きていない岩石を収集するため、はやぶさ2は爆発発生後にクレーター内に降下する予定だ。

収集されたサンプルはその後、実験室での研究のため、地球に持ち帰られる。

はやぶさ2は小惑星の試料を積んで2019年12月にリュウグウを出発し、2020年に地球へ戻る想定となっている。

(英語記事 Japan's rovers send pictures from asteroid

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