フェスも続々開催、「パンブーム」の新潮流

金額でコメを抜いたパン業界が向かう先

横浜で年2回開催される「パンのフェス」は日本で一番パンが売れるイベントだ(記者撮影)

「日本で一番パンが売れる3日間」が幕を閉じた。9月15日から17日まで、横浜赤レンガ倉庫のイベント広場で開催された「パンのフェス」だ。

開催初日の15日、朝から場内はパン好きの参加者でごった返した。横浜という場所柄、周辺でのショッピングついでに立ち寄った女性グループや家族、デートで訪れたカップルが多く訪れた。

この日は雨が降るなど、天気は終始さえなかったが、3万人が来場。3日間の累計来場者数は13万1000人。60のブースで販売されたパンの数は約1100種類、20万個を超えた。

10万人を動員するパンフェスの凄み

「パンのフェス」を主催するのはチケット販売大手のぴあと、パンに関する知識検定「パンシェルジュ検定」を運営する出版取次の日本出版販売。ぴあの幅野裕貴・パンのフェス実行委員は、「1日当たりのパン販売個数では間違いなく日本最大のイベント」と豪語する。

横浜パンのフェスは、開催場所の良さに加え、「人気のパン屋であれば、全国どこのパン屋でも口説いて出店してもらっている」(幅野氏)ことも特長。普段は食べ比べられないパンが一堂に会するとあって、パン好きの心をくすぐるのだ。

赤レンガ倉庫のイベント広場では、同じイベントの開催は原則として年1回と決められている。にもかかわらず、パンのフェスは毎回10万人を軽く超える集客力の高さから、特別に年2回の開催を許可されているという。

近年は各地で肉フェスやラーメンフェスが続々と開催されて話題になるなど、「食のフェス」がブームだ。その中でも、パンは種類が豊富で、値段も1つ数百円と比較的安いため多くのパンが楽しめ、フェス向きの食べ物だと言える。

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  • NO NAME604d2d9ba64c
    日本の食事はご飯に味噌汁に焼き魚と朝から火を使うものが多いが、共働き家庭にとっては調理にかかる家事負担が大きすぎる
    食事の簡素化は米離れ・パン主流化を促している大きな要因のひとつだろう
    up9
    down1
    2018/9/24 06:47
  • NO NAME068f2d086be4
    ホームベーカリーから流れが変わったのでは?
    あれを使って自宅で作ると、どうでもないパンでも自分が作って、温かいうちに食べれば1.5倍ぐらい美味しい。
    そうすると大昔の給食で出たいたパンが食えないし、そうなると作る側も必然的においしいものを作らないと潰れるだろう。
    米はこの統計に入ってないが、例のコメ不足とタイ米を混ぜて売る米屋が淘汰される決定打になったんじゃないかな。
    それ以前は米穀通帳がなぜか生きていた時代に、標準価格米という不味いコメを高い値で売り付けていて、コシヒカリやすし米と言われたササニシキは恐ろしいほど高かったからし、事実上独占商売をしていていて、米の消費量とかで米屋が嫌味を言い出したり、家族構成を勝手に調べて子供が大学に行ったとか、嫁言ったとかペラペラしゃべっていたりしてからな。
    そら来るべくしてきた時代だろう。
    up8
    down2
    2018/9/24 10:55
  • NO NAME006f849fbacd
    朝は仕方なくパン!て人が多いのです。でも美味しいパンはあると嬉しいよね。
    お店でのパン選びはワクワクする。シンプルな食パン、コッペパンの専門店は毎日食べる人には良いでしょうね。
    でもね、夕飯がパンだったら耐えられないんだよね。夕飯が食パンなんて人もいるのかな?
    朝食が、ごはんからパンにスイッチした時はふざけんなよ!と思ったよ。
    up8
    down3
    2018/9/24 08:28
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