【コラム 撃戦記】前に出る木村VSスピードで対抗の恒成2018年9月20日 紙面から 公開練習で木村がいい仕上がりを見せた。絶対不利の予想を覆し、アウェーの敵地・中国で、王座を獲得し、防衛にも成功してボクシングに自信を深めている。スパーリングはなかったが動きは軽快だった。ファイターらしく前に出る姿勢に気持ちの強さを感じる。世界戦のすべてKOがそれを証明している。 一方の田中はスピードが信条。ボクシングのうまさで2階級制覇を達成した。今回は挑戦者としてモチベーションをつくっている。アマ経験も豊富だ。国体、インターハイとタイトルを手にしたエリート。テクニックでは木村も一目置かざるを得ないだろう。 こうなると展開は容易に読める。前に出てプレッシャーを掛けてカウンター狙いの木村に対し、田中は足で木村のパワーを拡散、多彩なパンチでカウンターを奪えるかがポイントだ。ミニマム級から階級を上げてきた田中に対し、フライ級は木村の階級。田中のパンチが通用するか試される。技術では田中がやや有利だが、双方にKOも十分ある五分五分。見応えのある試合になるだろう。 (格闘技評論家)
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