シルバーウィークにて
シルバーウィークはいかがお過ごしでしょうか。以前は長期休暇になれば、すぐにふらりと放浪の旅に出かけておりました。しかし現在の病気療養中で毎日が休日の私にとっては、どこに行っても人が多いので、遠出を差し控える時期となってしまいました。とはいえ、非常に良いお天気でしたので、プチツーリングしたり、近場で楽しんでおります。
酷暑も終わりまして、秋はやはり良いですね。バイクに乗るにも良い季節ですし、トレッキングにも虫が減り、歩きやすい気候です。
今日は明智光秀ゆかりの亀山城(京都府亀岡市)と光秀の娘で細川氏に嫁いだ細川ガラシャゆかりの勝竜寺城(京都府長岡京市)を行脚してきました。後者はいつも散歩やランニングで訪れるのですけれどね。
花鳥風月を愛でること
過去の記事でも書いたかも知れませんが、今から思えば、社会人になってからは、空の雲や季節の花々などの自然の風物、花鳥風月を愛でることを忘れていました。生き急いでいて、そんな余裕がなかったし、それほど興味もなかったように思います。病気をしてから、そういう楽しみをゆっくり満喫できるというのも皮肉です。というのも、おそらく病気がなければ、仕事人としてずっと駆け続けて、そういう余裕や楽しみを知るのは定年後だったことでしょう。そう考えれば、もしかして今の生活も、人生の先取りをしているようなもので、生き急いでいるのかも知れません。そうだとしたら、本当に老後を迎えた時にはどういうことになるのか、想像もつきませんが。
そんなわけで、今まで花を見かけて綺麗だと思う心はあっても、ほとんどそれ以上の興味を示しませんでした。今になって、いろいろな季節で色々な綺麗な植物や生物に出会って興味を持っても、名前や生態などがまったくわかりません。本などに出てくる知識として名前は知っていても、それがどんなものか知らないことが多すぎます。
故に、とりあえず備忘録として、出会った動植物もお出かけ記録として残しておこうと思います。以下は本日出会った秋の花々。秋の花は咲き誇る感じよりも、慎ましく咲く感じが多くて良いですね。
紫苑(シオン)
紫苑といえば、花の名前として意識したのは、高校生の頃に読んだ『ぼくの地球を守って』かも知れません。秋海棠とか繻子蘭とかもですね。
華麗さの中に芯の強さがあるようなイメージで、私は好きです。
蜂か虻かはわかりませんが、大きな虫も華の香に釣られてやってきました。
彼岸花(ヒガンバナ)
彼岸花は家の裏の田んぼの畦道でも綺麗に咲きます。今年は昨年より数日遅いくらいです。
植物の緑は葉緑素だと言われれば納得できるのですが、こんな鮮やかな赤がどうやって自然の中で作られるのか、不思議に思えてきました。
こちらは珍しい白の彼岸花。公園の遊歩道の脇に二輪だけ咲いていました。
藤袴(フジバカマ)
秋の七草のひとつ、藤袴。
万葉集にも詠まれており、昔から日本各地に群生していたようです。しかし今や準絶滅危惧種らしいです。古来から馴染みのある風物が失われていくのは寂しいものです。我々人間の産業化などの営みでさえ、自然淘汰の一部と言ってしまえばそれまでなのかも知れませんが。
小紫(コムラサキ)
紫式部(植物)と似ていて、その小さいヤツということで小紫(コムラサキ)と呼ばれるようになったのだとか。別名の小式部(コシキブ)も同じ由来であることはわかります。
小粒の鮮やかな紫の実をつけます。この実の付き方が良いということで、園芸家の中では紫式部よりも人気があるのだそうです。見分けるのが難しいのですが、葉の形を見れば分かると教えてもらったことがあります。紫式部は葉全体にギザギザがあり、コムラサキは葉の先端のほうだけにギザギザがあるのです。この写真に写っているのは少し傷んでいる葉が多くて恐縮ですが、若干は見て取れるかも知れません。
藪蘭(ヤブラン)
常緑草でほぼ一年中青々としており、温湿度の大きな変化にも強く、日向でも日蔭でも育ち、虫も付きにくい。雑草のような感じなのですが、つまりは丈夫で手がかからなくて綺麗だということで、庭や公園などの緑化にも多く使われているそうです。
決して主役として咲き誇る感じの花ではありませんが、揃って慎ましく上品な色に咲く様子は、日本の秋の風景に相応しいような気がします。